あなたの「痛み」を語りたいと思うのなら、「あなた自身の言葉」のみで語るべきだ。
「痛みを共有していることは事実」という文言を見つけた瞬間、内臓が焦げついた。勝手にひとの気持ちを断じて、勝手にそれを「事実」にして、躊躇いなく相手に押し付ける。そういう無神経さこそが彼を嫌っていた理由だったな、と思い出してひとり苦笑した。
彼、というのはぼくの双子の弟だ。ぼくたちはなんの因果か双子としてこの世に生まれ落ちたのだけど、「双子」というとくべつな響きにおよそ似つかわしくないほどなにもかもがかけ離れていた。思想も主義も主張も、思考も、感性までも。
その彼から2ヶ月