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死なない人生は幸福か?不幸か?

相変わらず我が家では「鬼滅の刃」と「進撃の巨人」に夢中です。

「鬼滅の刃」は遊郭編のTV放映が始まったので、また楽しみです。
興味を示さなかった主人までハマってしまって、今では誰よりもガン見している始末です。

この手の話は、昔からあったと言えばあったのです。
以前にも記事にしましたが、これを見た私の第一感想は、「NARUTO」「BLEACH」を足したみたいだと思ったのです。

しかし、

過去に読んだ小説で、もしかしたら鬼滅の刃を超えるのではないかと思える小説があった事を思い出しました。

コミックと小説を並列にするなんて邪道だと思う方もおられるかもしれませんが、私にとっては内容が面白ろければ、そのジャンルは関係ないのです。


面白すぎて、寝不足になった


それは「裏閻魔」という作品で、中村ふみさんのデビュー作なのです。

これには参りました!
あっという間に読んでしまい、グイグイと引っ張られるような力を感じた小説でした。


電子版ではkindleにはなかったのですが、hontoにありました。↓↓↓


2011年の発売当時から気になっていたのですが、続編が出るということなので、完結するまで楽しみに待って、全巻の3作揃ってから、読み始めました。

というのも、途中でまた発売日を待つことで、その高揚した気持ちが薄まると感動が半減してしまうので、できるなら一気に読んで、その世界観にどっぷりハマりたかったからなのです。

不老不死。
時代もの。

だいたい、こテの話に弱く、
この2点のみならず、入れ墨に鬼を込めて呪いをかけるという奇想天外さ!

そうなった人間は、すでに人ではなく、鬼となり不老不死となるとは、
なんという発想だろう!

本当に恐ろしいのは鬼か?人か?深い所を考えさせられるのです。


この作者、中村ふみさんは、専業主婦をしながら執筆活動を続け、これで第一回ゴールデンエレファント賞の大賞を受賞しました。
当時、鮮烈なデビューを果たしたのです。

このとんでもない創造力に舌を巻いてしまいました。
私と同じ主婦で、しかも同い年。 
なんでも一点に集中して、ひたすら進めば、いつかは花開くのでしょうか?

いやいや、やはり群を抜いた発想力と想像力が無ければ、ここまでの作品を産むことはできなかったでしょう。

こんなにも力を持つ小説を書いてみたいものだと、憧れさえ抱きました。

冒頭からギョッとさせられて、もう止められず、寝不足になるわ、家事が後回しになるわ…どっぷりハマった作品なのです。



映像化されなかったのは大きな謎


当時、日・米・中・韓にて同時出版され、無名作家のわりには予想外の出来だったので、次は映画化かアニメ化だろうと信じて疑わなかったのに、
その後の情報がなかったのはなぜでしょう?

プロモーション映像だけは、当時からありました。

こんな動画があると、てっきり近々あると期待しますよね、普通。
絶対にヒット間違いないわ!と、楽しみにしていたけど、なかったのはなぜ?

もしかして私が知らないだけなのか?

今、思い出してみても、やはり映像化を切望してしまうのです。


不老不死というテーマが根本にあり、それをを上手く活かせて、
友情と愛情を散りばめながら、その切なさと哀しさを描いているのです。

死なない人間がどんな苦悩を背負って覚悟を決めるか。
また、関わった人間達がどう反応し、どんな人生を送るか。

特に愛する人たちは、どんどん老いて人生を終えていき、世代交代を繰り返し、その子孫たちとも関わってゆく中で、時を超えて延々と繋がりが続いていきます。

多少は強引に持っていくところもありましたが、あっちもこっちも気になる展開に、途中でこれはどう回収するんだ??と思わせといて、最後はスッキリ締めています。

なんせ、幕末から昭和にかけての、明治維新、日清戦争、日露戦争、太平洋戦争…と、いろんな意味で最悪な激動の時代を背景に描いたという事が、面白さに拍車をかけています。

時代背景も世代も目まぐるしく移り替わる中で、生き続けるという主人公の悲哀に焦点を絞った深いストーリーなのです。

永遠に生き続けなければならないという事は、死ぬことより、はるかに恐ろしい事だと思わされます。

どうしてこんなにも壮大な作品が映像化されなかったのだろう!


不老不死というテーマは永遠かも!


ふと、~これって前にあったなと、思い起こしてみると、

エドガー…メリーベル…アラン…そうそう! 「ポーの一族」
萩尾望都先生の忘れられない名作!!
永遠の時を生きる吸血鬼の切ない苦悩を描いた作品。


それに夢枕獏の「黒塚」。
これはなんと義経が、鬼の力で生首となって永遠の時を生きるという、なんとも壮絶なお話。


もしかして、これらの影響受けたかな??

しかし、この「裏閻魔」は不老不死になる原因が大きく違います。

ポーや黒塚は吸血鬼ですが、これは刺青タトゥーだという違いこそあれ、3作品ともに共通しているのは時空を超えて生きる者の悲哀を描いているという点なのです。

この「裏閻魔」、もしアニメ化や映画化されたなら、鬼滅を超えるのではないかとさえ思います。

映画化されるとしたら、主人公の閻魔は誰が演じる??あれやこれやとキャストまで妄想してしまう…そんな余韻の残る面白い作品なのです。

「不老不死」というテーマをバックボーンにすると、ストーリーは俄然おもしろくなりますね。
想像次第でいくらでもストーリーは膨らんで広がります。

それを証明してくれている作品たちでした。




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