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「スラムダンク」でチームワークの真髄を知る

話は遡りますが、年末は例のごとく連日、老夫婦ふたりボッチでした。

長男は寒い中、29~31日まで「ゲーマーの集い」のため北海道まで出かけ、次男は「連日飲み会」で朝帰りばかり。

年末の行事と言えば、かる~い大掃除ぐらいのものですが、それも息子たちは遊びたいために要領良くこなしました。

息子たちが高校生ぐらいまでは、家族で映画を見に行くのが年末行事のひとつでしたが、ここ5年ほどはそれも夫婦だけの行事となりました。
(お正月は混雑しますので)


そんな中、ミラクルさんのクリスマスイブの記事で、映画公開されている「スラムダンク」の感想記事が目に留まったのです。

普段のミラクルさんはとてもユニークな記事なのに、いつもとは違うまともな記事に(笑)、マジさを感じて俄然観る気が湧いたのです。

ちょうどアニメ好きの主人も観たがっていた事でもあり、世間がまだ慌ただしい30日に観てきました。

ある程度● ● ● ●の掃除、ある程度の買い物を済ませると、あとはゆっくり映画を楽しみました。

先日「すずめの戸締まり」を観たばかりですが、またもやアニメの「スラムダンク」を観て、つくづく思う事は、

やっぱり日本のアニメはすごい!

ストーリーといい、作画といい、それぞれに個性があってバラエティー豊かだと、つくづく感じました。



軸足を変えたサイドストーリー

私は原作を何度も読んで、その度に感動して泣きまくっています。

だからこの映画も、原作コミックをただ単にアニメ化しただけのものだろうと、ナメていました。
それでも足を運んだのは、オールドファンとして見逃せなかったからです。

まず、オープニングからカッコ良すぎて釘付けになり目が離せません。

原作での主人公・桜木花道の声優がドラえもんのジャイアン役・木村昴さんだという前情報に、ちょっと危惧はしていたのですが、まったく気になりませんでした。


原作を知らない人も大丈夫

違うメンバーが主人公のスピンオフなので、読んでいなくても全く問題なく楽しめます。

もちろんベースは変わらないのですが、新たな視点からのストーリーなので、とても新鮮に楽しめます。

バスケットを知らない人であっても、このリアルな臨場感は感じていただけるはずです。


原作を知る人はさらにハマる

なるほど、そうきたかー! 

原作を知る人はおそらくこう思うと思います。
少なくとも私はナメていたことを一瞬で反省したぐらいです。

原作でもかなり泣きましたが、こちらのストーリーではさらに涙するシーンが増えています。

原作を知っているからこそ、頭の中で別のシーンと繋げる事ができて、さらに深くスラムダンクの魅力にハマりました。


連載終了から26年

原作の「スラムダンク」が連載終了したのが1996年でしたから、すでに26年も経つ今、どうして今さらアニメの映画化がされたのでしょう?

最終回まで読み終えて、誰もが続編を期待し、何度かアニメ化の噂も聞こえてはいたのですが、実現される事はなかったのにもかかわらずです。

テレビアニメとしては放映され、再放送版を子供たちといっしょに見たりはしていたのですが、ギャグ要素が強く、肝心な描写も心もとない仕上がりだったので、何だか原作のようには感情移入できませんでした。


画力と最新CG技術の融合

原作者は言わずと知れた井上雄彦さんで、彼が監督も務めています。
今さらのアニメ映画化は、やっと原作者の表現したいカタチを実現できるCG技術が追いつてきたからではないかと思います。

他にも、吉川英治の小説『宮本武蔵』のコミック化・バガボンド、障がいや車いすバスケットボールをテーマにしたリアルなども読みましたが、なかなか次巻が出なかったり、休載したりでしびれを切らしてしまい、結局最後まで読めてはいません。

確か「リアル」は13巻あたりまで揃えていましたが、あまりにも話の進行が遅く、結局はメルカリで売ってしまいました(笑)


手書き風だけどハイクオリティー

同じように最新CGを駆使した現実離れしたアニメとは違い、ちゃんと人の手による肉筆も残しながら仕上がった映像は、原作者の画力を前面に押しだしています。

井上さんはこれがしたかったのかー!

今までは技術が追いつかず、イメージの実現が難しかったのかもしれません。

アナログ的で繊細なタッチを前面に押し出しながらも、滑らかにアニメ化されているので、本当に原画がそのまま動いているように感じられます。

言いかえれば、「現実感のある最新アニメ」です。

この2つの日本語は相反するものではありますが、このように表現せざるを得ません。


チームスポーツの真髄を再認識

以前もチラッと書かせていただきましたが、私も中・高時代はバスケット部でした。

その当時から今も変わらず身長は156cmしかない小柄のため、ポジションは「ポイントガード」でした。
基本的にはチームの司令塔との事ですが、残念ながらその認識は薄く、どちらかと言えば切り込み役でした。

出典:THE ANSWER

オフェンス攻める時は攻めまくり、よくチャージングオフェンスファールを取られたものです。

今でも、相手ディフェンス守るの腰から下の低い位置をドリブルでくぐり抜ける時のシーンが脳裏に浮かびます。


「個人の成長」がチームを育てる

曲がりなりにもチームスポーツを経験したからこそ、胸に深く伝わるものがありました。

いや未経験であっても、スポーツ観戦が大好きだという方にも絶対に伝わるはずです。

「チーム」というのは育てるものであり、個人個人の連携や共有する目標が一つになった時、大きく成長します。

バスケだと5人、サッカーだと11人、野球だと9人の全てが、心の底から願う目標を持ち、同じ一点を見据えた時にとんでもない力を発揮するものです。

この映画では、たったの1試合を進行させながら、チーム全員の過去を振り返りながら彼らの気持ちが一つになる過程を描き切っているのです。

原作を知るオールドファンも全く知らない未読の方も、同等の驚きと感動を得られるものとなっています。


息子たちにも観てほしいが…

「あんたらも観てみて!感動するから!」
と早速、チームスポーツ経験者の息子たちにも勧めたのですが、反応はイマイチでした。

次男は以前も記事にした通りサッカー経験者、
長男はまだ記事にはしていませんが、なんとバスケ経験者です。

長男:「今さらええわ…」
次男:「バスケ知らんもん」

という歯切れの悪い反応で、やっぱりZ世代にはわからないのかと、ジェネレーションギャップを感じてしまいます。

観ようと思えばいつでも観れる徒歩圏内に映画館はあるので、観てくれることに淡い期待を寄せつつ、ハラハラドキドキのこの臨場感を是非とも味わうべきだと願わずにはいられません。


THE FIRST…とあるので、もしかしてまた続編ありなのでしょうか??
SECOND…も期待してしまうのは私だけではないでしょう。



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