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独断と偏見で語る大河ドラマへの思い

NHK大河ドラマについて熱く語ります。
中には毒舌も含まれますが、ご容赦下さい。

というのも、ハーバさんが投稿された2部作の記事を読んで、急に大河ドラマを熱弁したくなったのです。

ぺれぴちさんの「伊達騒動と樅の木は残った」5部作の記事も面白く読ませていただいたのですが、これも大河ドラマ化になっていたとは知らなかったのです。

ぺれぴちさんの記事をキッカケに歴代大河作品を調べてみました。

以前も書かせていただきましたが、私の歴史好き、紀行好きは、司馬遼太郎作品からはじまりました。
大河ドラマの記憶も、司馬作品による高橋英樹さん、平幹二郎さん主演の「国盗り物語」からです。
ですからそれ以前の「樅の木…」は全く知らなかったわけです。

その後はほぼ見て来たつもりが、思った以上に知らないものがあった事に驚きました。
面白くなくて途中で見なくなったもの、面白すぎて忘れられないもの、振り返ってみると、なかなか多彩なラインナップだった事に気づいたのです。



視聴率とドラマの良さは比例しない

大河ドラマ視聴率ランキング表を見てみると、1位、2位は40%に迫る勢いで、今から考えたら驚異的な数字です。

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しかし、ざっと視聴率だけで作品を評価すべきではなく、そこには激変した時代背景があるのです。

デジタル放送への移行に伴い、放送チャンネルが増えた

2003年よりデジタル放送が開始され、2011年には完全移行となって、テレビのチャンネル数が劇的に増えました。
それに加えて、YouTubeの人気上昇によって、視聴者の選択肢が増え続けたため、大河ドラマに固執する人が少なくなりました。

表からも20%超えのものには2011年より以前のものが多いようです。

そもそも若者はテレビ離れ

私の息子たちもそうですが、動画サイトやゲームに夢中で、そもそもテレビを見る時間が減っています。
それは私たちが若い頃と比べると激減していて、自分の見たいものは録画予約するのですが、ただなんとなくテレビを見る時間はほとんどないのです。

他に楽しめる”娯楽”の選択肢が多くなっているのはいなめないのです。

ターゲット層とドラマ内容とのギャップ

過去の出来事なのだから歴史は変わらないのではなく、次々と新たな史書や遺跡の発見により、どんどん変化して”新説”が浮上しています。

大河ドラマを見るターゲット層である年配の方々は、その”新説”についてゆけず、あくまでも「このお話はこうあるべき」という本来の旧説にこだわっている人もいます。

またそれらの方々は新説に基づいた斬新な脚本の構成についてゆけないため、思った通りの楽しみ方が出来ずに物足りなく思う傾向にあるようなのです。


歴代大河の勝手な総評

低視聴率にあえぐ中、NHKもどうにか大河ドラマの人気を取り戻そうと、最近の出演キャストには気合が感じられます。

若手人気俳優を主役だけではなく脇役にまで、なかなかの俳優陣を投入しています。

それはもう、純粋に史実に合ったキャストではなく、とにかく注目されたいという意志が見えて、本末転倒になっている場合もありました。

めちゃくちゃ面白い時代で重要人物であるにも関わらず、なぜか面白いとは思えず白けてしまい、見たくなくなった作品は2作品あります。

江~姫たちの戦国は、私はシラケてしまったひとつです。
本来なら、浅井三姉妹の人生は、信長・秀吉・家康という戦国の三英傑に翻弄された、とても面白いものです。

もう一つは新選組!です。
なんでだろう。これも上記と同じような理由で最後まで見れなかった。
見たのは堺雅人さんが演じていた山南敬助が切腹するところまでで、そのシーンはとても感動したのです。

しかし脚本がマズかったのか、キャストも良かったにも関わらず、あり得ないシーンが多過ぎて、それは新しい史料発見による新説とかいうようなものではなく、ただの陳腐なドラマに仕上がっていました。

花燃ゆも途中でフッと興味がなくなりましたが、歯を食いしばってなんとか最後まで見ました。

なぜかというとこの年、実際にレキジョークルで山口県の萩へ紀行していて、なんだか登場人物が身近に思えたのが踏みとどまった大きな理由かもしれません。

これらの陳腐ドラマは、おそらくマンガでももっとリアルだろ!とも思いましたが、最近のマンガは本当にスゴ過ぎて別格になっているので、比べるべき対象ではないのかもしれません。

これらを見て残念に思ってから、私も徐々に大河離れした時期もあったのは事実なのです。

その反面、大河ドラマは基本的に時代が進むにつれて、よく出来ていると思います。
特にデジタルになった以降の画像は素晴らしい。

今でも忘れられないのは、八重の桜の戦闘シーンです。
ドローンを使って遠景からアップによるという迫力あるシーンに釘付けになりました。

今では当たり前のドローン撮影ですが、このとき初めてその効果を目の当たりにして釘付けになりました。
その後4K放送の美しさが加わって、よりリアルな映像になっています。

昨年から今年にかけては、コロナの影響で放映日が削られて、思うように表現しきれなかったのは本当に残念に思います。

麒麟がくるはせっかく初めての明智光秀目線の話で、おまけに新説をかなり盛り込んだものだったので、ちゃんと放映出来たらもっと良い作品に化けていた可能性があったと思います。
ただ「山崎の戦い」をスルーしてしまってはいけません。
最後は光秀生存説を取ったのなら、「山崎の戦い」も描ききって、オチをきっちり着けてほしかったです。

青天を衝けは前回の「麒麟…」が次年まで食い込んだため、始まりが遅くなった上、12月26日までなので、放送日数が短いです。
そのため、渋沢栄一の長い人生を描き切れるのかと、今からとても心配です。


勝手にベスト3と心に残る作品たち

とは言え、面白い作品は多いのです。

軍司官兵衛は主演が岡田准一だと聞いた当初は、正直なところ演じきれるか?とおせっかいな心配をしたのですが、とんでもなかった!
最初は支配者に従順だったのが、最後にはここだという好機を見つけたら、腹黒さを発揮して天下を狙うあたりの演技は素晴らしかった。
彼はこのドラマの出演でかなり俳優として成長したはずです。

真田丸」は主演の堺雅人さんだけでなく、その父役の草刈正雄さんの演技も良い!
コミカルな部分も見せながら、また違った角度からの関ケ原の戦い~大坂の陣における、大きな変化の日本史を見せてくれました。
地元・大阪が舞台だったこともあって、実際に紀行も行ってみた事で、余計に物語に入り込むことが出来たのです。

他にも良かったのはありましたが、ここで、私の勝手な偏見で選んだベスト3を挙げたいと思います。


👑第1位「いだてん

これは素晴らしい!
なんで最下位なのか、全く意味不明です。視聴者はいったい何をみているのか?!
時代が近いからとか、オリンピック離れの傾向にあるからとか、いろいろ理由は挙げられているようですが、関係ない!!

初めてのオリンピック招致を、どれだけの熱意と労力をかけ、どれだけの逆境を乗り越えて実現したのか、その過程を日本人として知るべきだと思う。

宮藤官九郎くどうかんくろうさんによる今までにない斬新な構成の脚本で、時代が行ったり来たりする中での話の展開も目が離せないほど楽しめました。
ただ、その斬新な展開が年配の方々はわからん!と言っている人もいました。

低視聴率の原因はそれかもしれない。逆に若い層が見たら、純粋に感動したのではなかと思えます。

とにかく、いくつもの歴史上の大事件を乗り越えて、それでもやり遂げたオリンピック関係者に、拍手を送りたくなる。

これは涙の感動作であり、立派な名作だと断言できる。

⬇️以前も記事にしました。


👑第2位「龍馬伝

「いだてん」が放映されるまで、これが一番でした。
同じ土佐出身の三菱創立者・岩崎弥太郎の視点から物語が進むのがいい!
現実に、龍馬と弥太郎は友達だったという史実はないが、あり得るかもと思わせてしまう。
龍馬に対しての「ひがみ」は裏返すと、「尊敬」であると感じさせる香川照之さんの演技も素晴らしい。

もう一人、土佐藩の重臣・後藤象二郎も、同じように「ひがみ」と「尊敬」が同居してジレンマを起こしている青木崇高さんの演技も上手い。

主役の福山雅治さんもさることながら、それを取り巻く脇役たち全てがハマり役で、この時代における土佐藩の立ち位置がよくわかり、薩長とはまた違う駆け引きも面白かった。

最終回は、龍馬が暗殺されないようにあり得ない事を願ってしまった。


👑第3位「平清盛

視聴率で言うとこれがなぜワースト№2なのか、理解できない!
放映中から、画面が汚いとか酷評されてはいたが、この時代にはもちろん道は舗装されてはいないので、ホコリが舞って小汚いのがリアルな映像。

ハッキリ言って、これは名作!

父の代までは、「天皇の犬」だと陰口をたたかれていた武士というものを、初めて政権を牛耳ぎゅうじる地位まで押し上げて、平家一門の実績を残した清盛の生涯なのです。

”犬”の時代から必死に働いて、這い上がる健気な清盛から、権力を持って傲慢になった清盛まで、見事に演じ分けた松山ケンイチは称賛するに値すると思う。

少なくとも、私はこの作品で彼のファンになったのに、あまりの低視聴率と酷評のせいか?その後の松山ケンイチは、あまり映画もドラマも出なくなり、おせっかいですが気の毒に思えてならないのです。


大河ドラマを見る時の心構え

完全な偏見かも知れないですが、以上が私が持つ大河ドラマの大まかな感想でした。

ドラマというものは、大河でなくても感想は人それぞれなので、どれがいいとか悪いとかは言い切れないのです。
それぞれの感性とどうマッチするかによって、視聴者の評価は別れてしまうのですから。

ただ、大河ドラマを楽しむ心構えとして、以下の事を注意すべきだと思います。

☝️決して史実通りと思ってはいけない。

☝️時代小説と同じく、あくまでも創作だと認識する事。

☝️自分の理想を押し付けてはいけない。

☝️意外な展開になってもツッコめるほどの寛容な気持ちを持つ事。

☝️素直な目でストーリーの行方を見守る事。

☝️それぞれの時代を生きた人々の人生を尊ぶ事。


さんざんあれこれ語ってしまいましたが、
大河ファンの方々に質問です。

あなたはどれが一番良かったですか?



水色M


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