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【発達障害】WAIS-ⅣとCAAAS受検⑧

■知覚推理(PRI)

目で見た情報を取り込み、要素を関連付けてまとめる能力を示す。
WAIS-Ⅲまでは知覚統合/知覚推理(PO/PR)という項目だった。
下位検査は
絵画:完成視覚的細部を素早く感知する能力。
積木模様:空間認知、視覚的抽象処理、問題解決力。
行列推理:非言語的抽象課題解決力、帰納的推理、空間推理。
 
わたしは全検査IQに近い現実的な数値ではあるが、平均よりは下で通常よりやや弱い部分になる。
しかし何故か全ての下位検査の中で【行列整理】だけが飛び抜けて得点が高かった。
【行列推理】についてはもう少し詳しく書くと、
●非言語的抽象課題解決力
(情報のなかから物事の本質を捉え、解決方法や対策を考える力)
●帰納的推理
(観察や証拠に基づいて一般的な結論を導き出す)
●空間推理
(3次元空間において物体の位置や形状・方向・大きさなどの状態や位置関係を素早く正確に認識する能力)
で、論理的な思考、見通しを立てる能力に直結する。
これは普段わたしのツイート読んだり、一緒に仕事したことがある人だとなんとなくわかっていただけると思う。
 
尚、知覚推理(PRI)の各下位検査の項目が低い場合どうなるかというと
┗図や地図の読み取りが困難、図形の展開図や座標を想像できない
┗抽象的情報・非言語情報の処理が苦手
┗表情や仕草や雰囲気から心情が読み取れない
┗例え話や婉曲表現、建前がわからない
┗これらに拠り、言葉以外の表現によるハイコンテクストなコミュニケーション、ノンバーバルコミュニケーションがとれない
┗第三者的視点で想像することが苦手
┗統合して全体を俯瞰的相対的に捉えることが苦手
┗自己を客観的に評価することが苦手
┗全体の流れや先を見通すことが苦手
┗論理的に筋道を立てて考えられない
┗客観性に欠け主観で思い込みやすい
ということになる。
 
【心の理論】の欠如=他者の心を類推し理解する能力の問題という、ASDの多くが訴える症状に関わる部分であり、コミュニケーションに於いては言語よりも非言語的なものの方が多くの情報が伝わることからも他者との交流に困難を齎す要因になる。
 
わたしの場合、生徒会役員をしたり、社会人になってからも管理職に就いたり、接客サービス業にも従事していたのでそこまでコミュニケーションに於いてはひどい困難は感じてないが、冗談や誂いで言われているのかどうなのか判断ができない時が屡々ある。
(でもしゃべくり漫才とか落語とかコントでは普通に笑えるんだけどなあ…と思ってたり)
でも、中学くらいまでは度々対人トラブルも勿論あったし、長いこといじめやからかいの対象になってたし、一時ストレスで緘黙になってたくらいなので困難は抱えていたと思う。
高校に入ってからは「なんか時々変なこと言うけどそういうキャラ」くらいになってた気はする。
 
あと知覚(=感覚器官を通じて外界を見分けとらえる働き)を統合できないことでどういったことが何が起こるかというと、
・アファンタジア(脳内で視覚イメージや音声が浮かべられない)
・識字障害(ディスレクシア)
・書字のバランスがとれない、描画が苦手
・相貌失認(顔を認識、区別できない)
・失感情症(アレキシサイミア=自分の感情を認知したり、感情を言葉で表現したりすることに困難を生じる。感情の変化を失う疾患、状態ではない)
・左右盲
・道順障害、街並失認
(目印になるものを意識できない、どこにいるか、方角が認識できない)
・性別違和、性的指向や性的規範の混乱
・聴覚処理障害(APD=音としては聞こえるのに言語として理解できない)
等の問題がある。

この他に、わたしの場合、忘れ物の原因として「似た色の場所に置かれると探せない」「見えない所に置いたものは認識しなくなる」があるので、そういった現象も知覚のアンバランスさが絡んでいるような気がしている。

また、これとは逆に知覚機能のうちの一部が亢進している場合
●ハイパーファンタジア
(現実と区別できないほどの鮮明なイメージや内的体験を持つ)
●共感覚
(文字や言葉、音、月日や時刻や数字から色彩や香りや味を感じたりする)
●カメラアイ
(瞬間記憶能力=記号や文字列、パターンやディテールを瞬時に記憶できる)
●エンパス(empath)
(人の感情や感覚に敏感で近くにいる人と同じ感情や感覚が沸き起こる)
という現象もある。

わたしにはハイパーファンタジアとカメラアイの傾向もある。
ハイパーファンタジアの影響で特に小学生の頃は離人感があった。
そして読書するにあたっては数行単位でまとめて読むのがデフォルト、絵を書くときや臨書する際は資料を脳裏に焼き付けておくことができるなどの利点があった。

この知覚推理(PRI)という項目については、その下位検査の中で、どれの値が高いか、或いはどれの値が低いかで当事者に起きている困難にかなり具体的に迫って対策を考えることができる指標のように思う。
 
また、このような知覚のアンバランスさが感覚過敏やそれによる身体のストレスが病的な疲労感や、発達障害と関連が大きいと言われる免疫系の疾患や過敏性腸症候群などにも影響しているように思えてならない。

あとは、この指標と処理速度が体の動きや空間の認識のズレを生んで発達性協調運動障害につながっているようにも思うし、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じるという点からも学習障害への影響があるようにも感じているので、追ってもう少し分析しようと思います。

次回はワーキングメモリー(WMI)!

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