今ある環境の不自由さを柔軟に捉える【本紹介】

どうも~千夏です。
今回は宮西真冬著「友達未遂」について書きます。


自分の趣味の一つに「図書館通い」がある。
数ヶ月前から定期的に図書館に通っている。返しては借りているのでたいてい読みたい本が手元にあるという状態を保ち続けている。

普段は本を返すのと借りるのを5分ほどで済ませているのだが先週は違った。
宮下奈都著の「静かな雨」と宮西真冬著の「友達未遂」の2冊を手に取った。
図書館内で2時間ほどかけて2冊を読み終えた。

作者もジャンルも異なるので全く違う話なのだが、どちらも高校時代に読んだ再読本である。

この2冊のうち今回は特に印象に残った「友達未遂」について書く。

「友達未遂」は環境に不満を持った女子高生の物語だ。
前半は主人公が一章ずつ変わっていく。
そこでメインの4人の女子高生の置かれた環境がわかった状態で物語が進んでいく。

結末が意外でこんな終わり方なんだと驚いたところで物語は終わる。
タイトルに書いたことは自分の愛読書である、宮下奈都著の「よろこびの歌」にもある特徴だ。 けれどよろこびの歌とは少し環境の捉え方が違う。
よろこびの歌の登場人物は少しずつ自分の環境への考え方を変えて受け入れていく。
置かれた場所で咲こうとする。
でも友達未遂の登場人物は少し違う。
上手く環境を利用するのだ。
そして利用する中で関係を築いていく。
同じ敵に向かって立ち向かうことで表向きではないしっかりとした絆を結ぶ。

いずれにしても環境を上手く捉えて過ごしている。
そういうことができる強さがある。
そこは変わらない。
でも上手く環境を利用して切り抜けるというのはマイナスな理由で関係を築いているからリスクがある。
できればよろこびの歌のような人間関係の築き方をしてみたいものだと思う。

こういう物語のすごいところは敵を倒すという展開がないこと。

自分の敵に作戦を立てて切り抜けて倒していく。
あるいは倒したあとか悪事を暴いたあとに敵と仲良くなる。
こういう展開の物語は多いけれど実際にそれをやってみるのは難しいんだよなぁ。
悪事を暴く能力より環境を上手く捉える能力を身に着けたい。

今回はこんなところで。
それではまた~。