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窯出しとろけるプリン【東大卒・無職がコンビニスイーツ100個食べて感想書く・その1】
人は誰も心のどこかで、各々の「帰るべき場所」を必要としている。
上京してまもないころ、ネットカフェを転々としてその日の寝ぐらとし、初めはそれでよしとしていた僕のとある友人も、ほどなくして「つねに寝る場所が定まっていない暮らしはつらい」と思い至り、シェアハウスへの入居を決めたという。
「何があってもひとまずはここに帰ってくればいい」という事実がもたらした安心感は、彼の精神の安定に大いに寄与したと聞いている。
人にはやはり、何かしら「帰るべき場所」が必要なのだろう……そう思わされたエピソードだった。
プリンは、まさに僕にとってひとつの「帰るべき場所」である。
ケーキ。
クレープ。
パフェ。
大福。……
数え上げればきりがないほど存在するスイーツたちの中で、プリンはぼくにとって「原点」としての位置を占めている。
何かあったら、心が惑うことがあったら、とにもかくにもプリンに還ればよい。
そういう安心感が、プリンというスイーツには、ある。
そういうわけで、記念すべき第1本目の記事の題材として選んだのが、こちらだ。
「窯出しとろけるプリン」(ファミリーマート・税込149円)。
「王道中の王道」と称して差し支えないだろう。
もはや期待を裏切られるイメージさえ浮かばない。
ちなみに栄養価はこんな具合。
高すぎないカロリー。
卵とクリームに由来する、意外と豊富なたんぱく質。
ダイエット中に食べても許されそうなこの控えめな感じが、いっそうの安心感をもたらしてくれる。
それでは、さっそく実食といこう。
じゃーん。
「とろけるプリン」と称するわりに、スプーンを挿し入れたときの手応えは案外しっかりしている。
果たして食感はいかほどのものか……?
……。
……とろけた!!
口の中に入れた瞬間、完全にとろけた!!!!
いい意味で裏切られた気分だ。
裏の裏をかかれてきっちり表に戻ってきた、というところか。
固体なのか液体なのかわからない、なめらかさの化身とでも表すべき食感……。
プリン、やはり最高である。
ところで、「固体でもあり液体でもあるもの」として最もよく知られるものといえば、やはり猫ではないかと思う。
プリンも最高、猫も最高。
「固体であり液体であるもの」には、我々人間を引きつけてやまない何かが備わっているのかもしれない。
プリンに話を戻そう。
3口、4口と食べ進めていくが、いっこう食べ飽きることはない。
卵とクリームの風味がしっかり立っている一方、甘ったるさはそれほどないので、くどさを感じることがないのだ。
王道を極めんとするファミリーマートのゆるぎない意志を感じる。
そしてとうとう、最奥部のカラメルに到達。
プリンの分量に比して、カラメルはそれほど多くない。
カラメルフリークな人たちにとっては少々物足りないかもしれない。
こだわりの薄いほうと自認している僕ですら、「もう少しあってもいいのにな」と思ってしまった。
しかしながら、味はやはりさすがのもの。
過不足ないラインに調整された苦みがカラメルそのものの甘さ、そしてプリンのまろやかな味わいを引き立て、プリン単体で食したときとはまた違った味わいを引き出してくれる。
なすべき仕事をきちんとこなしている、バイプレイヤー的なあり方が愛しい。
カラメルとプリンのコンビネーションにもう少し酔いしれていたかった、と惜しみつつ、完食。
素晴らしい時間だった。
これで税込149円、個人的にはまったく文句なしだ。
最後の最後に若干気になったのは、食べ終わってしばらく口の中に嫌な甘ったるさが残ってしまったことだ。
食べている途中はまったく気にならなかっただけに惜しい気持ちになった。
とはいえ、そんな余韻を冷えた麦茶やアイスティーで一気に押し流すのもまた一興。
童心に帰ってグラスいっぱいの飲み物を一気飲みし、口をさっぱりさせて締めるのも悪くないのではなかろうか。
「窯出しとろけるプリン」(ファミリーマート・税込149円)、大変おいしゅうございました。
ここを出発地として、俺は広大なコンビニスイーツ界へと羽ばたいていくぞ!!
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