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時短は得だが身が持たず

朝から用事に追われること自体が数ヶ月ぶりのことだったので、強制的に早起きしなきゃいけない。

そうと決まれば早く寝るべきだと相場は決まっていて明らかなのだが、普段よりも4時間も5時間も早い時間に布団に潜っても欠伸が数回飛び出した程度で、残りはライトの面影もない黒一面に自分が映し出されているような想像をしながら次の日の朝を想像して時間が経過していった。

遅刻はできないし、朝は6時を過ぎようとしている。

調子に乗って徹夜なんかするはずじゃなかったのに。
いや今日は調子に乗ってたのが理由で寝られなかったわけではないとは思うけど。


こんなことするつもりは一切なかったし、できるのであれば万全の状態で出かけたかったのに、そう上手くはいかなかったみたいだ。一度寝たら次目を覚ます時間がいつになるのかと考えたら怖くて、寝ることを諦めた。


一日中ずっと頭がいまいち回らない。ぼーっとした感覚が残っていて、電車酔いも普段以上にしんどかった。

揺れをごまかし、睡魔をごまかし、ラジオと音楽で胸の中だけでも高鳴るものを入れてみたものの、眠いものは眠い。日中になってから眠くなるのが意地悪だ。


用事をこなしている間も、正直眠たかった。何のために早い時間に家を出たんだろうかと考えるだけでもうこの週末を後悔したくなる。終わりのない悔いが始まりそうだった。

乗車中は揺られに身を任せる以外に何もできないことで、まぶたが重たくなっていくのだが、足を使って移動をしている途中は眠さが限りなく小さくなる。

最短距離で帰って眠る時間を確保すればしんどい眠さを打破できるだろう。


まっすぐ帰るのあんまり得意じゃないというか、面白くないと思っちゃって、寄り道していた。

CDショップや洋服屋があるターミナル駅。春に向けての準備をしたそうな表情だけとり繕って店内にそそくさと入って、引かれるものがなくて顔色変えずに退店を繰り返した。春ふくは今年増やすことがないのかもしれない。

CDショップへ。店が押し出しているアーティストの曲を調べ、その場で聴いてみる。まだまだヤングなカリスマ!とかニューウェーブ!とか新世代扱いされているアーティストは、どこか曲に明るさと軽快さがあって元気になれたような気がした。

新しい存在にちょっとだけ近づいたところで、CDを一枚買ってきた。

ペトロールズの「SUPER EXCITED」

おすすめされた曲がとても気に入ったし、サブスクには曲があまり出ていなかったから、この機に!とチャレンジしてみたかったのだ。

無理やり身体を起こすには、興奮させて後悔の念を打ち消すためには、金銭の消費は免れられなかったのかどうかはわからない。

家までの帰り道も眠くて眠くてたまらない。昨日眠れなかった分だけ、今日はぐっと深い眠りにつけそうな気がしている。

「ふだんと起きてる時間帯が違いすぎるからだよ、夜型もう少し改善すれば?」と言われた。

少しずつ寝る時間早めるチャレンジもやったほうがいいのかもしれません。

おやすみなさい。

自分を甘やかしてご褒美に使わせていただきます。