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文学作品

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高校生の頃に作ったものを手直ししています。あとは最近の作品です。
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#海

春の風に酔う

春の風に酔う

春の陽気に 誘われて
彼女と出かけた 帰り道
波打ち際は 眩しくて
光の粒が 僕ら包んだ

潮風が髪、なびかせた
波が目元を、明るく照らす
照れた僕見て、笑ってた
そんなひととき、安らぎの時

遠くの雲に 嵐の気配
僕ら手をとり 歩くんだ
砂浜、裸足で 温もり感じた
笑顔に、肩に 愛しさ募る

僕らが誓った 永遠の愛
君は秘かに 不安を抱いた
僕は無邪気に 夢を見ていた
波の間で 恋が揺れてた

海辺にて

海辺にて

「失恋の傷なんて波にでも流してこいよ。」
友人のさり気ない一言を真に受けた僕は、ひとり秋口の海岸に立っていた。
目の前に広がる海は青く澄んで、泳ぐにはもう肌寒く人影もまばらだった。

昨日のやけ酒が残って、胃が苦しい。こういう時、康介は何かと僕に飲ませようとする。酒でココロの傷が癒えるとでも思っているのだろうか。僕はぼろぼろな感情を焚きつけられ、深夜の居酒屋で前日に振られた彼女の名前を連呼した挙げ

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