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恋文

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いつか思いが届きますように
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#桜

僕らは何度も約束をした

僕らは何度も約束をした

僕らは何度も 約束をする
契り、契約 誓いの言葉
別れを演じて 吐き捨てる
叶わぬ思いが 残される

僕らは何度も 約束をした
壊れやすくて 脆いから
大事に抱え 生きようとした
躓き転び 砕けて、消えた

華奢な腰にも か細い手にも
想いを伝えて 繰り返す
このひと時が 続きますよう
明日もその後も 失くさぬようにと

僕らが交わした 約束は
宙を舞い散る この花の様
淡く儚く 風に舞う
散り逝

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宵のサクラに 

宵のサクラに 

幾年月の 夜を越え
サクラの蕾は 夜露に濡れた
宵の艶やか 誘われて
酔いの勢い 夜道を辿る

詮なきことと 諭されて
心鎮める 詩を詠む
伸ばした指先 月は彼方に
彷徨い歩く 道の先

花冷え、震え 星は冴え
逢えずばかりの 君を想った
想いの丈は 何処へ届く
情けなくとも 頬は濡れゆく

春は桜の木の下で

春は桜の木の下で

春は桜の 樹の下で   
甘く切ない 恋の囁き

薄雲かかる 三日月に  
背中押されて 心が騒ぐ

僕には何が できただろうか 
桃色花びら 舞い散る中に

君の横顔 見つめるだけで 
言葉にならない 心が騒ぐ

君は突然 振り向いて   
恥ずかしそうに うつむいた

胸の鼓動は 静まりもせず 
僕には何が できただろうか

ああ、そうだね 
桜の花が、綺麗だね