社会をつくる力を育てる授業づくり47 どこに住む?プロジェクト〈2〉
どこに住む?プロジェクトについて書いています。
実際のプロジェクトの進め方を書いていきます。
課題発見の場面では、地形的に特徴のある場所の写真を提示します。
低い土地なら、堤防に囲まれている土地の写真を見せます。
堤防より低いところに家が並んでいたり、屋根より高いところに道路があったりする写真を見せて、この場所に住みたいから問うてみます。
自分がその場所に?という問いによって、本気になって考えることがスタートするわけです。
同じように、高い土地の写真も見せます。
日本は山地が多い地形ですが、ほとんどの人は平地に住んでいるわけです。
内容の取扱いにもあるように、自分たちが住んでいる地形と異なる地形を取り上げることが求められていますので、高い土地での暮らしに注目させたいです。
坂が多いところに家を建てるわけですから、写真で見ると、とても住みづらそうに見えると思います。
また、山間の中に点々と家が建っていたりする写真をみると、マンションや住宅街にすんでいる子どもたちは、寂しさを感じるかもしれません。
それでも、それぞれの土地に住んでいる人がいるわけですから、その土地に住む良さがある、ということが推測されます。
その上で、どこに住む?という問いを投げかけて、プロジェクトをスタートさせます。
課題追究の場面では、それぞれの住みたい土地に合わせてグループで学習を進めるのも良いと思います。
住みたいかどうかですから、まずは家の作りに焦点をあてて調べる子が出てくると思います。
低い土地では、水害から家を守る工夫がされていると思います。
どこに住むか?が入り口ですが、家のことだけではなく、生活していくことも考えないといけません。
そこで、それぞれの土地の人たちが、その特色を生かしてどのようなくらしをしているのか、というところに注目していきます。
低い土地では、豊かな水を生かした産業がありますし、高い土地では、その気候を生かした農業や観光業が盛んになっていきます。
こうした違いを見比べることで、地形の特色に合わせたくらしの工夫が見えてきます。
提案・参加の場面では、それぞれが住みたい場所について、調べた観点をもとに発表し合います。
発表し合う中で、それぞれの土地のメリットやデメリットについても意見を交わし合うことで、深めることができます。
住みたい場所ですので、作った提案を身近な人に聞いてもらったり、追究の際に協力していただいた方に聞いてもらったりすることを取り入れると、より学習の効果が高まると思います。
このような流れで、高い土地・低い土地の学習を進めてみるのはいかがでしょうか。
ご参考になれば幸いです。