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<my story>今の価値観だけにとらわれず、大切なことを次に繋いでいく②(30代~これから)

自分がよいと思った道を無理なく当たり前に進んできました。何事も自分で決めて生きていく強さを母から私、私から子へつなげてきた私のライフストーリー。

繊維総合卸および法衣縫製業 組織支援室 室長 50代

【30歳~】「このことは私に聞けばわかる」をつくる

30歳、夫が実家の会社を継ぐために、縁もゆかりもない京都に来ました。

社員として転職してきたこととして、営業事務的なところからスタートしました。

でも周りからすると後継者の奥さん。戸惑うことはありました。気を遣うし、遣われるし、仕事の面でそんなに期待されていなかったようにも感じるし。

今ではそれこそ発言して行動することが是とするカルチャーですが、当時は女性はそんなに表に出るものではない、男の人を立てなきゃという雰囲気に抵抗があり、「仕事をするのに男も女も関係ない」と考えていた私には、その当時の空気感は受け入れがたいものがありました。

私を認めて欲しいと思っていましたが、普通にやっていてもダメ。
強みを自分で作らなきゃなと思い至り、「このことに関しては私に聞けばわかる」というのを作ることにしました。

じゃあ何をするか、今までにある仕事じゃないことを掘り起こしていく必要があるなと考えたときに、採用や教育など、前職で直前に担っていた仕事を自分の中から発信していくことにしました。

そうすると、自分の中の心持ちが変わりました。正直しんどかったですよ。でもこれをやるんだって決めて、試行錯誤しながら、この方がいいんじゃないかとやりながら形づくっていきました。

子供が生まれてからは「子供がいるからできない。」は言いたくないと思いました。子供にかこつけて自分のやりたいことを辞めるのはやめよう。やりたいのか、やりたくないのかを自分できちんと決めよう。

例えば学校で学びたいなと思ったときに、まず「行きたい」と決めて、となったら、どうやってと方法論を考える。そんな風に進んでいました。社会保険労務士の資格の勉強をしたときも、中小企業診断士の勉強をしたときも。スクールに通った方が最短で学べると思ったので、まだ子供が小さいときに日曜日に夫に子供を見てもらって通いました。

今自分にどのようなことが必要か客観視して習得してきたそう。

でもこのやり方を他の人に押し付けることはしません。基本的にやりたければやれば?みんながみんな私のやり方に当てはまるわけではないので、自分がやりたいと思ったらやればいいじゃん?そんな風に思います。

目の前のやりたいこと、やるべきだと思うことを気負わずに行動してきました。

こうすべきとういことがあまりないので、自分のスタンスがあって、こうしたいという事は、社内でもどんどんやっていけばいいと思います。社長もオープンな人なので、あなたはどう考える?どうやってやる?という事を聞いてきたりして。社長と若手がディスカッションややり取りをしているところを見ると嬉しいですね。

この文化にいいなと思う人が来てくれたら面白いって思うんですよね。一昔前の考え方だったら、男性が長時間働いて成果を上げるというのがデフォルトだったけれど、どんどん変わっていって一属性に頼れないようになってきていて。色々な属性の人たちが集まらないと成長できないと考えたときに、じゃあ色々な人がいて、力を発揮できるような組織にするのはどうすればいいのかなと考えます。

外資はシビアで、採算取れない場合はすぐに切り替わっていく。部署、組織なんてものは必ず守らなければならないものではない。そういうシビアなことも早い段階で知ることができたので「物事は変化する」というのが根底にあります。創業者からの「仕入先こそ大切にしなさい。」そういう当たり前のことをしっかりと守りながら、変えていけることはどんどん変えていこうという思いがあります。

振り返ると大学生の時、就活時に言っていたことが叶っているなぁと思います。

【原点】ロールモデルは母

目の前のことに対して、足りてないことは何かなと常に考える。それをどうやって補おうか、それだけでこれまでやってきました。

原点は母の生き方かなと思います。母は高校卒業してから働いている人で、公務員として働いて、定年手前で辞めて大学に行きました。

周りからは成績も良いし、大学に行けと言われていたそうです。経済的なこともあり、断念していたので大学で勉強したい。私が大学に行って卒業したら、絶対大学に行く。そうして叶えました。その姿を見ているので年齢を理由にできないですよ。(笑)

働きながらの子育て。母の時代ってそんなに今みたいに手厚い何かってなかったと思うんですよね。そんな母の影響はすごく大きいですよね。父も時代にしてはニュートラルだったので、「女の子だから」とあまり言われなくて、割といい意味での放任、任せてもらえていたのは大きいなと思いますね。

それは私の子供にも。自分のことは自分で決めなさいと伝えて、実際学業でも、就活でも仕事でも、そのように成長していると思います。

【これから】関わる人双方にいい形に

コンプレックスの塊なので、これで満足したということがなくて、常になんかもっとできるんじゃないかという不安を抱えているんですよね。
だから目の前にあるものを一つ一つやっていくんでしょうね。

ありがたいことに、今のポジションになったら自分から行けることが多くて、そこでお話しすると「こういう事やりたいですよね。じゃあやりましょやりましょ!」ということを気軽にやってみるというスタンスは大事にしたいなと思います。

それぞれの立場でお互いにいい形になればいいなということを考えたりしていますね。

それがこれからやってみたいことかなと思います。

Q:あなたにとって働くとは?

この質問はすごく難しいなと思うのですけれど、呼吸するのと同じだなと。

学生の頃も考えたこともありませんでした。だって当たり前なんです。
息をするのに理由はないように。私にとって働かない選択肢はない。

一人っ子で小さなころから「お父さんとお母さんはあなたより早く死ぬから、一人で生きていけるようにしなさい。」と言われていたこともあるかもしれません。

生活できるすべ、生きていけるすべはあった方がいいと思うから。

Q:あなたにとって京都とは

こういう仕事をしているからですけど、日本の伝統文化を守っていかないといけない場所だと思います。
日本の伝統や文化というのは意志を持って繋いでいかないと壊れてしまう。
京都に住んでいる人間としてはしっかりと自覚して次に繋げるようにしていかないといけないなと思います。

グローバル化が進むからこそ、現在の価値観だけで物事を論じるのではなく、日本という国の長い歴史を踏まえて考えなければなぁ、と思います。

ちょっとだけでもね、その中の一人でありたいなと思います。

株式会社 安本武司商店
繊維総合卸および法衣縫製 業
和装婚礼衣装、法衣生地および製品、ペット衣装 ポわん
~繊維を通じて人々の幸せを願い、伝統文化の継承に貢献する~
和装という文化をただ守るだけではなく、時代に合わせて変化を取り入れながら次代につなげていきます。
ホームページ https://www.yasumoto.jp/

安本純子さんのnote▶
~試行錯誤しながらやってきた仕事・子育て・その他もろもろキャリアの話~ 

編集後記

安本さんのお話を聞いていると「芯で燃えている」という印象を受けます。
「淡々と」という中で、目の前のことを一つ一つ意思を持って決断をして、行動にされてきてる。それを苦労はないんです、普通なんですと本当に自然におっしゃられている。安本さんの強みであり、大きな魅力だと感じました。


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