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感染症対策のためには経済対策も不可欠

昨日、たまたまホリエモンのYoutubeを観ました。堀江さんってちょっと怖いし、なんかだ癖があるから、あまり発言を見聞きしたことがなかったのですが。

見てて、なんだか悲しくなるとともに、改めて感染症対策と共に、経済対策も考えていく必要があると思いました。今までアート界を中心に書いてきましたが、アート界も含めた、影響のある人々のために、対策が必要です。

ちなみに、堀江さん自身もしっかり感染対策をしてイベントを実施しようとしたけれど、脅迫されたり、もう疲れたから、金輪際、コロナの件が仮に収まってもやりません、という発言。相当疲れ切っている印象を受けました。

動画では特に飲食店の経営を心配していて、ディナータイムで売り上げを立てていた飲食店が、ランチに切り替えたり、宅配に切り替えたりすることで何とかなるだろうという意見もあるけれど、そんなわけねーだろ、という。中小企業や個人事業主向けの政府からの融資の支援もあるけれど、1か月で状況が改善するわけではない中で、ただ単に借金してつぶれるだろう、という。他にも政治に声を届けるためにはどうすべきかなど率直に話していました。ぜひ(私のように)食わず嫌いせずに、みなさんも見ていただければなと思います。(一部キャバクラとか風俗の話をバッサリ切るのはどうかなとも思いますが)

それから、こちらの記事ではフローレンスの駒崎さんが、現に倒産する事業者が出てきているのだから、東京都が現在積み立てている基金をぜひ使って補償にあてましょう、ということを述べています。

感染症対策だけに目が向くと、飲食店は封鎖したほうが良い、営業自粛、外出自粛といった議論に焦点が当たります。しかしそれでは経済的に影響を受ける人々がいるため、そういった人々にとっては、なかなか難しい。ジレンマがあるのです。だから、海外のように金銭的補償とセットで営業停止を求める必要があるという話が出てきます。

どういう活動があるとどういう変化が起きるのかを、論理的に示そうとするモデル(ロジックモデルと呼ばれます)を使って整理してみたいと思います。

私が役員を務める会社、ケイスリーのメンバーが感染症予防の「ロジックモデル」を書いてくれています。

この整理は特に新型コロナウィルスの対策ということでは、とても重要です。

ここに加えるならば、「活動自粛(あるいは規制)」をすることで、経済的貧困・倒産ということになり、生活ができなくなる、あるいは生活苦による自殺にまでつながる、ということが起きる可能性が多分にあるということ。下記、追記してみました。

20200401_ロジックモデル5

昨日のnote『哲学から、考える評価。』でも、関係者の互いの利害は一致しないこともある、むしろその利害を調整することが政治の役目でもある、ということを述べましたが、まさに今、新型コロナウィルスの対策において、感染拡大を抑えたい人々・組織と、そうはいっても自分たちの生活がかかっている人々・組織との、各人の利害が衝突しているのだと言えます。

当たり前ですが、飲食店やアート業界は、本当は活動・営業自粛したくない。売り上げが止まって、生活苦・倒産、というのが見えているから。でも、例えばアーティストが活動を大々的にすれば批判されるリスクもある。飲食店は、営業を自粛しなくても人々の外出自粛により、来客が減少してしまいます。飲食店のバイトだけで生きている人は、かなり厳しい状況になる可能性がある。ナイトクラブやキャバクラなどの自粛という話も出ましたが、中にはシングルマザーの人が、そういったところで生活費を稼いでいるという現実もあります。

なので、【働きたい(働かざるを得ない)→お店が開く・イベント開催→(一部かもしれませんが)人が行く→クラスター化→感染】ということも起きかねません。感染症対策としてもよくないのです。(適切な感染症対策がされていればリスクは下がりますが。)

だから、政府や地方自治体による経済対策が必要なのです。(図の青線のところ)

しかしまだ、経済対策についてはいまだ具体的な策が出ないため、民間でも何かする必要がある。もはや、状況を鑑みて短期的な補償だけではなく、長期的な策も考える必要があります。

一部短期的な策については、特にアート界への支援ということでnoteを前(『新型コロナウィルス関連でのアーティスト支援を支援したい』、『アート界への金銭的支援、日本もちゃんとやるべき(続編)』)に書いたのですが、飲食店等他の業界でも使えることはあると思います。

例えばわかりやすいのは新たな資金をクラウドファンディング等で募る、というところ。ただどこもみんな苦しい中でなので、これも本当に、難しいかもしれないのですが。実際に、Campfireさんなどで、飲食店等がコロナ対策のクラウドファンディングを成功させている事例もあります。(以下は成功させた、群馬のお寿司屋さん)

官民問わず、みんなが一丸となって経済対策、もっと言えば、感染拡大防止のために”割を食う”形になっている人々への働きかけをしなければ、新型コロナウィルスの脅威だけでない脅威に直面する人々が増えていきます。一部の人だけの問題ではありません。自分たちが将来おいしいご飯を食べられなくなるかもしれない、素敵な音楽に触れることができなくなるかもしれない。そもそも(無理に営業を行うなど)正しい予防への行動につながらない可能性もあります。営業・活動が立ち行かなくなり、路頭に迷う人が増えれば、社会全体も変わります。

一人一人が考えて、できることを少しでも。短期的にだけではなく、長期的にもどう変わっていけるのか、少しでも前向きに考え、行動できればと思います。



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