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叔母L子の話 コロナ禍での看取り

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叔母が亡くなりました。
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惜しまれる差

惜しまれる差

叔母の三回忌に参加してきました。

特にお坊さんを呼んだりはせず、叔母宅(叔母の娘さん夫婦の家)に集まって、お墓に行って、会食してと。よそよりはとてもシンプルな集まりです。

叔母は、戸籍上私の夫の母の妹ですが、養子なので、夫と血縁はありません。
それでも、叔母の娘さんと夫(とその兄)は兄妹のように育ってきて、義両親も叔母には大変お世話になっています。

あつまったのは、特に近しい20人弱でしたが

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一年経ったわけで

一年経ったわけで

叔母の一周忌です。

お坊さんも呼ばず、みんなで集まってお墓参りする、シンプルな会です。
私と夫と、T某とで参加してきました。

叔母は二人の娘さんがいて、そのご家族の娘さん息子さん更にはその配偶者、三人の元夫つながりの元姪やら、とても付き合いの幅が広く、賑やかです。
その中、叔母にとっては養父母の兄妹関係者は、うちの三人と、たまたま近県に住んでいる叔母の義兄の息子。とてもアウェイ。
私なんか晩年

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梅雨が明けて

梅雨が明けて

 叔母の納骨に立ち会ってきました。

 まるでこのために梅雨明けさせたようなタイミングで、雲が多めでも空は青く陽射しは強く。

 納骨は午後からの予定で、夫は朝一で歯医者だし、T某は用事があって納骨は不参加。天気もいいし、今日は時間まで洗濯に布団干しでもしてようと思ったら、

「歯医者終わったら九十九里まで行こう」とか言い出し始める夫。

 お気に入りのお菓子の直売所があって、私が休みの時しか行け

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叔母L子のケース5 コロナ禍での看取り<終>

叔母L子のケース5 コロナ禍での看取り<終>

 翌日。

 告別式はお昼からでした。

 夫は仕事で、今日はT某とふたりで参加。T某は斎場に車を置いて徒歩で帰ってきていたので(飲んでたし)、行きは徒歩です。

 告別式のあとは火葬の予定。

 参加者が少なければ同行しようかと思っていましたが、昨日は来ていなかったFさんのお孫さん達(つまり叔母のひ孫)も来ていて、会場の人数は昨日と変わらないくらいです。

 叔母は三度結婚し三度離婚したけれど、

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叔母L子のケース4 コロナ禍での看取り

叔母L子のケース4 コロナ禍での看取り

 そういえば、叔母が亡くなった時、一応義父にも夫から連絡したのですが、すぐに折り返しかかってきて、

「(叔母の生家)にも知らせた方がいいのか」

 なんで赤の他人のお前が出しゃばってくる。必要な連絡はEさんが全部手配するし、なんなら(看取るために)親しい親戚は全員声をかけられてるはずだ、と私が言うまでもなく、

「なんでだよ、Eが連絡するだろ、余計なことするなよ」

 珍しく夫が即答で牽制した。

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叔母L子のケース3 コロナ禍での看取り

叔母L子のケース3 コロナ禍での看取り

 時は少し戻り。

 五月二十九日に「呼吸困難」となり緊急入院した叔母。

 他県に住む長女のFさんも駆けつけたそうですが、最初の数日は同居の家族以外は会わせてもらえなかったそうです。

 それが、六月二日には、Fさんや甥っ子さんも会えたとのことで。

 このときには「みんなで看取るため」の退院の調整が始まっていたのだと思います。

 四日に介護タクシーで退院したときも、朦朧としている叔母が眠り込

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叔母L子のケース2 コロナ禍での看取り

叔母L子のケース2 コロナ禍での看取り

 ひとつ前の記事を読み直して、

 昨日? 昨日なんだっけ? 昨日なんだよな? って。

 なんだかわからなくなっている。

春分の日に
 それは二月三日。

 前の日の夜に夜行バスで発った私は、早朝に千葉に戻ってきました。

 人影まばらな駅のホームをたどりながら、とりあえず、帰ったら叔母に会いに行こうと。

 母を看取ってきたことを話そうと。

 家に帰って、ラインで連絡して、そのまま会いに行

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叔母L子のケース1 コロナ禍での看取り

叔母L子のケース1 コロナ禍での看取り

 なんといいますか。

「義母のケース」で度々出てきた、叔母L子が、昨日他界しました。

 私は、厳密な親族ではないので、出しゃばったことは出来ないのですが。

 言ってしまえば、近年、身近で一番親しくつきあった新しい友人のような存在でしたので、ここに流れを記録したいと思います。

基本の設定として
 叔母L子は、東北のとある農村に生まれました。

 生家の情報は、断片的です。

 何人が実の兄弟

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