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異常に食べたいのは愛されたいから*過食症状から抜け出すために、心の傷と向き合う。

 私は25歳~26歳のときの過激な食事制限から、過食(非嘔吐)を発症してしまいました。それは30歳になった今でも続いています。頭の中はいつも食べ物のことを考えて、過食していない間は、また次発作が出たらどうしよう・・・とずっと不安で、常に食べることへの罪悪感にさいなまれて本当に苦しかったです。当然体重も増えて、こんな太った姿で人に会いたくない、私はなんて醜い人間なんだと、鏡を見るたび自分への嫌悪が止められませんでした。自分に対して、毎日毎秒どんなひどい罵声を浴びせていたか、振り返っても自分が本当にかわいそうです。まだまだ現在進行形で浴びせているので、今もかわいそうです。

 栄養素を考えて1日3食お米をしっかり食べ始めても、ある日突然スイッチが入って、菓子パンや甘いもの、スナック菓子をお腹いっぱいで苦しくても詰め込まずにはいられない。「食べちゃだめ」と言う自分と「もうどうなってもいいから食べたいの!食べてやる!!」と言う相反する感情が同時に押し寄せ、結果、食べ続ける。気持ち悪くなるまで食べて、最後は必ず後悔して、自分を責める・・・そんな毎日を繰り返し、自分はいったい何をしているんだろう?もう生きているのが苦しい。もう一生抜け出せないの?消えたい、死んでしまいたいとも思っていました。(本心では、めちゃくちゃ生きていたい)

 何で普通に健康的な食事をしているのに、過食症状が治まらないの?私の身体はどうなってしまったの?このままじゃだめだってわかってるのに・・・どうしたら治るんだろう。

 何か、何か私を救ってくれるものはないか、いろいろネットや書籍で調べ続けました。そしてたどり着いたのが、摂食障害=親との関係でできた心の傷が原因かも、という理論です。育つ過程において両親から自分が望む愛を受けられなかった、という心因性トラウマです。
 たとえば、無条件の愛ではなく、”良い子でないと愛されない、役に立たないと生きていてはいけない”というような条件付きの愛しか得られなかった(と自分が”感じた”)場合には、自己肯定感が養われず、自己愛が欠如したまま大人になってしまいます。=アダルトチルドレン。摂食障害になる方は、0か100かの完璧主義である方が多いです。私はそうでした。
 注意してほしいのが、実際に親からどんなふうに愛されていたかという”事実”は一切関係ありません。あくまで自分自身が”どう感じたか”という点が重要です。自分にとっての唯一無二の”真実”を何よりも優先しましょう。

 根本的に自分を愛すことができない(分からない)ので、常に愛が枯渇しています。いつもいつも愛を求めています。自分の心の内側に愛がないので、外に求めます。でも、外(他者)からどれだけ愛情をもらっても、自分の内側にある無限の愛の源の存在に気づかなければ、いつまでたっても満たされることはありません。愛への欲望は際限がありません。
 こういう状態の心を満たすために手っ取り早い方法が、食べ物を摂取することです。愛の代わりに、甘いものを取り入れるのです。食べたいのではなく、本当は愛されたいのです。愛されたくてたまらなくて、疑似行為として食べるのです。あなたが本当に欲しいのは、食べ物ではなく愛なのです。

 症状が現れるのは、「もっと愛して」と願う心の中にいる傷ついた自分からの痛烈な叫びです。あなたに気づいてほしいから、あなたが向き合わざるをえないような苦しい状況(過食)を引き起こして、その傷ついた心を癒したいのです。
 異常な食欲やよくないと思いながら食べずにはいられないとき、心でなにが起きているかがよくわかる本を紹介します。

 「からだに聞いて食べなさい」:なぜ食べ過ぎてしまうのか、心の動きが分かりやすく言語化されています。リズブルボーは他に有名な著作に「五つの傷」シリーズがあります。私の人生を変えた一冊でもありますので、それもまた別で紹介する予定です。

アダルトチルドレン・毒親に関する書籍

 「アダルトチルドレンと共依存」:具体的な概要を把握するための書籍として、まず最初に目を通すと全体が把握できます。

 「子どもを生きればおとなになれる」:私はこの本で、まず第一段階自分の生きづらさ、育んでしまった傷について、言語化により向き合うことができました。読んでみて自分に合うようなら、クラウディア・ブラックのほかの著作もおすすめです。

 「毒になる親」:これが本番です。”毒親”という強い言葉”が使われる起源になった本のようです。自分の親は普通だ、と思っている方こそ読んでほしいです。毒親とは、虐待やアルコール依存症やネグレクトなど、世間で言われているような分かりやすい例だけではありません。自分にとってどうだったかが重要です。丁寧に丁寧に自分と照らし合わせて読み進めることをお勧めします。

 「赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア」:こちらは前述のものより比較的易しく読める本かと思います。”トラウマ=冷凍保存である”という表現が分かりやすくとても腑に落ちましたので紹介します。どんなに時間が経っていてもフラッシュバックが起きると、本人にとっては今まさに対峙しているかのような恐怖に襲われます。トラウマケアとは、過去に冷凍保存した自分の傷と向き合い、時間をかけてゆっくりと溶かしていくようなイメージです。

摂食障害の治し方、毒親に関するYoutube動画

 本を読むのが苦手な方や、毒親についてまずは概要を軽く知りたい方におススメなのが高橋先生の動画です。気になるサムネのものから、是非視聴してみてください。

 摂食障害克服に関する専門チャンネルです。克服するためには心の傷を癒すことが必要不可欠ですが、そのメンタル面への様々な心理療法やアプローチ方法が紹介されていて、こちらのチャンネルで知った心理療法が数多くあります。人それぞれ合うもの合わないものがあるので、色々な角度からの情報に触れることは、人生を変える転機になりえます。

 アダルトチルドレンに関する動画がたくさん上がっていて、丁寧に説明されています。何かヒントを得られるかと思います。

最後に

 摂食障害という病気は、親(特に母親と娘)との関係が原因となっていることが本当に多いです。ほぼ、そうではないかと思います。私は虐待をされたわけでも、アルコール依存症の家族がいたわけでもない、ごくごく普通の家庭で、両親の愛情をたっぷり受けて育てられたと思っていました。でも、そんな人こそ、要注意なんです。
 あなたが親から愛されていたのは、自分にとって無条件だったと言い切れますか?何もできない自分を、ありのまま受け入れてくれるという自信がありますか?本当に何もできなくてもどんなにひどく怠惰な自分でも、そんな自分を赦して、ありのままの自分を愛している状態が、(あえてこういう言い方をしますが)”普通”なのですよ。条件付きの愛は、絶対に普通じゃありません。理想の自分以外を消さないでください。無視しないでください。どんなに奥底にしまい込んでも、消えることはありません。ちゃんと見てあげてください。

 頑張らなくてもいいんです。言葉通り、生きているだけで価値があるんです。あなたは、在るだけでいいんです。信じられなくても何度も何度も自分に言ってあげてください。今までずっとひどい仕打ちをしてきたのですから、時間がかかって当然です。どんなに過食を繰り返したとしても、その都度、何度も何度でもそんな自分を赦してあげてください。根気強くひたすらに赦して受け入れて愛してあげてください。この世界に生きるものは、例外なく愛の存在であることを忘れずに。今、生きているということは、それを赦されているからです。

 と、自分に言い聞かせて終わりにします。

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