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世界の小道から ①

コロナの影響で海外旅行に行けない今、ガイド本を読むことにはまっている。
人気の観光地などの紹介ではなく、地元民しか知らないようなディープな場所を写真とたくさんの文字で紹介しているような本が特に好きだ。

そして気づいたことがある。
それは、私は観光地、ではなくその少し入ったところにある裏道や小道、観光地から離れた場所になる風景に特に心が躍るのだと。

そんな私がときめいた道やあまり知られていない街を少し紹介したいと思う。

ベルギー


ベルギーはブリュッセルとアントワープ、ブルージュというイメージが強いであろう。しかし、他にもときめく都市が多いのだ。
私は偶然にも親友がベルギーのリエージュの近くにあるとても小さな街の出身のため、様々なベルギーの街に訪れる機会がある。
その街はどこも街中に絵が溢れていたり、坂と暮らす生活だったり、魅力に溢れている。ぜひ日帰りで他の街にも立ち寄ってみて欲しい。


・リエージュ

リエージュはベルギー第5の都市として知られている。サッカーの川島がいたサッカークラブがあり、また日本人が想像するベルギーワッフルはリエージュワッフルのことである(リエージュワッフルはマネケンのように持ち運びがしやすく、トッピングをせずにそのまま食べるサクサクしたタイプである。ふわふわのワッフルに生クリームなどを乗せて食べるのはブリュッセルワッフル)。

リエージュは坂の街としても有名だ。1番の観光名所は長い階段だが、その階段沿いにももちろん家があり、普通に人が生活している。この街の小道を歩くと、坂を大切にする人々の生活が垣間見えて面白い。

また、リエージュと近郊の市民がベルギーで1番美味しいチョコレートと絶賛するGallerの本店及びアウトレットがリエージュの郊外にある。とても破格の値段で大量のチョコレートを買うことができるため、リエージュに行った際にはぜひ行ってほしい。
ちなみにブリュッセルにはゴディバと、郊外にノイハウスのアウトレットもあるので合わせてチョコレート爆買い祭りを開催するのも楽しい。

・Louvain la Neuve

ルヴァン・ラ・ヌーヴというこの都市はあまり知られていない学園都市である。この名前はこの街にLouvainカトリック大学がある事に由来する。近くに同じ名前のLeuvenという都市がある。Leuvenはオランダ語地域だが、この街はフランス語地域に属すため、オランダ語を使う事を拒み、New Leuvenという意味のフランス語でLouvain la Neuveという名前にした(ベルギー友談)という面白い経緯の都市だ。

この街は大学と大学寮でほぼ成り立っている為、とてもこじんまりしていて散策にはぴったりである。ここの美術の学生が書いたらしい(同じくベルギー友談)絵が町中至る所に書かれている。
この街の注意点といえば物価が恐ろしいほど高い事とトイレがない事だろう。トイレに入りたくて借りたQuickでペラッペラのハンバーガーが2€した時は目を疑った。

マンガのタンタンが好きな人は作者のHergéの美術館もあるため、日帰り旅行としておすすめしたい。

・ブリュッセル

ブリュッセルはベルギーの首都であり、グランパレスや小便小僧など観光名所もたくさんある。しかし、ブリュッセルの見所の1つは街の至る所に描かれた絵であると断言できる。
ブリュッセルの観光案内所では街中の絵を巡るマップも販売されているくらいだ。その数はなんと50以上。タンタンを書いたHergéの絵や、他にも様々な絵があるが、1番驚いたのが、グランパレスの真裏のエリア、5分もかからない場所にあるLGBTの大きな壁画である。

その辺り一帯はバーやレストランなどにもレインボーの国旗がたくさん掲げられているエリアだ。

移民も多いブリュッセルの中心部にあるこのエリアとたくさんのLGBTの絵には、市民のみんな平等に生きていきたい、行くべきだという考えが見えるような気がする。考えさせられる絵である。

トルコ イスタンブール

スターアライランスのマイルを貯めている身としてはユーロ方面に深夜便のあるターキッシュエアラインはとても使い勝手が良い。そして金銭的にも安いにも関わらず、食事が美味しく、映画なども充実していて、エコノミーでもスリッパ、歯ブラシ、リップクリーム、アイマスクなどのポーチ入りアメニティがもらえるなど至れり尽くせりなのもあり、毎回ターキッシュを使ってしまう。その為、イスタンブールに立ち寄る機会がものすごい多い。毎回新鮮な驚きをくれるイスタンブールは大好きな場所の1つである為、乗り継ぎの時間もいつもわくわくするのだ。

イスタンブールは少し入ると沢山の小道があり、色合いが可愛い道や、突き当たりに海が見える道など散策するたびに新しい色鮮やかな風景に出会える。
特にアジアサイドは港に降り立った瞬間から日常生活を感じることができる。行き交う人々や商売など、観光客を意識した部分が全くない。そんな場所を見ていると、イスタンブールの街がもっと生き生きとして見えてくる。

ふとした場所に国旗があったり、焼き栗売りのおじさんが歩いていたり、普段の生活そのものが活気に満ちていて、生命力に溢れている。その生活を見ているのが楽しく、胸が躍るのだ。

坂の多いイスタンブールは、階段もおしゃれに彩られている。この階段から見える景色もまた風情があり、登ってきた道をそのまま降りたくなる気分にさせられる。

海を照らす太陽や夕日、雨の日、曇りの日もまた違う表情をする。地下鉄を使うのもいいが、アジアサイドまでの往復のフェリーでのんびりするのもイスタンブールの醍醐味だ。晴れた日は海沿いを歩きながらブルーハーツを熱唱するのもいいだろう。
本当なら数日あるといいのだが、時間がない時はぜひトランジットで立ち寄ってほしい。ターキッシュエアラインを利用する際はトランジットが6時間以上の場合は無料ツアーがつくので、それを利用すると主要な観光名所は周ることができる。

エストニア タリン

私が1番心落ち着く場所である。ここでは時間がゆっくりに感じられ、何もかもが穏やかに感じられるのだ。おそらくその理由の1つに全てをオンラインで完結できたり、ITが進んでいる為、スマートに生活できるという事も関係しているであろう。しかし、普段生活をしているとそんなことは忘れてしまうくらいのんびりしている。

タリンといえば旧市街である。世界遺産にも登録されている旧市街は、スウェーデンやデンマーク統治時代の北欧の良さとドイツ統治時代の雰囲気が感じられる面白い場所だ。その中でソ連時代に作られた建物が異彩を放っているのもまた面白い。
新市街ではたくさんのショッピングセンターが立ち並び、買い物には一切困ることがない。少し出れば市場があり、新鮮な野菜や果物を買うことができる。スーパーもどこにでもある。
そんな日常生活と世界遺産が共存している街がタリンなのだ。
エストニアの知り合い曰く、旧市街はあまり行かないし、行く機会もほとんどない。とのことだったが、やっぱり魅力的だし、毎日でも行きたいと思わせてくれる場所だ。丁寧に飾られたドアや壁の装飾、風見鶏ならぬ風見おじさんなど細かいところが色々と可愛い。

少しタリンから離れてロッカ・アルマーレの野外博物館の方に行くとStroomi Randというビーチに辿り着く。ここで見る夕日が1番綺麗だ。というのはさておき、タリンからStroomi Randまでの一角、特にRistikuの道沿いはソ連式の集合住宅、もしくは日本のマンションのような住宅が割と多いタリンにおいては珍しく、木造一軒家が数多く立ち並ぶエリアになる。

この木造一軒家がカラフルでとてもわくわくする。これは漁師の人が住む家で伝統的なお家なのだそうだ。

Ristikuの道のちょうど中間地点辺りにRistikheina Kohvikというカフェがある。

カフェという見た目ではなく、昔漁師のトップが住んでたんだろうな、というような見た目で周りに溶け込みすぎて気付かないくらいのカフェだ。しかし中に入ると色とりどりな壁紙と可愛い装飾、そして名言が飾られてあり、日本にあっても流行りそうな見た目になっている。

そしてなんといってもここはスイーツがとても美味しい。何を食べても甘すぎず、程よい甘さと果物の酸味が感じられ、いくらでも食べることができてしまう。

もし2月にタリンに行くことがあれば、このカフェのセムラを食べてほしい。セムラとは、カルダモンの効いたふわふわのパンに生クリームと、通常は甘いアーモンドペースト(マジパン)もしくはジャムを挟んだスイーツのことである。だが、ここのセムラは少し違うのだ。少しレモンの香りがする生クリームと、たくさんのレッドベリーが入っているため、甘すぎず、適度に酸味の効いた最高に美味しいスイーツになっている。他のあらゆるお店のセムラを食べてまわったが、Ristikheinaのセムラが群を抜いて美味しい。できれば本店に行ってほしいが、旧市街とその近辺しか周ることができないのであれば、Balti Jaama Turgの中にも支店があるので、そこで食べたりテイクアウトをすることができる。



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