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誰かに食べてもらう


誰かに食べてもらう
という事、これってすごく大事なんですよね。

私、1人行動が大好きなんですよ。
1人で映画も見るし、1人で呑みに行ったりもできるし、1人でご飯作ってそれを1人で食べるのも、1人で1日中家にいるのも。
1人行動マニアみたいなものだったんです。
誰にも気を遣わないし、1人で好きなだけ食べたり呑んだり、映画を見てワンワン声を出しながら泣けたりもする。
いや、最高なんです。本当に最高なんですよ。
だから、1人でこの先全然いいや、なんて事も考えたりしてました。
でも違ったんです。

お料理作るのが、私元々好きで、よく作っては誰かに食べさせて、感想をつまみにお酒を呑むなんて事をしてたんですが。
ある時、ちょっと疲れてしまって、騒がしい東京から、地元から、離れて静かに暮らしていこうと決めて、鎌倉付近の海から10分くらいの静かな所で1人暮らしを始めたんです。
最初は、最高でした。
無駄にお洒落なお料理を作って、お腹がはち切れるまで1人でそれを平らげて、飽きるまで本を読み散らかしたり、映画を見漁ったり、お酒を呑んで20時には寝たりしてました。笑

でも、段々寂しくも惨めにもなってきて、大好きだったお料理も、見栄えなんて気にしないズボラ飯だけを食べて、お料理というお料理なんてしなくなってしまったし、映画や本にも飽きてしまったし、お酒も、寂しさを埋める為に飲むものの余計寂しくなってしまったり。

向こうの暮らしは好きでした。
でも、やっぱり、みんなといる時のワイワイしてガヤガヤして、馬鹿みたいに騒いだり、っていう日があるからこそ、1人の時間の穏やかさが映えてくるんだな。と、思いました。

お料理も、1人で、どんなにおいしくて綺麗なお料理を作っても、忘れちゃうんですよね。
これってこの焼き加減で良かったのかな、これってこんな味だったけ。塩加減これで大丈夫なのかな。って。
そうなってくると作る意味も成してこない。まるで勿体無い。

今、地元に帰ってきて、お料理をすると美味しいって、食べてくれる人がいたり、東京の友達とお家パーティする時なんかも、みんな楽しそうに、嬉しそうに、食べるんですよ。
あ、コレだ。と思わされました。
“1人”は好きだけど”独り”は好きじゃないんです。人間、みんな。
もちろん、今でも1人行動は好きです。
でも、なんだか、前よりも1人行動は好きじゃないのかもしれません。
今、東京方面に戻ってきてまだ1ヶ月弱だというのに、こんなにも毎日が幸せに満ちていて、慌ただしくて、楽しいのは、他でもない、ご飯を一緒に食べてくれて、しかも美味しいねと楽しそうにしてくれる人達がいるからなんです。

人は無意識のうちに、相手を満たしてるんです。
何をしてあげるでも、される訳でもなく、
そういう何気ない会話を出来る事自体が、自分にとって、みんなにとって替えがきかない幸福なんです。
だから、生きてるだけで偉い。っていうのは
こういう事も言ってるんだと思います。

何もしなくていい。
ただ一緒に、美味しいご飯を食べましょう。

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