みどりの通勤電車 #ポケットエッセイ vol.11
「選択と集中」のもと先細っていくレールをギューギュー詰めで走らされる。
レールからこぼれ落ちるのが不安だから忖度しながらダッシュする。
でもね、聖徳太子に聞いてごらん。
仏様は慈しみの雨を平等に降らせ、草木はそれぞれの成長の仕方で個性を開花させるんだって。
やらされ感の強い受験競争。
決して溶けることのない凍てついた就職氷河期。
心臓マヒしたリーマンショック。
障害を抱えることになった統合失調症。
東日本大震災の火事場泥棒。
家族を切り裂いた事業の失敗。
息が詰まりそうなコロナ。
多くのわだかまりをかかえるが、
仏様の涙と大きなわだかまりで深まったみどりの潤いは自然エネルギーのように優しくなった。
満員電車の窓から生活に溶け込んだ草木に自然と目がいく。
まだまだ伸びしろはいっぱい広がっている。
通勤電車の愛しさと尊さにありがとう。
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