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英国放浪記#1「放浪の始まり」

「ついに出発。短期間なのになんだか涙が出てくるほど寂しい。」

出発前日〜感情についての気付き〜

出発の前の日、やっぱりやめとけばよかった、なんで一人で冬のロンドンに行くことを選んでしまったのか…。もっと暖かそうなところにしたらよかったな。という、これからのイギリス放浪をすでに後悔するような後ろ向きな気持ちでした。

旅に出る前の日ってワクワクするはずなのに、なんでこんなに切なくて寂しい気持ちになったのか、今でもよくわかりません。一つ考えられるのは、大切な人たちとしばらく会えないからということです。しかし、私は周りから「感情ある?笑」と言われるくらい感情が薄いタイプです。そんな人が誰かを思って感傷に浸ることなんてないはずです。
なので、慣れた環境を離れることの寂しさや、一人で遠くの地へ行くことへの不安などが涙となって溢れたのだと思います。
泣いているのを見られるのは恥ずかしいので誰もいない部屋に一人でいました。

あ、こういう時の気持ちを誰にも見せず隠しているから、周りから感情薄い奴だと思われているのか、ということに今気付きました。
自分なりにちゃんとした感情があっても、そのまま100%相手に伝えることは難しいようです。
反対に、相手の伝えたいことを完全にそのまま受け取ることも難しいです。ですが、難しいのが人との関わりやコミュニケーションであり、難しいからこそ人との関わりは大事なものだと思うので、頑張っていきたいです。

出発当日〜デミグラスとの戦い〜

暗い気持ちで荷物を抱えて電車に乗り関西国際空港に到着。空港はワクワクする私の好きな場所で、到着すると昨日までの後悔は消えて気持ちは前を向きました。しかし、諸手続きを終えて椅子に座って搭乗を待っていると、一つの不安が頭をよぎりました。

「私、飛行機、苦手だったんや。」
飛行機もそうですが、バスとか車も含めて狭いところで長時間ジッとしているのが苦手なんです。そして、飛行機の機内食の匂い、耐えられません。

離陸してからある程度の時間が経ち、頭も体もぼーっとしている状態のときに、いきなりあの強烈なデミグラスの匂いがやってくる。そして、食欲が掻き立てられるどころか、すべての感覚器官をシャットダウンして無になりたい、という思いでいっぱいの頃、食事が始まる。そしてあちこちからデミグラスの匂いが放たれ、機内はデミグラスの無法地帯となる。武装する物を持たない私は、ただその匂いに攻撃され、口が排出口となって胃から何かが湧き出る。(なんとか逃げ切れることもある。)

今、パソコンの前で思い出すだけでも気分が悪くなりそうです。

たまに(3回に1回くらいの割合で)機内でカップヌードルを食べる超人がいます。お湯をどこかから貰ってきて食べているそうで、遠くの席にいても匂いは勝手にやってきます。デミグラスよりも匂いの濃度は薄めですが、カップヌードルの不意打ちも戦闘対象です。

一度、機内で吐いてから長時間の飛行機はトラウマになっています。閉塞感を軽減するために窓側ではなくて通路側の席を選んだり、拘束の時間をなるべく減らすために直行便よりも乗継便を選んだりして、なんとか大惨事だけは避けようとしていますが、克服はできそうにありません。

幸い今回はなんとか乗り切ることができました。

2月6日11時10分 関西国際空港出発→ヘルシンキで乗り換え→2月6日14時50分 ヒースロー空港到着。

そして、このまま無事に入国できると思いきや、そうではなかったのです。
これについては次に書こうと思います。

デミグラスの蓋を開けて写真を撮ってました。
まだ写真を撮るぐらい余裕があったみたいです。


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