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【連載】RYUKYU SOUL, HUMAN SOUL #4 沖縄への興味④

いかがお過ごしでしょうか。#3では私の沖縄の興味として、沖縄の音楽について書きました。#4ではまた別の視点からの沖縄への興味について書こうと思います。

④米軍基地

私は、米軍基地がいくつか存在する神奈川で育ちました。

軍事のことなんて全く知らない小学生の頃から、県内各所の米軍基地の同年代のアメリカ人の子たちと姉妹のように遊んだりキャンプしたりしてきました。そしてお世話になった英会話の先生たちも米軍基地に住んでいました。

基地の中に広がる異世界空間と楽しい時間も幼いながらに大好きで、アメリカの社会で生きている彼らだからこそ私に見せてくれる世界や教えてくれることがあり、閉鎖的な地元で育った幼い私はそれに救われたし、居場所をもらっていたし、それは日本を客観的に見ることや世界に対して関心を持つことのきっかけにもなりました。彼らは日本の文化や社会にも興味津々でした。

軍人の方と関わることはなかったけど、基地の中とその周辺には自分と同じでさほど変わらない、そして私に新しい世界を見せてくれる人間たちの日常生活が存在することを、当時からよく知っています。

米軍基地に住んでるアメリカ人の友達とのめちゃくちゃ楽しかった思い出。この頃の私は中学生。

でも中学生くらいから沖縄の米軍基地とその周辺の住民の生活を巡る色々な問題、日本の軍事や国際関係について学校で習うようになって、メディアでそれに触れるようにもなって、「国内の米軍基地は無くすべきだ」という意見にも沢山出会いました。その理由にも私は共感出来ました。

けれど幼い頃に抱いた魅力的な印象を米軍基地に対して持ってしまっている私がそれに堂々と共鳴することは、彼らとの価値ある交流やただ親の転勤に着いて来て日本を好きでいる同年代の彼らの生活が無くなってしまうことを考えると、ずっと出来ませんでした。

そしてそんな私は高校生の時に偶然『小さな恋のうた』という映画を見ました。

その映画の中で描かれた沖縄における基地の中と外の若者同士の前向きな関係とそれに反する大人同士の関係、子どもからから大人になる狭間でのそれに対する登場人物たちの葛藤は、神奈川で米軍基地と関わりながら育った私の抱えていたものそのものでとても共感できました。

その映画がきっかけで聴き始めた沖縄出身のロックバンドMONGOL800の曲には彼らが沖縄で生きる中で見てきた米軍基地とその外の住民との様々な関係性を歌った色んな歌詞があって、私はそれにも共感できました。

そういうわけで、米軍基地により身近に関わりながら生きる沖縄の色々な世代の人と実際に話すことで、今まで分からなかった米軍基地問題に対する自分の立場もやっと判断出来るのかもしれないと思いました。

MONGOL800の曲のタイトルにもなっている、Sayonara Doll。
在日米軍とその家族は日本に来て3-4年経つと次の転勤で日本を離れるから、
その時に別れのメッセージを書いて渡すことがある。

『小さな恋のうた』(2019)あらすじ
沖縄の小さな町。日本とアメリカ、フェンスで隔てられた二つの「国」が存在する場所。そこでは、ある高校生バンドが熱い人気を集めていた。自作の歌を歌いこなし、観るものを熱狂させるその実力で、東京のレーベルからスカウトを受け、なんとプロデビューが決まる。しかし、喜びの絶頂で盛り上がる彼らに一台の車が突っ込み、バンドは行く先を見失ってしまう。そこに現れた、一曲のデモテープと、米軍基地に住む一人の少女。それらによって、止まった時計の針は前に進み始める。フェンスの向こう側に友の“想い”を届けるため、彼らは再び楽器を手に取り立ち上がる―。

東映オフィシャルサイトより

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