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【選挙ウォッチャー】 南城市長選2018・分析レポート。

今年最初の選挙ウォッチは、2018年1月21日に投開票が行われた沖縄県南城市長選になりました。2週間後の2月4日には辺野古基地問題に揺れる沖縄県名護市長選が行われますが、「オール沖縄」は勝てるのか。その前哨戦とも言える重要な位置付けの選挙になります。

■ 古謝 景春  62 現 自民・公明・維新推薦
■ 瑞慶覧 長敏 59 新 共産・社民・社大・民進・自由推薦

南城市は「自民党より公明党に投票した人の方が多い」という街です。つまり、この街は「創価学会大国」であると言えるのです。創価学会の人たちは、今でも公明党を「平和を愛する政党」だと思っています。実際の公明党幹部たちは平和よりも利権を愛する人たちと言った方が適切かもしれませんが、信者たちを裏切らないためには表向きだけでも基地の新設には反対しなければなりません。これが独特な宗教観を持つ沖縄の人たちに対立を生む構図になっており、選挙を追うつもりが宗教を追うことになりかねない、摩訶不思議な選挙レポートになってしまったのでした。


■ 選挙前の自民党の情勢分析では僅差だった

今年は2月に名護市長選と読谷村長選、3月に石垣市長選、4月には沖縄市長選、秋には那覇市長選と沖縄県知事選が行われるなど、沖縄は猛烈な選挙ラッシュです。そして、その大事な初陣が今回の南城市長選なのです。沖縄に辺野古基地を建設したい安倍政権としては、その後の選挙に影響を与えないためにも初陣の南城市長選は絶対に負けられない戦いであり、古謝景春さんの陣営は2010年の得票数から察するに「順当」に勝つだろうと予想していました。
ところが、選挙前に自民党が実施した情勢分析で衝撃の結果が出たのです。なんと、自民党が推薦している現職の古謝景春さんとライバル候補の瑞慶覧長敏さんが、1%の差もないほど横一線。さっそく初陣から負ける可能性があり、自民党陣営は真っ青になったのでした。約2500票ほどの差があったはずなのに、なぜ差が縮まってしまったのか。それは古謝景春さんがネトウヨすぎて問題発言を連発していることも理由の一つです。沖縄のような狭いコミュニティーではクチコミで語られるため、このまま古謝景春さんで良いのかと疑問に思う市民がたくさん生まれていることは間違いありません。

沖縄県南城市は、衆院選では「沖縄4区」になるのですが、沖縄4区はオール沖縄の仲里利信さんが自民党の西銘恒三郎さんに敗れています。しかし、南城市の投票結果を見てみると、オール沖縄の仲里利信さんが勝っているのです。
つまり、2010年には自民党・公明党の方が強かったのに、あれから8年が経ち、南城市民の意識はすっかり変わってしまい、オール沖縄の方が強くなってしまったと言えるのです。どうしてこんなことになってしまったのかと言えば、単純に古謝景春さんが市民を敵に回すような政治をしてしまったからだと思います。

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