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サバイブするための社内公募 ~パワハラもリストラも乗り越えて

社内公募、最近増えていますよね。私も社内公募で2回異動したことがあります。でもそれは向上心に満ち溢れたものではなく、「なんとかして異動先を見つけないとヤバい」という差し迫ったものでした。見方を変えれば、ヤバい状況から脱出するときに活用できるのが社内公募です。

パワハラからの脱出

1回目はパワハラ休職→復職後、パワハラ上司からなんとしても逃れるための手段でした。

復職後、パワハラ的言動を慎む努力はしているけれど本質的に何が悪いのかまるで分っておらずNG行動が多い上司に困り果て、人事担当者や産業医にサポートを依頼してものらりくらりとかわされ、法務ホットラインに連絡しても何の手ごたえを得られず。かれこれ半年が経ったところで先輩が「この公募、かやのちゃんにぴったり」とある公募を紹介してくれました。

それは新設ポジションでしたが、私の転職前の経験が生かせそうな内容でした。パワハラうつ復職後半年の社員の身としては甚だ心配でしたが、面接官の役員と面識があったのが幸いしたのか、他にまともな候補者がいなかったのか、無事に採用されました。

1年後にはそのポジションから更に異動があり、私は室長に昇格して部下を持ちました。うつ復職でも昇格できるのは恵まれた話ですが、諸々の心労がたたって再び休職。その後双極性障害と診断されましたが、引き続き室長として仕事をしていました。

リストラ宣告からの社内公募

そんなとき、部門がリストラをすることになり、私はどれだけ業務を外注化し、社員を減らせるかの計算を任されました。「…で、誰が出て行くことになるのかな?」精神疾患のある社員なんて真っ先に候補になりますよね。

案の定、ある日役員に呼ばれて「室長を半分に減らさなきゃいけない。千田さん別の部署に出て行って。異動先は社内公募で見つけて」と言われました。私の直接の上司に聞いたらそんな話は初耳とのこと。本来こういう配慮の無い言い方も、上司に知らせず伝えるプロセスもNGです。担当人事の方に「役員からこんな風に言われたんですけど」と伝えたら「本当!?」と驚かれ、すぐにフォロー面談が設定されました。

こんなことを言われたら怒ったり落胆したりですぐ退職を決意する方もいると思います。ですが持病のある私はあまり環境を変えたくないし、学歴も職歴も華々しくないため、長く働いた社内にいるのが一番市場価値が高く合理的なのです。私は迷わず社内公募の準備を始めました。

まずは、元々社内の友人から「転職するけれどかやのさん後任になってくれない?」と打診されていたポジションに応募。友人も口添えしてくれたのですが、面接官である上司の希望する要件と合致せず面接に通過できませんでした。ここで1カ月程落ち込みましたが、そのままではリストラされてしまうので気を取り直して再度応募先を探すことに。

直属長との関係は良く協力的だったので、2人で会議室にこもって脈のありそうなポジションを片っ端からチェック。国内50くらいのポジションから選んだ3つは部門も業務内容もばらばらでしたが、これまでの経歴と何らかのつながりがありそうでした。

そこでアピール内容を変えた職務経歴書を3枚作ってそれぞれに提出、面接に進んだのは2つでした。いずれも面接官はかつて一緒に仕事をしたことがある人でした。どちらも感触はよかったですが、先に合格した方のポジションに異動することに。

一番の決め手は仕事の責任が軽いこと。それまでより2つ下の一般職グレードでの募集でした。上司や人事からはグレードを下げるなんて勿体無いと怪訝な顔をされましたが、持病のある私は少し楽をしたかったのです。さすがに一般職には落としたくないので人事と交渉して部下なし管理職のグレードに留めました。給与も下がりましたが、その後3年でキャッチアップしたので、過労で再休職するよりは良かったです。

私が異動する頃、3人のベテラン同僚が退職しました。彼らも同時にリストラ勧告をされたようでした。なんとかサバイブできてよかったなと思ってます。

社内公募でだいじなこと

最初にリストラの話を持ち掛けられた時、自分が対象に選ばれた理由は深く聞くまいと決めました。確かめても自尊心が下がるだけで活動になんの足しにもならないからです。

でも、最初の面接で落ちた時、客観的な評価がわからないと対策できないと思い役員に理由を聞きました。「千田さん自身の能力に問題があるわけじゃないけど、この部署の経験が短いから」とりあえず納得しました。

それが真実かどうかはどうでもいいんです。本当はもっと欠点があったかもとか精神疾患があるからだとか気に病んでは前に進めません。いかにモチベーションを落とさずに活動を続けるか、そのために入ってくる情報をコントロールできるか。社内公募ではそんなことが大事だったと思います。そしてやっぱり、社内のつながり。自分の働きぶりをみたことのある人がたくさんいればいるほどポジティブに作用すると思います。

職場で社内公募について相談されることが折々にありますが、ぜひやってみたら?と言っています。パワハラとかリストラとかマイナススタートの私でも受かるんだから、元気なあなたなら楽勝だよ…と言いたいところですがそれは内緒です。

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