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書籍紹介「ISSUE DRIVEN」

プロフェッショナルにとって、
バリューのある仕事とは何か?

という問いから始まる本書。

ビジネスや研究において、
きっと誰もが一度は似たようなことを
考えたことがあるだろう。

バリューのある仕事をしたい、そのための考え方を身に付けたい、
そう願う若手には是非この本を薦めたい。

「問題を解く」より「問題を見極める」
「解の質を上げる」より「イシューの質を上げる」
「知れば知るほど知恵が湧く」より「知りすぎるとバカになる」
「1つひとつを速くやる」より「やることを削る」
「数字のケタ数にこだわる」より「答えが出せるかにこだわる」
(安宅和人『ISSUE DRIVEN』英治出版株式会社 2010 より)

上記の一説は本書の序章に書かれている基本的な考え方だ。
ちょっとでも心が動いたら是非本書を手にとってみて欲しい。

問いを見極め、仮説を整理し、設計し、アウトプットし、考えを広める
上記のアプローチが自由自在に操れるようになればありとあらゆる分野で必要とされる人材になるだろう。

ビジネスシーンでは生産性を高めるということが叫ばれて久しいが、語られている多くは時間効率や質の向上を上げるものがほとんどで、問いそのものをテーマにしたものは少ない。

私自身がデザインを仕事にする上で、アプリケーションの効率があがろうが、写真やイラストの質があがろうが、そういったものは成果全体の10%程度しか貢献しない。だからこそ、神は細部に宿るなんて言い方がされるのだが、もちろんそういう10%は尊い。

しかし、残りの90%、つまり、本質的な問いを見極め、仮説を立て、アウトプットの方向性を決めるバリューのある仕事を見誤ると残りの10%がどんなに素晴らしい出来であっても、世の中からは評価されないのだ。

生産性を高める為に技術を磨くことを否定はしないが、プロジェクトに抜擢され、力を発揮する為にまず磨くべき能力は、問いを見極める能力であると心得たい。

本書は実践的アプローチも含めて、簡潔に要点を訴求する良書。読めば、必ず自身の人生に響く教えを得られるはずだ。
質の悪い書籍が多いビジネス書カテゴリの中に、本書があることに救われる。とにかく、ここで出会ってしまったならば、一度は読んでほしい。

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