あなたの会社の人事評価制度は大丈夫?
「忙しくて本を読む時間がないよ!」というあなたの為に、人が育つ会社の人事評価制度のデザインが示されている著書「人事の超プロが明かす評価基準」(著者:西尾 太)の要点をまとめました。
「何であんな人が課長に!?」
「人事は何もわかっていない!」
「あんなに頑張ったのに、なんでこんなにボーナスが低いんだ?」
誰もが一度は、そんな疑問や不満を抱いたことがあるのではないでしょうか。
給与、昇進、ボーナス、異動、左遷やリストラ、会社人生のすべては「人事評価」によって決まります。
その評価が不当であれば、社員達が不満を抱き、モチベーションをさげ、退職する人も増えます。
そうなれば業績も下がり、経営が傾くこともあります。
『ハーバード・ビジネス・レビュー』2012年5月号によると、幸福感の高い社員の生産性は平均で31%、売上は37%、創造性は3倍も高く、人生の満足度が高い従業員が働いている小売店の店舗面積利益は他店よりも21%高いと示されています。
こうしたデータから企業は、従業員のワークエンゲージメントをどう高めるか考えざるを得ない状況になっています。
★どうやってワークエンゲージメントを高めるの?★
その手法の軸となる会社の仕組みの一つに「人事評価基準」があります。
この本では、惜しげもなくその評価基準を紹介しています。
「どうせ大企業でしか運用できない基準だろう?」
ところがそうでもないらしいです。
著者曰く、
あらゆる企業に共通する「評価基準」がある。
さっそく読んでいきましょう。
「あなたは人事評価の真の目的を知っていますか?」
「人事評価 = 人材育成」
人事評価は、人を裁くことだけでも、給与を決めることだけでもなく、「褒めるべきポイント」と「これから育成すべきポイント」を明らかする仕組みで人を育てることが真の目的です。
人を育てるための評価基準=「会社が従業員に求めるもの」はどうやって設定されるべきなのでしょうか。
あらゆるビジネスで求められる成果を出すための「欠かせない行動」のことを、人事分野では「コンピテンシー」といいます。
この本では、普遍的で汎用的な絶対基準「45のコンピテンシー」が全て紹介されています。
当たり前ですが、役職クラスによって求められる行動は異なり、課長はチーフより高度な行動を、部長は課長より高度な行動が求められ、それぞれに応じた評価基準の設定が必要となります。
管理職は人事評価の中で、G1の新人クラスからG3のリーダー・補佐クラスの成長やワークエンゲージメントを高めることが求められます。
★すべての管理職に共通する「ミッション」★
人を育てる立場になった管理職には多くのコンピテンシーが求められるようになりますが、その中でも特に重要なのは、「仕事の意味を伝えること」です。
生活のために働かせるのではなく、その仕事がどんな価値を世の中に提供するのか、有限な人生の時間を費やし、なぜその仕事をする必要があるのかを伝えなければ、部下のモチベーションは上がりません。
★ ま と め ★
1.人事評価は人を育てることが真の目的
2.人材育成を意識し、各役職・クラスに応じたコンピテンシーを設定
3.管理職は、部下を褒め・課題を提示し、仕事の意味を伝える
あなたの会社の評価制度は上記の3つを満たしていますか?
人材が育成されていない企業の多くは、人事評価が人を育てる仕組みとして機能していないことがほとんどの原因だそうです。
従業員のエンゲージメントが低く、退職者が多い職場に悩んでいる人事担当の方は、是非この本を手に取って改善していただければと思います。
それでは、またお会いしましょう。
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