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地方に未来はあるのか?(その3)

テーマ:地方創生・SDGs・コミュニティ作り・教育・デザイン

「忙しくて1時間も本を読む暇がないよ!」というあなたの為に、地域の未来の鍵を握るといっても過言ではない著書「持続可能な地域のつくり方-未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン-」(著書:筧 祐介)の要点をまとめました。

パート2実践編 持続可能な地域づくりを実践する

★   前回までのあらすじ ★

村人たちは先生に教えてもらった地域の課題で村の地図を描いていた。

村人たち:できたな!
先生:(本当にできてる…)すごいですね!
村人A:先生に言われた通り地図を描いてみたんですが、うちの村でもやっぱり地域コミュニティの弱体化が様々な問題の原因になっていました…
先生:そうなんです。コミュニティの弱体化については目に見えた成果が出しにくい為に地方自治体や民間でも取り扱うことが少なく放置されがちなんです。
村人B:コミュニティの弱体化が原因で地元の子供達が郷土に愛着も生まれず、地元での就職も考えられないことがアンケートからも浮き彫りになりましたからね。
先生:(いつの間にアンケート調査なんて…)そ、そうですね。
村人C:地域外への進学や就職によって若年人口が減り、出生率も下がり、学校の統廃合が進む。
村人D:人口が減ることで、地域内での消費も縮小し、産業も衰退していく。
村人E:人間関係が希薄になってしまったことで、地域による見守りという考えではなく、地域の知らない人は怖い人のような考え方になってしまっている。
村人F:生活を支援するはずのコミュニティが弱体化して、結婚・出産・子育てがしにくい環境になっていますよね。
村人G:最近は地域のイベントも少なくなって外出の機会も減ったしなぁ。
村人H:外出機会が減ると健康状態にも影響して、医療負担も増えますよね。
先生:(なんなんだこの人たち…)そ、その通りです。では、次は課題となるコミュニティの弱体化について考えていきましょう!

★    コミュニティの強化が地域にもたらすもの5つ ★

幸福度を高める|生命力を高める|生産性・創造性を高める|利他性を高める|経済的利益を生む

※著書では、それぞれがもたらす効果の根拠について様々な研究結果を元に詳細な説明がされています。

村人A:コミュニティづくりの重要性についてはわかったけど、なんだかテンション上がらないんだよなぁ。
先生:この村には“未来ビジョン“がないからです。
村人たち:み、未来ビジョン!?
先生:(なんか気持ち良くなってきた)そうです!未来ビジョンです!

★    未来ビジョンの5つの役割 ★

役割1:持続可能な未来への道しるべ

役割2:現在思考から未来思考への転換

役割3:住民のエネルギー源、行動の動機、地域愛の醸成

役割4:チーム力を上げる絶好の機会

役割5:地域外からの求心力を生む

【この記事を読んでくださっている皆様へ】

各自治体で作成されている基本構想が地域コミュニティの鍵を握る未来ビジョンと言っても過言ではありません。

概ね10年間の地域づくりの方針を示すこの基本構想がまちの人々の道しるべとなる太陽の役割を果たします。

まちの人々と協働したまちづくりを掲げるのであれば、未来ビジョンであるこの基本構想こそ、まちの人々から広く意見を聞き、対話し合い、このまちの問題は何か、今後何が必要なのかを話し合い、市民教育をする絶好の機会となります。

一部の行政職員のみで話し合い、ホームページ上で基本構想のパブリックコメントを募集するだけでは何も生まれません。

みんなで明るい未来を描き、みんなが一人ひとり自分に何ができるのかを考える絶好の機会です。

この本には、その重要な役割を担う未来ビジョンづくりについて誰にでも再現できるような技術や行政の役割について紹介されています。

10年間の基本構想となる、皆さんのまちの未来ビジョンの影響を受けるのは、私たちではなく子どもたちです。

あなたのまちの未来ビジョンはどのように作られていますか?

それについてあなたが何も知らない場合、すでにコミュニティの弱体化の問題は起こってしまっているかもしれません。

SDGsも2030年までの10年後の世界目標であることから、未来ビジョンとも密接な関わりがあります。

この記事を読み、もう一度、自分が社会に対して何ができるのかを考える機会になっていただければ嬉しいです。

村人たち:よし!私たちの未来ビジョンができた!
村長:素晴らしい!
先生:いきなりきたな村長!
村長:先生何か言いました?
先生:(つい心の声が…)い、いえ何も!ちなみにビジョンワードは何にしましたか?
村人たち:「みんなで爆笑まちづくりの村」にしました!
先生:楽しみながらみんなでまちづくりをしている様子が一言でわかる、思い切った素晴らしいネーミングだと思います。

と、長くなってしまったのでパート2実践編は一旦ここまで!

ここまでで、この本では、「地図を描く技術」の他に、「対話の場をつくる技術」「声を聴く技術」「未来を表現する技術」が紹介されています。村人たちがビジョンを作れるようになったのもこの技術のおかげです!気になる方は是非本を購入して読んでみてください!

さて、持続可能な地域づくりに必要なことも残るところ「あと2つ」になりました。

●一人ひとりの生きがいを創る「チャレンジ」

●未来を切り拓く力を育む「次世代教育」

それでは、またお会いしましょう!











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