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記事一覧
詩 : 『見上げる本棚』
(444字)
千冊の読み物が並ぶ本棚にも
三階建ての本屋さんにも
絶版を含む書を抱えた巨大な図書館にも
読みたいものは置いていない
noteの記事に様々な読みもの
もっと面白いものを
創作が巧みに
語彙が豊富に
何が書けるのか
変わり映えしない
感情を言葉にできない
多方面に読む癖は変わらず
時間を返せ と思うことも
note村の読み物はアテ
短編 : 『 そのひと言があった 』
(約1,600字)
キッチンには、明るい色合いの封筒を無造作に置いた。サンキャッチャーがキラキラと陽光を集めた明るい部屋なのに、気持ちだけが塞いでいた。
あの日の午後の作業は、過去の経験には覚えがないくらい汚れ仕事のように感じて、自分のお財布から全てのお金を出して広げてみた。
7,904円‥‥次の給料日まで何日あるんだっけ‥‥‥あたしは自分の労働時間をぼんやりと思った。
短編 : 『ナイフと宝もの』
(約1,600字)
ひとちゃんが死んだー?
ある日、病院の一室に呼ばれた。
あたしはひとちゃんが子どもの頃、唯一、友達と呼べる遊び仲間だった。
学校に行くと、あたし達は口を聞かなかった。ひとちゃんは俗に言う悪い育ちの子だった。
あたしは「水商売を生業にしている家の子とは遊んじゃダメよ」と言う母の教えを守った。
だから、誰もひとちゃんとあたしが宝箱を共有する仲良しだとは知らなかった。
『なかみがみえ無い』#毎週ショートショートnote
(410字)
そこへ行く時間は限られた
人目につかない時間と
仕方なくKを誘った
一人では心許ない
西館と東館の入り口は封鎖されている
西館からは地下から東館へ行く通路がある
古い建物で使われていないが、西館に縁があった私は鍵を持っていた
「ねぇ、コレを記録しちゃだめ?」
Kは徐ろに最新機種を取り出して、懇願の表情をうかべた
「どうせ都市伝説。価値があるとは思えないけど、姿を映さない
『花月草紙』#毎週ショートショートnote
(410字)
ウォルさん、また頭が痛いらしいよ。
え〜、ウルシ、また?早退すりゃいいじゃんね。てか、あの子、なんで「ウォルさん」て呼ばれてんの?
髪の毛が、ウォールナット?だからでしょ。
今、ソコどうでもいいんだけど。薬持ってきて欲しい、って‥‥
ダメじゃん、うちら、アメリカ製の保健室からは勝手にもらえないんだよ。
ー本人が出向いて、その人の薬でなきゃー
あ、やばい、