papermoon

英日翻訳家。書きたい文章を書きたいように綴らせていただきます。

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最近の記事

レジ袋 【旅と英語と思い出と】

私が初めて海外に出たのは高校2年生の夏休み。10日間程度のアメリカへのホームステイだった。 英語が好きだった私にとって、以来、海外に出る=英語を学ぶチャンスという認識になってしまっている。机に向かってする勉強と違って、実体験を通して学ぶ英語はその場その場の成り行きなので、疑問に思ったその瞬間に質問をしないとほぼ永久的に学ぶチャンスを逃すということが多い。まして、旅の最中で出会う人に会うことは多分もうない。 あのとき聞いておけばよかったな、と今でも思うことがある。アメリカへの

    • 旅を終えて、そしてこれから 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

      不登校の息子とのベトナム5週間の旅を終えて、息子は日々の尊さを知ったようですが(詳しくはこちら)、もちろん私も得たものはたくさんありました。 まずは、息子の表情が明るくなったこと、リビングで過ごす時間が増えたこと、私たち親との会話が増えたことがあります。増えた、というよりは日常的に登校していた頃に戻ったと言ったほうが正確でしょうか。 「学校に行かない」という事実は「悪いことをしている」とか「みんなは行ってるのに」という罪悪感を生み、学校には行きたくないしそう決心したけれど、

      • 詐欺 -旅で得たもの- 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

        不登校の中学生の息子との5週間にわたるベトナム旅も無事に終了しました。 さて、この旅で何を彼は得たのか? 「どうだった?」と漠然とした質問を投げかけると、返ってきた答えは「日本の良さが分かった。今まで当たり前だと思っていたことは当たり前じゃない。日本に生まれてよかった。日々に感謝」というものでした。 途中までは「でしょうね」と思いながら聞いていたのですが(日本との違いにうんざりしている場面は多々あったので)、「日々に感謝」にまで至るとは意外でした。なめていました(笑)。

        • 非日常 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          不登校の息子とのベトナム5週間の旅もニャチャンからホーチミンに移動し、いよいよ最後の1週間となりました。 ホーチミンはベトナム最大の都市というだけあって、賑やかで活気があり、観光スポットもたくさんあります。統一会堂、ベトナム戦争証跡博物館、中央郵便局や聖母マリア教会を始めとするカトリック協会など、古い建築物が多いのが印象的です。また、これらが狭い地域に集中しているので、息子は勉強や授業の時間を確保しつつ見てまわれます。各スポットが見て回る系なので、それほど時間を使わないのも

        レジ袋 【旅と英語と思い出と】

        • 旅を終えて、そしてこれから 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

        • 詐欺 -旅で得たもの- 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

        • 非日常 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          やりたいこと 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          不登校の息子と共に5週間のベトナム旅行。以前の記事で、息子がニャチャンでカイトサーフィンをやりたいと言い出したことを書きました(こちら)。現地のツアー会社に問い合わせをしていたのですが、結局体験はできませんでした。 息子は普段、あまり興味が向く先が多い方ではなく、ましてやこんなアクティブなことに挑戦したいということはほとんどありません。なので、できるだけのことは私もしました(問い合わせただけですが)。そもそも、カイトサーフィンは簡単なスポーツではないし、ニャチャンでは日本語

          やりたいこと 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          教えてくれない 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          不登校の息子とベトナム旅行に来て早いもので4週間が経とうとしています。いよいよ旅も終盤です。 ベトナムに来て知ったのですが、どうやら、ベトナムのアパートにはお湯を出すためのスイッチがついているようなのです。このスイッチはバスルームごとについていて、それをオンにしないことにはお湯がでません。 チェックイン時に特に説明はありませんでした。最初に泊まったハノイのアパートでこの存在に気づいたのですが、最初の2、3日は知らないのでスイッチを入れずに使用しており、「東南アジアではお湯

          教えてくれない 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          幼子と果物売り 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          不登校の息子とベトナムはニャチャンに旅行に来ています。ニャチャンの海はとてもきれいで潜ればきれいな熱帯魚が見られます。日本の海では絶対に見られないきれいな魚見たさに頻繁に海に通う日々。 ニャチャンは昔からロシア人のリゾートとして人気のある都市らしく、ビーチで一番多いのはロシア人らしき欧米の方たち。小さな子どもを連れた家族が多く、よちよちと歩く姿には目が細まります。こういうとき、子育て経験がある人が必ず自分の子供に言うこと。「あんたもあんなに小さかったのよぉ〜」 誰もが言わ

          幼子と果物売り 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          慣れとコンフォートゾーン 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          不登校の息子とベトナム旅に来て3週間。旅も終盤です。 前回の記事(「どうにかなりませんか?」)にも書きましたが、旅行とは不便との遭遇であり、それをクリアしていくというミッション達成ゲームのようなものだなとつくづく感じております。が、そのミッションにも、ゲームの舞台(ベトナム)そのものにも慣れてきて、日々はいつもとは勝手が違う不便な環境からコンフォートゾーンへと近づいてきました。 思えば、最初のころは生野菜や果物も警戒しておりました。いえ、スーパーのお惣菜だって警戒の対象で

          慣れとコンフォートゾーン 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          どうにかなりませんか? 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          不登校の中学生の息子を連れて、ベトナムに5週間の旅に来ております。 海外に来ると、いつもと違う環境や文化に新鮮さや楽しさを感じる反面、その違いに勝手がわからず、どうしようと思うことも多々あります。 私は日本人ですし、生まれてこの方ずっと日本で生きてきていますから、海外は勝手が違い、「これがやりたいんだけどどうすれば?」となります。今回の旅でずっと戸惑っているのが鍵。ルームキーです。ホテルでなく、アパートに滞在していることもあり、カードキーでなく普通の鍵なんですが、どうやって

          どうにかなりませんか? 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          通う【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          中学生の息子は学校に行っておりませんので、中学校の担任の先生より定期的に連絡をいただきます。息子はN中等部にも所属してオンラインで授業を受けておりその報告書がもともと通っていた公立中学にも行っているので、電話の内容は息子の様子についてというよりは、学校で行った健康診断の用紙(それを学校医に持っていくと検診が受けられる)だとか、進路希望調査票だとかの書類を取りに来てくださいというものです。 中学の先生はお忙しいのに本当にお手数をおかけしており申し訳ないです。だいたい月に1回か

          通う【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          いい経験【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          不登校の中学生の息子とベトナムにてほぼ外籠もりをして約3週間。 ハノイからニャチャンに移動して来ました。ここは海沿いのリゾート地で海もきれいなのでマリンスポーツが人気のようです。中でも、カイトサーフィン(写真参照)が息子の目にとまり、インドア派の彼にしては珍しく「やってみたい」と言い出しました。せっかく海外に来ているんだし、いい経験になります。できるところを探そうということになりました。 そこでふと思ったのですが、いい経験とは何でしょうか? いつもはしないことをすればいい経

          いい経験【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          洗礼【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          さて、旅に出る宣言をした前回から、やってきたのはベトナムはハノイ! 中3の息子との5週間の旅がスタートしました。 LCCのベトジェットで成田からハノイまで約6時間。いやぁ、正直キツかった。海外は、私は約4年ぶり、息子は約5年ぶり。久々というのもあるとは思いますが、なかなか飛行機の移動はしんどいですね。 着陸したのは夜8時過ぎ。入国手続をして荷物を取って、eSIMを入れて、夕食を調達して、配車アプリのGrabを使って約45分。 指定した住所に着き、「やっと到着!」と思いきや

          洗礼【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          旅に出る【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          息子が不登校になり、「どうせなら今までやりたかったことをやってみたい」と思いました。そして思いついたのが、旅に出ること! しかも長期、海外です。 帰国子女でもなければ留学経験もありませんので、今までの最長海外滞在期間はおそらく11日程度。海外で長く、例えば1ヶ月間滞在するというのは私の夢でした。 そこで、息子に提案してみたところ、乗り気だったので、じゃあ行くかと。 幸運なことに、夫も快諾してくれました。というか、言い出したら絶対に実行するという私の性格をよくわかってくれ

          旅に出る【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          不登校は遺伝するのか?【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          前回の記事で中3の息子が不登校になったという話をしました。その予兆は息子が小学生の頃からあったので、不登校という事実を受け入れるまではそれほど時間はかからなかったように思います。 でも、もう一つ理由があるとすれば、それは、私も子供の頃不登校気味であったからかもしれません。 正確には不登校ではありませんでした。休みがち、学校に行くのが嫌、早く帰りたい、どうやって休むか早退するかを常に考えている、とにかく毎日泣いている(1日中毎日泣いているとどうなるか知っていますか? 目の周り

          不登校は遺伝するのか?【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          不登校になった【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          こんにちは。不登校の息子を持つ母です。 息子がこの春から本格的に不登校になりました。予兆はあったのです。 小学校の頃から学校に行かない時期は定期的にありました。1年生の頃から行きたくない日、泣きながら行く日が時々あり、5年生のときがピークで行ったのは計3ヶ月くらいだったと思います。6年生は復活しほぼ通いました。 それが、中学に入り、1ヶ月くらい行かない時期、数ヶ月行かない時期がポツポツと出始め、2年生は半分くらいの出席率、3年生になったこの4月から完全に「行かない」と決心す

          不登校になった【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】

          【映画】「6才のボクが、大人になるまで。」で思うこと(ネタバレあり)

          この映画って、主人公はこの男の子だけど、テーマは「男をダメにする女」だと思う。いるよね、そういう人。この映画では主人公の母親がそれ。 決してダメな女じゃない。子育てしながら大学に通って勉強して大学で教職についちゃうような人。性格も真面目だし、家庭のこともちゃんとする。だけど、なぜか結婚する男、付き合う男は酒に溺れていく。そして、別れるとまともになったりする。 ちゃんとしてる、というよりできる人なのになぜか? それは、「自分、自分」だから。エゴが強いというのだろうか。しかし

          【映画】「6才のボクが、大人になるまで。」で思うこと(ネタバレあり)