桜井篤

魅力発掘プロデューサー/観光振興シニアコンサルタント/脚本家/淑徳大学地域連携センター…

桜井篤

魅力発掘プロデューサー/観光振興シニアコンサルタント/脚本家/淑徳大学地域連携センター特別客員研究員●リクルート『じゃらん九州』編集長、千葉市観光プロモーション課長等を経て現職●訪れる人の「喜び」と住人の「誇り」を同時に創出します。著書『まちの魅力を引き出す編集力』(同友館)。

マガジン

  • 地域の魅力を発掘する★観光振興&魅力発掘プロデュース

    【2020年7月20日創刊】このマガジンは、地域の魅力を発掘して、観光客を呼ぶ!地元の人も訪れる人も其々の幸せが増すような、そんな本格的な観光振興の実践術を、これまでの記事から選りすぐり編集しています。

記事一覧

総務省「地域力創造アドバイザー」就任

当方こと桜井篤は2024年4月1日、総務省が認定する「地域力創造アドバイザー」に就任いたしましたのでご報告いたします。 この制度は、都道府県から推薦を受けた地域活性の…

桜井篤
8日前
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現役観光ガイドのための『速習★魅力アップ講演』が好評をいただきました(満足率100%)

さる2月29日に都内のある区の観光協会さんからご依頼いただいた「~現役ボランティアガイドのための~速習★まち歩きを10倍楽しくする7つのポイント」(90分) 講演参加者…

桜井篤
1か月前
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人間を中心に据える観光企画(実存主義的・現象学的観点を活かした実例)

観光振興を進めるにあたり、実存主義および現象学的態度が有意義だと思われる点は、国や地方行政が作る「基本計画」や「グランドデザイン」といった観光振興の戦略の根幹が…

桜井篤
1か月前
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参加者の47%にお店に足を運ばせた 「根回し」話術をシナリオ化 ■ナラティブマネジメント

ナラティブマネジメントとは 地域の観光振興を推進するために、観光集客の現場において、その魅力をより効果的に客に届けるためのクオリティマネジメントを指し、主に地域…

桜井篤
2か月前
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2月24日(土)市民の誇りの醸成と観光集客★シンポジウム開催のお知らせ

千葉市には市民の誇りのもととなる「加曽利貝塚」「オオガハス」「千葉氏」「海辺」 という4つのシンボルがあります。今回、これらのシンボルを活用した観光集客及びシビ…

桜井篤
2か月前

魅力発掘プロデュース~なにかに夢中になっている人を発掘し、観光ガイドにコンバート~

魅力発掘プロデュースとは? 魅力発掘プロデュースとは、「地域に埋もれた資源を掘り起こして、その魅力を引き出し(観光商品化を経て)発信し、訪れる側にも、迎え入れ…

桜井篤
3か月前
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観光振興の価値を拡大するトライアングルハッピー(事例つき)

トライアングルハッピー。 ちょっと聞きなれない言葉だと思うので、意味をご説明しますね。 トライアングルハッピー(以下TH)とは、江戸初期の陽明学者で近江聖人と言われ…

桜井篤
7か月前
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魅力発掘プロデュースとは?TOKYOFMで仕事と著書を語りました。(一週間限定試聴)

2021年6月に発行した『まちの魅力を引き出す編集力』ですが、在庫がそろそろ底がつきつつあることが編集者さんとの話の中でわかってきました! そこで、TOKYOFMさんの人気…

桜井篤
8か月前
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職場で、会議室で、デスクで~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(後編)~

さて、後編です。 後編では、実際に私が前職において㈱リクルートの制作・編集職としてまだ20代の駆け出しの頃に遭遇した上司の態度をご紹介します。 いずれも私が後に自分…

桜井篤
8か月前
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生成型AI時代の観光企画人材マネジメント~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(前編)~

観光振興の担い手の育成をするにあたって今最も大きくて根深い問題ってなんだと思いますか? それは、将来の観光の担い手である若い世代が顧客目線からはほど遠いアウトプ…

桜井篤
9か月前
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「認める」「ほめる」「賞賛する」。人と組織を育てるアプローズマネジメント人材育成その1~

アプローズとは英語のapplauseのことで、「拍手」を意味します。拍手や喝采などによって公に表現される賞賛や称賛の行為です。 アプローズマネジメントとは、私がこの言葉…

桜井篤
10か月前
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地域資源のストーリー化~地域資源を見つけて観光資源に昇華するために その4~

写真について (一社)佐賀市観光協会の「幕末・維新の佐賀の賢人たちの人物相関図」。一人ひとりの偉人を、その関係性を調べて一覧にしたことで、そこから物語が見えてく…

桜井篤
11か月前
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コラボレーションコーディネート~地域資源を見つけて観光資源に昇華するために その3~

コラボレーションコディネート(以下CC)は、2つ以上のものごとや2者以上の人々をつなげることで、新たな動きを生み出し、それによって新たな提供価値を生じることを目的…

桜井篤
11か月前
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取材テクニック10 ~地域の魅力を発掘して観光集客企画にするために~

私は、取材記者~旅行情報誌の編集長~魅力発掘プロデューサーとして現在に至る35年間の間、その時その時の立場で、ずっと地域資源を活用した観光振興に取り組んでいます…

桜井篤
1年前
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地域資源を見つけて観光資源に昇華するために その1「民俗学的アプローチ」

その土地には必ず地域資源があると感じています。 私は、取材記者~旅行情報誌の編集長~魅力発掘プロデューサーとして現在に至る35年間の間、その時その時の立場で、ず…

桜井篤
1年前
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「シビックプライド」と「郷土愛」との違いの語義解釈的アプローチによる一考察

地域の観光振興を進めるにあたり、年々重要度が増していくのが「シビックプライドの醸成」です。私個人も地域を観光推進で振興する大きな目的はここに還元して行きたいと…

桜井篤
1年前
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総務省「地域力創造アドバイザー」就任

当方こと桜井篤は2024年4月1日、総務省が認定する「地域力創造アドバイザー」に就任いたしましたのでご報告いたします。 この制度は、都道府県から推薦を受けた地域活性の専門家が、総務省によって、その業績などを審査した上で認定した「地域活性化のスペシャリスト」を日本各地の地域活性のために、より活用していただけるようにはじめた公共の派遣支援制度です。  当方もありがたいことに過去に誠心誠意尽力させていただいたある県から推薦をいただき、2024年4月より就任することとなりました。

現役観光ガイドのための『速習★魅力アップ講演』が好評をいただきました(満足率100%)

さる2月29日に都内のある区の観光協会さんからご依頼いただいた「~現役ボランティアガイドのための~速習★まち歩きを10倍楽しくする7つのポイント」(90分) 講演参加者からご好評をいただきました。 【アンケート結果】 ※いずれも5段階評価  ①わかりやすさ  有効回答 59人中 非常にわかりやすい 37人(62.7%) わかりやすい 22人(37.3%) 満足率100% ②お役立ち度 有効回答 55人中 役だった 40人(72.7%) どちらかというと役だった 14人(2

人間を中心に据える観光企画(実存主義的・現象学的観点を活かした実例)

観光振興を進めるにあたり、実存主義および現象学的態度が有意義だと思われる点は、国や地方行政が作る「基本計画」や「グランドデザイン」といった観光振興の戦略の根幹が、現場にブレイクダウンしていく過程において、往々として希薄し、失われがちな「観光客の立場になって考え抜く」という姿勢を一貫したり、新たに加味するなどして、現場で具体的に力強く反映できることです。 現象学や、その中心概念となる相互主観性、現象学的還元については過去にこちらのブログ(リンク先)で論じてきました。 「知覚」力

参加者の47%にお店に足を運ばせた 「根回し」話術をシナリオ化 ■ナラティブマネジメント

ナラティブマネジメントとは 地域の観光振興を推進するために、観光集客の現場において、その魅力をより効果的に客に届けるためのクオリティマネジメントを指し、主に地域の観光推進の主体者により実施されます。  たとえば、地域に残る歴史的事実を紹介する際などには、単に史実を伝えるだけでは観光客にはその土地ならではの魅力として受け止められないことがしばしばあるため、観光ガイドが、その史実に関わった歴史的人物の生涯を説明したり、ご自分の推察や解釈を加えた上で、起承転結や喜怒哀楽などを加

2月24日(土)市民の誇りの醸成と観光集客★シンポジウム開催のお知らせ

千葉市には市民の誇りのもととなる「加曽利貝塚」「オオガハス」「千葉氏」「海辺」 という4つのシンボルがあります。今回、これらのシンボルを活用した観光集客及びシビックプライド(市民の誇り と責任感)の醸成の有り方について、プチ講演&パネルディスカッションを開催します。 主催は今年開設した淑徳大学の地域創生学部(矢尾板俊平学部長)、千葉市からの後援をいただきます。 参加無料ですので、ぜひお越しください。 淑 徳 大 学 地 域 創 生 戦 略 フ ォ ー ラ ム i n 千 葉

魅力発掘プロデュース~なにかに夢中になっている人を発掘し、観光ガイドにコンバート~

魅力発掘プロデュースとは? 魅力発掘プロデュースとは、「地域に埋もれた資源を掘り起こして、その魅力を引き出し(観光商品化を経て)発信し、訪れる側にも、迎え入れる側にも、以前より少しでも幸せになってもらうための実践的行為」で、地域の観光振興を進めるにあたり、最も力を入れたい行いです。この章では、「発掘した地域資源」を「商品化」にする段階、つまり「プロデュース」面について、現在そのエリアに住んでいる「ひと」を地域資源とした考え方について記します。 地域資源としての「ひと

観光振興の価値を拡大するトライアングルハッピー(事例つき)

トライアングルハッピー。 ちょっと聞きなれない言葉だと思うので、意味をご説明しますね。 トライアングルハッピー(以下TH)とは、江戸初期の陽明学者で近江聖人と言われた中江藤樹が唱えた「三方良し」の精神に似ていますが、多少違うところもあります。THは「三方良し」との違いを見ると、ご理解いただきやすいのでそのあたりから解説しましょう。 ■「三方良し」と「トライアングルハッピー」の違い 中江藤樹の「三方良し」は商売の心得です。「売り手良し」「買い手良し」そして「世間良し」の

魅力発掘プロデュースとは?TOKYOFMで仕事と著書を語りました。(一週間限定試聴)

2021年6月に発行した『まちの魅力を引き出す編集力』ですが、在庫がそろそろ底がつきつつあることが編集者さんとの話の中でわかってきました! そこで、TOKYOFMさんの人気番組『TRAD』でコーナー出演させていただき、当方の行っている仕事「魅力発掘プロデュース」についてとそれらのノウハウをまとめた著書の説明をさせていただきました。 パーソナリティーは、前から一度お会いしたかったハマ・オカモトさん、そして中川絵美里さん。 ハマさんとは音楽のジャンルの違いとそれを象徴的に使

職場で、会議室で、デスクで~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(後編)~

さて、後編です。 後編では、実際に私が前職において㈱リクルートの制作・編集職としてまだ20代の駆け出しの頃に遭遇した上司の態度をご紹介します。 いずれも私が後に自分がメンバーをもつことになった時に、その背骨になったものです。 前編はこちら 生成型AI時代の観光企画人材マネジメント~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(前編)~|桜井篤 (note.com) 1 職場にて)意味なくやってくる上司のIさん 求人週刊誌の広告を制作していた時は、営業が受注し

生成型AI時代の観光企画人材マネジメント~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(前編)~

観光振興の担い手の育成をするにあたって今最も大きくて根深い問題ってなんだと思いますか? それは、将来の観光の担い手である若い世代が顧客目線からはほど遠いアウトプットをしがちだと、私は思っています。 市役所の観光課の職場でも、コンサル会社との若手コンサルとのオンライン会議でも、大学1年生から4年生が受講する大教室でも。そのような若い方が急激に増えてきているな~と毎日感じています。なかには「自分の考えを「企画」に活かすことはいけないことだ」とさえ思っている若者もいます(本当です)

「認める」「ほめる」「賞賛する」。人と組織を育てるアプローズマネジメント人材育成その1~

アプローズとは英語のapplauseのことで、「拍手」を意味します。拍手や喝采などによって公に表現される賞賛や称賛の行為です。 アプローズマネジメントとは、私がこの言葉にマネジメントの意味を加えて作った造語で「拍手喝采で賞賛して皆で喜び合うことで、快感を刺激し、意欲を高め、提供価値を高める」ことです。 組織においては賞賛された対象事柄が、組織が目指すお手本であることを間接的に示しますので、事業理念の理解にも役にたちます。 個人にとっては、モチベーションがあがり、積極性も

地域資源のストーリー化~地域資源を見つけて観光資源に昇華するために その4~

写真について (一社)佐賀市観光協会の「幕末・維新の佐賀の賢人たちの人物相関図」。一人ひとりの偉人を、その関係性を調べて一覧にしたことで、そこから物語が見えてくるような構成に仕上げました。2010年に完成した後、後任のスタッフの方に多少修正を施していただいた上で現在もHPにアップされています。ちなみに歴史寸劇脚本作りに大いに参考になりました。 全体図はこちら↓ 義祭同盟とは? 佐賀市観光協会公式ポータルサイト サガバイドットコム [sagabai.com] 日本各地の観光振

コラボレーションコーディネート~地域資源を見つけて観光資源に昇華するために その3~

コラボレーションコディネート(以下CC)は、2つ以上のものごとや2者以上の人々をつなげることで、新たな動きを生み出し、それによって新たな提供価値を生じることを目的として行います。 よく言われる「点から線へ、線から面へ」という地域観光振興における地域資源の掘り起こしから集客装置創出までの典型的な手法がこのCCです。 一方で魅力発掘プロデュースをしていて、もっとも心躍る業務プロセスがこのCCでもあります。 この項では、CC実現に至る各段階を示し、あわせて上手に行うコツを挙げましょ

取材テクニック10 ~地域の魅力を発掘して観光集客企画にするために~

私は、取材記者~旅行情報誌の編集長~魅力発掘プロデューサーとして現在に至る35年間の間、その時その時の立場で、ずっと地域資源を活用した観光振興に取り組んでいます。 その中で実践してきた取材を通して「テクニック10」としてまとめました。 取材は、その後の企画の成否に直結します。私はこれまで取材記者、編集者、広告ディレクター、企画担当者など様々な立場で35年にわたり取材を経験してきましたが、それらの経験を通して立場を問わず、取材活動における「基本ポイント」と、観光振興に直結す

地域資源を見つけて観光資源に昇華するために その1「民俗学的アプローチ」

その土地には必ず地域資源があると感じています。 私は、取材記者~旅行情報誌の編集長~魅力発掘プロデューサーとして現在に至る35年間の間、その時その時の立場で、ずっと地域資源を活用した観光振興に取り組んでいます。 その一例として「民俗学的アプローチ」について記します。 民俗学的アプローチとは、その土地の歴史、文化、口承伝承などを対象とした情報収集アプローチです。日常生活を観察し、自分で見聞・体験し、その土地ならではの傾向を発見し、さらに、莫大な日本民俗学の学的蓄積と照合し、

「シビックプライド」と「郷土愛」との違いの語義解釈的アプローチによる一考察

地域の観光振興を進めるにあたり、年々重要度が増していくのが「シビックプライドの醸成」です。私個人も地域を観光推進で振興する大きな目的はここに還元して行きたいと考えています。また、ここをしっかり持って、関係者間で共有していると、観光振興の戦略から現場の最前線の小さな打ち手までどの段階でも、ぶれないですみます。さらに、思いがけないアイディアさえ生まれてきていると実感しています。  本稿では、この「シビックプライド」とそれに似ている「郷土愛」の違いが再確認できるように書きながら確