キャラクタライズってなに?(後編)事例
前編では、キャラクタライズの価値およびベルソナ作りとの違いを記しました。
後編では、具体的なプランへの活かされ方を記します。
お寝坊しても大丈夫!
「午後からイチゴ」プラン誕生
当方が勤務していた千葉市役所の観光プロモーション課においては、市内のイチゴ狩り観光を推進するために、体験型観光プラン集『千葉あそび』誌上において「午後からイチゴ」キャンペーンを展開しました(2015年「春号」)
これは、「千葉あそび」に体験型観光プランを掲載するための条件の一つである「予約制」、およぶ特徴の一つである「予約システム」機能を活かした企画でした。
「イチゴ狩り」は旬の狩り物系アトラクションとしては、大変人気の高いコンテンツです。
その人気があまりに高いため、人気のあるイチゴ狩り観光農園では、週末などは開園前に順番待ちの列ができ、開園してわずかな時間で「入園終了」となってしまうことも少なくありませんでした。「千葉あそび」編集部はこの課題を解決するために考えたのが「午後からイチゴキャンペーン」です。
企画概要はいたってシンプルで、改善点は以下の2点。
❶予約制にする
❷その時間帯を午後からにする
です。
❶は、考えればすぐわかることです。キャラクタライズが活用されたのは❷です。
以下、その時に考えたキャラクターです。
行楽の主導権を握る奥さんをキャラクタライズしました。
このファミリーにイチゴ狩りをおススメするのに、何がネックになるかと想定すると
・イチゴ狩りを楽しむには都内からだと土曜日の朝早く出発しないといけなさそうです。
・パパは連日多忙で睡眠不足。休日の朝くらいはせめて少し寝坊してほしい。
となりました。
そこで、首都圏の働くお父さんが車で運転して来園できるように、「事前に予約」「朝は御寝坊しても大丈夫」と設定したのですね。
大切なのは「実感が持てる」こと
キャラクタライズにおいて妄想された項目がすべて使われることはまずないでしょう。では、それなのにどうしてここまで詳細をイメージする必要があるのでしょうか?それは、企画者が「実感」を持ちやすくなるからです。そして企画にかかわる人が「ああ、そうそう、こういう人いるよね~」とか「気持ちわかる!」と理解共感していただけるためなのです。
ちなみに、キャラクタライズで住まいを「西葛西」にしたのは、私が過去に西葛西に住んでいたことがあり、実感を感じて妄想が進みやすかったからです!ターゲットとしては東京東部全体を狙っていましたが、その中で、自分が一番なじむのあるまちに住む西葛西さとみさん一家というキャラを立たせてはじめて企画に推進力が増しました。
この「午後からイチゴ」企画は2015年第一回が大好評を得まして、その後の市の冬の定番企画となりました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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