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僕は"リア充"なのかもしれない。『大日本非リア充同盟 最期の一日』と、誕生日感謝観劇祭りを経て思うこと

太田守信氏の脚本、黒薔薇少女地獄シリーズは、人間の生き方を問うテーマがいつも心を掴んでくる

ここまでいくつか観劇しては、その度に想いをこうしてnoteに綴ってきたが、『大日本非リア充同盟 最期の一日』も、当然のように観劇したい願望が強くなった

9月は休暇が少なく体力に不安もあったが、前日まで状況を見極め、四谷三栄町へ行くことを決めた

9月10日 13:00  Bキャスト

8月の『きゅうきょくのニタク』から続けて三栄町LIVEに出演している今野美彩貴さん、鈴木真衣さんへ、素敵な物語をありがとうという意味も大きかった

今野美彩貴さん
鈴木真衣さん

僕が観劇した日はAキャストから中村樹子さんが入るスペシャル回であった

中村樹子さん

これまでの太田さんの脚本からは想像できなかったコメディ要素が満載で、初見のインパクトは強烈だった

個人的にツボだったのは、斉木香穂さんの通風口と「クックパッド」、中村樹子さんの自由すぎる部下沢、今野美彩貴さんのリコーダー、鈴木真衣さんの幹事長の台詞「埋立地ごと東京湾に沈めろ」といくつもある

斉木香穂さん

しかし最後には心に刺さる台詞と、生き方を考えさせられる展開が用意されている点は流石太田さんである

当日お迎えしたチェキ

同日17:00  Aキャスト

主演は真白ゆうみさん、華奢な身体から発せられる幹事長の威圧感がこれまでの穏やかなイメージを覆し、今後の活躍が楽しみになった

真白ゆうみさん
R5.9.17『アンカー』も観劇した

Bキャストよりも初見の役者さんが多く、またストーリーを一度通して見ているためにインパクトは及ばなかったものの、その分ラストのメッセージは確実に受け取ることができた


今回、そのメッセージは大きく二つあると思っている

ひとつは、"他人と比較しない人生"

僕自身、これまで自分を人と比べては羨んだり恨んだり、社会のせいにしたりという経験はいくらでもある

そのうち矛先は自分の能力や人望のなさに向けられ、絶望し、「死にたい」と思う結果になった

また恋は金さえ積めば思い通りになると期待しても、結局は金で繋がっているだけで、心までは通わせられない

実はつい最近まで思っていたことだが、好きな人に会いに行くにも東京へ行く時間的な余裕がなく、自分の都合をいくらでも変えられる人をまた羨んでいた

時間と金を掛ければ掛けただけ見返りが来ると思い込んでいた節は確実にあった

北十間茉里乃のメンヘラホス狂いの台詞は、聴きながら痛いと思っていた

しかしそうではないということをはっきりと言ってくれた人がいた

R5.9.24『東京GENO』真田林佳さん

「ファンの人、一人一人に対して思い入れがあるんだ」

配信の中でりんちゃんはそう言っていた

他人と比較するのではなく、自分が好きな人に対してどう考え、関わるか

必要なのはその人と出会った意味を考え、感謝の心で向かうことだと教えてくれたような気がする

ところで僕は7月、『013』初日の観劇後にSNSネームを変えた

仕事に追い詰められ自分を見失いつつあった7月、観劇に行って役者さんから呼ばれる名前、チェキやブロマイドに入れられる名前が、また自分でないことに大きな違和感を抱いていた

(好きなことをしているはずの自分が、自分でない)

たかがハンドルネームと思う人もいよう

個人情報をどこまで出せるかという限度の問題もある

それでも変えたのは、「僕は僕でいたいから」だった

このnoteには、僕の過去の傷や苦しみ、時には恋や性に対する劣等感まで記事にしている

こんなことは通常であれば人には言わず、墓場まで持っていくものなのだろう

しかし以前書いたように、「こんな人間でも生きていていいんだ」と思ってもらえたり、同じようなことで苦しんだ経験のある人の背中を押すことができれば本望だ

SNS上でも、「僕は僕でいたい」

そこに、自分でない名前を前面に掲げる意味はない

結果、今では気持ちが楽になった

僕は他の誰でもない僕である

僕がこんな人間であると分かった上で、言葉を交わしてくれる人がいることは幸せであり、有り難いことなのだ


そして、"リア充"と"非リア充"の定義

今月僕は誕生日を迎えた

一昨年までなら、仕事と家の往復だけで何ら楽しみのない日々を繰り返し、無意味にまた一つ年を重ね死へ近づいたと物思いに耽っていただろう

しかし昨年は違った

40歳になる節目に偶然出会った一人の女性

そこから今まで触れてこなかった小劇場の舞台を知り、新たな出会いが広がり、生きる楽しみを感じられるようになった

現在の御縁のほとんどが東雲あずささんと『ラチカン』がきっかけであり、元を辿れば直接彼女へ繋がっている

『ラチカン』A 東雲あずささん、橘明花さん、真田林佳さん、真白ゆうみさん
『ラチカン』C 東雲あずささん、吉水雪乃さん、山根風花さん、鈴木真衣さん

だが直接繋がっていない新たな御縁も、『さかいめ』『煙詰』『誤解のBar』を通して生まれている

『さかいめ』から、りこさん
『煙詰』から高野彩楓さん、政田圭敬さん
『誤解のBar』から今野美彩貴さん、村上えりなさん、ソラ豆琴美さん、石川美樹さん、石川航太郎さん

「この役者さんのお芝居が好きだ」「また会いたい」と思える人は、どちらの御縁にも確実に存在しているし、事実複数作品を観劇してきた

また7月の『ハレノヒカンタータ』、8月の『きゅうきょくのニタク』のように、知っている役者さんが1名2名しか出演していなくても、また回数を観られなくても、心を揺さぶる物語であればその記憶を記録として残しておきたいためにこうしてnoteに記事を立てるし、チェキやブロマイドといった物販も惜しみなく購入する

R5.9.3 エムキチラボ『楽屋』志水もえのさん
R5.9.17『正典 まなつの銀河に雪のふるほし』橘明花さん

終演後面会のある劇場では、直接感想や「ありがとう」を伝えたり、お互いに温かい言葉や気持ちを交わせたりする

この瞬間に、「生きていて良かった」と思うのだ

自分の生活だけを考えていたら間違いなく"非リア充"であり、変化もなかったのだろう

だが、今では観劇が趣味だと自信を持って言える

物語を通して生きる意味を考えたり、お芝居が好きになれたり、役者さんを好きになれたりする

楽しいと思えることをしているときの自分は、間違いなく"リア充"なのだろう


誕生日、メッセージをくれた美彩貴さん、歌ってくれたりんちゃん、ツイートにリプやいいねをくれた皆

心の底からありがとうと言わせてください

今月、皆と素敵な時間を過ごせた僕は、"リア充"だよ

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