出会えてよかった人。

わたしは大学生の時に、1年弱、ヨーロッパのオーストリアに留学しました。そこでの経験は貴重なものがたくさんあって、わたしの世界を変えてくれた出来事もあるし、いろんな人に出会えたことも、留学をしてよかったことのひとつです。

中でも特に、出会えてよかったと思う人が、その時付き合っていた人です。

いわゆる元カレですね。

簡単に彼の説明をすると、彼は正規留学生みたいな感じで、オーストリアの大学に在籍して、音楽を学んでいました。年はわたしの1つ上で、同じ建物に住んでいたことがきっかけで知り合いました。

彼に出会えてよかったと思う点はいくつかあるんですが、今回はその中の2つについて話そうと思います。

まず、彼のおかげで留学生活がとても楽しいものになりました。

わたしはよく、クールとかしっかりしてそうとかいう印象を抱かれるし、実際そういう面もあるので、わたし自身もそう思っているんですが、驚いたことに、留学してすぐホームシックになりまして・・・(まあ、しっかりしてるとか関係ないのかもしれませんが苦笑)

"自分はならないだろう"みたいな考えだったというか、ホームシックになるなんてそもそも想定していなかったので、当時、とても混乱していました。

ドイツ語は分からないし、相部屋の住人たちもいないから寮のことも分からないし、友達が出来ないんじゃないかとか、授業についていけるのかとか、不安だらけでした。

そんな時に、彼と知り合って、仲良くなって行くうちに、コミュニケーションをとる相手が出来たし、彼に会うのが楽しみだし、一緒にいるのが楽しくて、時間がすぎるのが早くなりました。

もしかしたら、あのままほっといても時間が経てば、新しい生活に慣れて楽しめていたのかもしれないけど、そのスピードをとても早めてくれたので、感謝しています。

学校が長期休暇の時は、一緒にヨーロッパの他の国へ旅行に行ったりもして、それもとてもいい思い出になっています。

2つ目は、彼のおかげで、新しい世界をたくさん知れたこと。

例えば、一緒に映画や作品を見るのが定番になっていったんですが、そこでわたしは初Netflixを体験したし、SF映画とか、昔の映画とか、ホラーとか、海外ドラマとか、自分1人だったら観ないジャンルの作品と出会いました。

昨年、TENETを観た感想やGOTの話をnoteに書きましたが、

ノーラン監督の作品と出会えたのも、彼がきっかけです。一緒にインセプションとインターステラーを観て、ハマりました。GOTも同じです。

映画だけじゃなくて(わたしとは違う分野に精通していたからなのかも知れませんが)、彼には他にもいろいろ教えてもらって、尊敬できる部分がたくさんありました。

そのうちの一つが"自分の手で作品を作る"ところ。

彼が音楽を作るのを専門で学んでいたこともあって、その制作過程を間近で見たり、時には発表に向けて協力して手伝うことで、作りたいと思ったものにむかって準備して、いろいろ形にしていく様子を近くで見られました。

その中の出来事で、最近特に"すごかったんだな"と思うのが「流行の先読み」をしていたこと。

当時のわたしは「？」ってなってたけど、今になって、やっとそのすごさを実感しています。

それがこれ。

これはチェキで撮った写真です。そこは割と普通で、この写真自体が凄いんじゃなくて、着眼点が凄かったんだなぁって。

その時彼は、こういうフィルムの写真とか、ビデオカメラとか、昔懐かしいもので撮影して、それを自分の音楽のMVにしようと考えていました。あとは、映像を鏡写し？にして不思議な感じにするとか。

わたしは、ふーんって思いながら見ていただけなんですが、今年になって、SixTONESのアルバムのこーち(髙知優吾)&(森本)慎太郎のユニット曲「My Hometown」でビデオカメラで撮影している様子＆その映像がMVになってるし、つい最近公開された星野源さんの「創造」では鏡写しに加工した映像が使われているしで、彼がやろうとしていたことと同じことを有名人の方がしているのを見て「おぉ〜」ってなっています。

[この1:16〜の正方形の映像とか、6:40で下から慎太郎が撮影してるのとか]

[この1:24あたりの左側に映っている足の映像とか]

別にそんな特別な技術ではないので、すごくないって思う人もいるかも知れませんが、わたしにとってはなんだか誇らしかったです。

初めて付き合ったのが彼でよかったと思うし、新しい経験をたくさんさせてもらったけど、ダメな部分もあったし、ムカついたこともあったと思います。(もう、思い出補正されて美化されまくって、ほとんど楽しかったことしか覚えてませんが・・・苦笑)

わたしが帰国するにあたって遠距離になるのがわかっていたので、帰ってくる時に彼とはお別れしました。

今でも思い出すし、また会いたいとも思うけど、期限があるのがわかっていたから仲良く過ごせたのかなと思うと、この思い出はこのままそっとしておいた方がいい気がしています。

でも彼は、間違いなくわたしの人生で出会えてよかった人です。