小規模山主がセンダンを植えた話①
「センダン」という木を、所有している山林に植栽したことについて書きます。
センダンは、20年ぐらいで収穫(早生樹)できるということ。林野庁の政策としてもセンダンのような早生樹の研究に少しだけ予算が組まれていること。熊本の方たち中心に積極的に植栽、育林、加工(家具)、に取り組まれていること。家具の産地大川でも積極的に活用検討されていること。を聞いて、我が山林にも実験的に植えてみようと考えました。
センダンとは、、大学時代からお世話になっている”葉でわかる樹木”によると、落葉高木で羽状複葉で互生する葉が特徴的な樹木とのことです。谷筋に結構自生していたり、たまに神社の境内なんかにも見かけます。
樹幹はこんな感じです。これは50年生くらいじゃないかとのこと(天草で)
センダンは葉はこんな感じです。この葉っぱは4年生くらいのです。
まず、実験的に、家の畑(家庭菜園)に6本、苗を植えました。あまりにも成長が早く、家庭菜園の野菜の生育に影響が出そうになってきたので、最終的に1本だけ残すことにしました。今、この1本だけ残っています。この写真は植栽後4年です。
センダンの木目はこんな感じで、ケヤキに近い感じです。昔はケヤキ風として家具に使っていたこともあるみたいです。今はやりのオークとかとはちょっとテイストが違いますね。重厚感のある感じです。
20年後、こんな用途に使えると、山主として潤います。センダンを使ったキッチンの吊り戸の扉と中間棚です。もうちょっとデザイン手間かけて欲しかったな、と思いました。(福岡大川の展示会で)
センダンは、スギヒノキに比べてあまりにも成長が早く、まっすぐ伸びる(家具材として使うには4m以上通直部分が必要)気がしなかったので、植栽・育林方法について天草のFさんにいろいろと教えていただきました。また、家具材としての普及に取り組んでいる家具の産地大川の方たちのお話を伺ったり、大学の研究室の方たちにも植栽予定地を見てもらったりして、勉強しました。
植栽地に選んだのは、20年前に父(前項参照)とぼくが山林所有者として勉強をするために、1haくらい、約60年生の山林を伐採した山林です。ここは、道から近くてとてもアクセスしやすい場所にあります。この山林が伐採したままになっていたので、森林組合にお願いして簡単な地拵えをしてもらい、センダンの苗を植えてもらいました。
ちなみに、造林補助金を使わせていただいたので、費用の3割ぐらいの持ち出しですんでいます。
地拵えする前の山林はこんな感じ。20年たって自然林としての遷移が始まっている感じです。
地拵えしてもらって、植えた後はこんな感じです。実験的な取り組みなので、道に近い側、谷側の0.1haに100本だけ植栽することにしました。
植えた苗にはピンクのリボンを巻いています。
センダンは、たくさん光を浴びて成長する陽樹なのですが、、こういう場所に植えた苗がどんな成長をするか、観察していこうと思っています。
そして最初の春が今年なのですが、芽かき作業を両親と僕とでやりました。芽かきってなにー?何のために?というのは追々書きます。簡潔に言うと真っ直ぐに育ってもらうための作業です。
芽かき前はこんな感じだったのを
ピンボケしちゃってわかりにくいですが、これだけ葉を取っちゃいます。一番上だけ残しました。これが正解なのかどうかはわかりませんが。
次に、下草刈りをやってもらう予定です。そして、夏の終わりごろに冬芽の芽かきをやる予定です。
どんな風に成長していくのか、とても楽しみです。
めちゃくちゃマニアックなはなしを読んでいただきありがとうございます。ぼくみたいな小規模山主が考えていることを通して、日本の森林が持つ課題に興味を持ってもらえると嬉しいです。