千品 喜嗣 /小規模な山主

1977年生まれ。紀伊半島に先祖代々所有し続けている山林をどうやって維持するか、次世代…

千品 喜嗣 /小規模な山主

1977年生まれ。紀伊半島に先祖代々所有し続けている山林をどうやって維持するか、次世代に繋げるか、ということを考えている小規模山主です。しかし、それでは食べていけないので、さいたま市に住みながら大手住設メーカーで仕事をしています。

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小規模山主がセンダンを植えた話③

久しぶりの投稿です。 最後の投稿が2020年2月なので、約1年もさぼってしまいました。 さて、2019年の春に植栽したセンダンの話です。 生育状態を確認してきました。 結果としては、 ・成長の良い個体はおよそ1.0-1.2mの高さに成長している。 ・動物の食害を受けたと思われる個体が数本(数本だけ抜き取られるものなのかは要調査ですが、写真のような状態を食害と考えました) ・上層木により日光を遮られる形の個体は著しく成長が悪い。高さ1mに満たない。80㎝程の個体も

    • 山林の境界と所有形態

      今回は、地籍調査の話と、山林の境界管理にスマホアプリ「geographica」が使えないか、試してみました。という話です。 地籍調査とはなにか、ご存知ですか?国土交通省の地籍調査Webサイトによると、「地籍調査とは、主に市町村が主体となって、一筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する調査です」とあります。 さて、我が家の山林所有形態にはいくつのパターンがあります。 ①土地と立木、両方所有している山林 ②土地を所有していて、他の人が植林している山

      • 小規模山主がセンダンを植えた話②

        はじめに「センダン」という木を、所有している山林に植栽したことについて書きます。 2019年(※2021年3月14日誤記修正)の春先にセンダンを0.1ヘクタールに100本植えました。植栽した経緯などについては「小規模山主がセンダンを植えた話①」に書いたので、もし興味があればご覧ください。 さて、植栽してから約1年がたち、どのような状況にあるか、備忘として記録しておきたいと思います。 生育記録まず、現状。順調に育っていると言ってよさそうです。 2019年の6月ごろに芽

        • 小規模山主がほかの地域の山林を見て学んだ話②

          僕が林業面白そうだな、と思い始めたてから、色々な森を見させていただいたり、お酒を飲みながらおはなしを聞かせていただいたりして、森林・林業・木材業について色々なことを学びました。そのことを前回の投稿 (https://note.mu/chenpine/n/n16408c61372d) に引き続きサラッと書いておきたいと思います。今回も特にオチがある話ではないですが、写真を眺めながら最後まで読んでいただけると嬉しいです。 ちなみに、表題背景の写真は林業とは何ら関係なく、ネパ

        小規模山主がセンダンを植えた話③

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        • 小規模山主がセンダンを植えた話
          3本
        • 小規模山主がほかの地域の山林を見て学んだ話
          2本

        記事

          番外/山主、海へ行く

          今回は山の話ではなくて、海で合板製シーカヤックの進水式をしました。という話です。なので、番外編としています。 シーカヤックの船体を自らデザインし、レーザーカッターで合板に出力し、組み立てて田辺湾を航海する活動をされている方がいると父から聞き、興味があったので組み立てキットを購入させていただき、挑戦しました。 といっても、僕一人でやったわけではありません。父とデザインされた方の3人で延べ1週間くらいかかっています。 このカヤックは、車にも積み込みやすいように3分割できるようにな

          番外/山主、海へ行く

          小規模山主がほかの地域の山林を見て学んだ話①

          僕が林業面白そうだな、と思い始めたのは2000年ごろです。その頃から今まで、色々な森を見させていただいたり、お酒を飲みながらおはなしを聞かせていただいたりして、森林・林業・木材業について色々なことを学びました。 今回はその時のことをサラッと書いておきたいと思います。今回も特にオチがある話ではないですが、写真を眺めながら最後まで読んでいただけると嬉しいです。 ちなみに、表題背景の写真は林業とは何ら関係なく、スイス・オーストリアあたりで撮った風景です。 奥多摩紀伊半島以外の森を

          小規模山主がほかの地域の山林を見て学んだ話①

          小規模山主が山を測ろうと思った話

          これは、17年ほど前、僕が23歳ぐらいの時の話です。そのころ、いろいろ考えて、林業の勉強をしようと思い、勤めていた会社を辞めて、勉強に励んでいた頃です。そして、父と一緒に山主としての活動の第一歩を踏み出したころでもあります。 なぜ、測らなきゃ、と思ったかというと、祖父の時からお世話になっていた山守さんと一緒に山を歩きながらお話ししているうち、「あれ?この方いなくなったらなにも* わからなくなっちゃうじゃん」と思ったことがきっかけです。 *なにも=山の場所、境界線、植えた経

          小規模山主が山を測ろうと思った話

          小規模山主の山林の話①

          家から最も遠いところにある所有山林の調査に行った話です。 特に落ちがある話ではないのですが、写真を眺めながら最後まで読んでいただけると嬉しいです。 ”遠さ”をイメージできるよう場所をGoogleEarth上にプロットしてみました。赤い線の長さが500m、「入口」のポイントで車を降りて歩いて入っていきます。ちなみに、「入口」ポイントまで家から車で1時間半かかります。 入口から黄色い線に沿って歩いていきます。約1km,、40分ぐらい歩きました。 その右上の、赤く網掛けしてい

          小規模山主の山林の話①

          小規模山主がセンダンを植えた話①

          「センダン」という木を、所有している山林に植栽したことについて書きます。 センダンは、20年ぐらいで収穫(早生樹)できるということ。林野庁の政策としてもセンダンのような早生樹の研究に少しだけ予算が組まれていること。熊本の方たち中心に積極的に植栽、育林、加工(家具)、に取り組まれていること。家具の産地大川でも積極的に活用検討されていること。を聞いて、我が山林にも実験的に植えてみようと考えました。 センダンとは、、大学時代からお世話になっている”葉でわかる樹木”によると、落葉

          小規模山主がセンダンを植えた話①

          先祖代々持っているの山林の事

          我が家の事を書きます。紀伊半島の南のほうにある田辺市というところに家があります。お寺に過去帳が残っているので、5代ぐらい前までは遡れますが何となく商売をしていた、ということぐらいしかわかりません。NHKのファミリーヒストリーに出てみたいです。 先祖はもともと商売をしていたようだ、ということですが、どういった経緯で山林を持ち始めたのか、正確なことはわからないのです。おそらく、始まりは炭焼き山(炭薪林)として山林を購入し、木(ウバメガシとか)を伐採して炭焼き職人さんに炭を焼いて

          先祖代々持っているの山林の事