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2年分のデジタル変革が2カ月で起きた。2022年卒の採用は?

コロナによって、知らない間に生き残りをかけた戦いのゴングが鳴らされ、
採用市場だけでなく多くの業界業種で対コロナの動きを余儀なくされた。

マイクロソフトの最高経営責任者であるSatya Nadella氏は
「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」

と言うほどである。

確かに、在宅・リモートワークが推奨され、
「オンライン○○」が至るところで勃発するようになり、
あらゆるオンライン○○に対して「ハック」と称したノウハウやあるあるが急激に広まっていった。

オンラインは間違いなくこれまで以上に身近になり、
その可能性を感じずにはいられない。
あらゆることがオンラインで対応できる可能性を示唆された。

一方で緊急事態宣言解除を待ちわび、
早くオフラインでの活動をしたい、と待ちわびている人もいる。

ここで今まさに2つの大勢がせめぎ合っているように感じる。

だが冒頭の言葉を思い出して欲しい。

デジタル「変革」が起きたのである。

間違ってもデジタル変化でもないし、デジタル対応でもない。
変革とは、「古いものを根本から変え新しくすること」である。

オフラインが日常のほとんどを占めていたのがアンシャンレジームなら
旧体制がどんなに抗っても新体制に敵わない。
過去に愁い懐かしむのが歴史上の関の山だろう。

では、ここからは採用という現場単位でこの変革がもたらしたものについて考えていきたい。そして可能ならば緊急事態解除後に待っているだろうオンラインorオフラインの論争に終止符をうちたい。

オンライン&オフラインの新たな境地

早々に結論を出すとしたらこれに尽きる。
もう一度お伝えしておくが、
「緊急事態宣言の解除=自粛の解除」ではないし、第2波、第3波の感染拡大の危険性とは常にとなり合わせの状態。この状況下で、オフラインの解禁を一斉に行ない、クラスター発生地となったらたまったものでははい。

従って少なくとも、もうこれまでの「常態」には戻れないのは間違いないし
採用において今後はオフラインでの対応のみに切り替えようとしても限界があるだろう。

よって「今後の選考オンラインorオフラインどちらにしようか。」
という悩み方そのものが意味をなしえないのである。
オンラインでもオフラインでもどちらでも対応できるように改めて制度設計しつつ学生にもオンかオフどちらがいいか、ということをヒアリングしながら選考を進める「オン&オフライン両軸対応」をメインにすべきではないだろうか?

気付き始めたオンラインの良さ

本来であれば以前の慣れた環境での再スタートを求める動きが一気に加速するはずなのに今回ばかりは一定数「現状維持」を求める声が多いことに気付く。

そこには一つ「オンライン」に慣れ始めたことへと「ソーシャルディスタンス」の心地よさが浸透し始めたのではないかと考えている。人間往々にして変化に適応する生き物でありながら、狩猟生活から農耕生活に切り替えたあの時から、変化を嫌い慣れを求める傾向にある。

そうなると上手く「非常事態」という変化に適応しオンラインが「常態化」しつつある現状に慣れ始めた段階で、オフラインで全面再開は、一見「元に戻る」ようでいて、現状から変化を強いることには変わりないのである。

さらに「beforeコロナ→withコロナ」への移行は物理的接触を排除するための必要性が社会的に主張され実施された。
一方で「withコロナ→afterコロナ」への移行は、パンデミックの収束こそあれ、オフラインを再開させる必要性が強く社会的に強いられることは少ないはずである。(再感染爆発の予防などの観点から)

とりわけ採用の場では急ピッチでオンライン選考を実施し、
試行錯誤しながらもオンライン選考の新たな可能性すら感じ始めたのではないだろうか?(厳密に言うと「意外とオンラインでもできちゃった。」という感覚かもしれないが…)

例えば学生からのメリットとしては、

・移動時間と移動費が減った。
(コスト削減。特に地方学生は顕著)
・事前準備やインプットが入念にできるようになった。
(空き時間が増え生産性が向上)
・無駄に緊張しなくなった。
(会社のエントランス、待たされる間に高まる緊張感の減少)
・人事が1人の人間として認識できるようになる。

※これは前回の記事で私が書かせていただいた学生と人事の目線の違いの話と共通しているかと思います。


一方企業にももちろんメリットはある。

・本社の拠点を問わず全国各地の学生と会える。(間口の広まり。)
・設営準備の手間が減る。(コストの削減と時間の生産性の向上)
・チャットやLIVEでの対応であればコミュニケーションも取れる。

両者にとって損ではない話のはずである。

もちろん両者にデメリットはある。
肌感覚での人格や、社風、社内の雰囲気が伝わりづらい。

というものである。
だがこれもいずれ解消することだと考えている。

後押しするデジタルトランスフォーメーション

再び冒頭のマイクロソフト社の発言に戻るが、これは変革であり、そうなると次のステップが待っているはずである。
先ほど言ったデメリットもこの次のステップで解消されると考えている。

その次なるステップとは、VR/ARの普及である。

今はまだ一部のスマートフォン機種やゲーム機、TV等にしか適応出来ていないが、この仮想空間、や拡張現実がこの「伝わりづらい。」という部分を解消するのである。

「そんなバカな!?」と思うかもしれない。
だが、1年前の私たちは、1年後には自宅で仕事を、採用活動をせざるを得ないと想像できていただろうか?

そう考えると、実現可能性が示唆されているだけ、未来への対策はできるのではないか?と思うのである。

売り手市場から買い手市場への転換の可能性

今回のコロナショックを受けて、経済活動は大きく停滞した。
旅行会社や航空会社などでは新卒採用の中止を余儀なくされた業界もあるだろう。

ただ一方で採用市場で不況の煽りを受けるのは、不況になった当該年度ではなく翌年になると言われている。よって22卒の採用市場は一気に買い手市場になる可能性もあると言われている。

そうなると企業はそんなに頑張らなくても学生を採用できる。と考えられるかもしれないがその結論は尚早に思える。

デジタルシフトが進む、且つ、いつコロナウイルスの再燃が起きるかも分からない。未確定状態が大きいなかで、就活をしていく学生は効率よく就活を行なう必要が出てくるだろう。

そうなった時にオンラインで就活を求める学生は今以上に増えうる可能性があるだけでなくよいコンテンツを準備出来ていない企業は逆に学生から見向きもされない可能性すら浮上してくる。

要するに、市場が逆転してもエントリーするか否か、接触を求めるか否かの主導権は学生にあるということである。

加えて団塊ジュニア世代もいよいよ退職が迫りつつある現状。
リーマンショックの時のような対応をすればいいとは訳が違うことにも留意する必要がある。

新たな時代の幕開けとして採用活動を見直すのもいいかも知れない。



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