Tomの映画忘備録

週に2本、劇場公開映画を観ることにしています。公開直後に、良かったものについて、そのポ…

Tomの映画忘備録

週に2本、劇場公開映画を観ることにしています。公開直後に、良かったものについて、そのポイントをコメントします。

最近の記事

宮田笙子の無念

宮田さんが五倫を辞退した原因は、飲酒と喫煙だと言う事だけど、処罰が重過ぎると思うよ。本人が辞退したと言う形にはなっているんだろうけど、これは実質処罰だよね。実際に犯している問題と処罰との釣り合いが取れていないと思うよ。ほんとに小さな頃からコツコツと努力してきたのに1回か2回の小さな過ちで晴れの舞台を失うと言うのはちょっと罰が重すぎるんじゃないかな。責任者が、このことで糾弾を受けるのを恐れて、過剰防衛に走ったと言われても仕方がないかもしれないね。本人とよく話し合って、反省の心が

    • 田中耕太郎の心変わり

      砂川事件の時の最高裁長官として知られる田中耕太郎の評伝を読んだよ。東大教授の政治学者の牧原出さんが何年か前に出したものだね。この砂川事件で、集団的自衛権が合憲とされているということが、安倍内閣時代の、集団的自衛権の部分容認の根拠となったっていう話を、当時自民党の重鎮だった高村さんが回顧録で書いているね。 この辺のところは立派なんだけれども、ちょっと気になったのは、教育基本法を制定するときのこの人の振る舞いだね。それまでは教育勅語を支持していて、戦後も続けるべきだと言っていた

      • 元のトランプのまま?

        トランプさんが共和党の大会で受託演説をしたけど、最初の20分までは団結を言っていたのに、後半から元のトランプのままになったんじゃないかとマスコミが言っているね。思うに、トランプさんは徹底的に変わったと思うよ。彼は、「神の道具」として生きることを、あの銃撃事件以降、心に誓っているんじゃないかな。変わってないのは、トランプさんのスピーチライターや側近たちと、聴衆だと思うよ。スピーカーと言うのは、どうしても聞いている人たちの言って欲しいことを言ってしまうんだよね。だから徹底的に神の

        • 共同体論としての葉隠

          奈良本辰也さんの現代語訳で「葉隠」を読んだよ。武士道とは死ぬことと見つけたりというのが有名だけど、通して読んでみると、これはコミュニティー論、共同体論として描かれているね。武士とは、決して1人で生まれてくることができないんだよね。やはり共同体があって、その共同体の中のエートス、精神性を吸って生まれてくるものなんだよね。特に、鍋島藩の場合は、誇り高き鍋島武士と言う伝統があって、その伝統を育む共同体がとても大事に思われてるんだね。この共同体の中心は、やはり「誇り」のようだね。そし

        宮田笙子の無念

          メタデ教会

          大阪西成区のドヤ街にあるメタデ教会のことを書いた「愛をばらまけ」を読んだよ。ここの西田牧師は、NHKで取り上げられたり、雑誌にインタビューが乗ったり、最近注目されているみたいだけど、やっぱり凄い人だね。人を殺した暴力団員を信者として受け入れたり、ものすごいトラブルメーカーを抱え込んだりして、教会が壊れそうになるくらい揺さぶられても、それをバネにして、教会の信者そのものが1段も2段も成長していくと言う事は本当に感動的な話だよね。宗教的コミュニティーと言うのは、愛を施すことを通じ

          仏教と武士道

          マックスウェーバーの中に、「ヒンドゥー教と仏教」と言う本があるんだけど、前に買ったまま読んでいなくて、最近ようやく読んだんだよ。この本の最後のところで、日本の仏教について書いてあるんだけど、日本仏教の担い手は、武士だったと書いてあるのには驚いたよ。日本の仏教の本を読んでも、こういうことを書いてる人はいないからね。そして、日本の歴史の中で、武士は常に「自由の民だった」とも書いてあったよ。この自由性をさらに磨いていくために、仏教の精神的な修行が武士にとてもフィットしたようだね。そ

          仏教と武士道

          JDバンスの悲哀

          トランプさんが副大統領候補にJDバンスって言う人を選んだね。この人はベストセラー作家でヒルベリーエレジーと言う回顧録を書いてるけど、それがNetflixで映画化されているのを見たよ。結論から言うと、ラストベルトの悲しみを描いた作品なんだよね。 看護婦をやっているお母さんが薬物中毒になってしまって、どんどん壊れていくんだよね。そしておばあさんに育てられるんだけど、この壊れた家庭の悲しみが伝わってくる作品だよ。バンスさんは、この家庭が壊れる悲しみをたっぷり味わって育った人で、そ

          JDバンスの悲哀

          石丸の毅然

          都知事選で次点になった石丸伸二さんの事が話題になっているけど、みんなこの人が一体どんな本質を持っているのか、よくわからないみたいだね。思うに、この人は、武士道精神の人だと思うよ。この人の本に覚悟の論理と言うのもあったし、安芸高田市での市民集会で、住民に覚悟って言うことをよく言っていたよね。これはまさに武士の論理だと思うよ。だけど、マスコミは、武士ではなくて、市民的論理でアプローチするから、全くわからないんじゃないかな。武士と言うのは、市民と重なるところもあるんだよね。誰でも武

          トランプの恍惚

          トランプさんが暗殺未遂事件の後で、ミルウォーキーでの共和党大会に姿を現したけど、うっすら涙を浮かべて、ニコニコと笑っていたのは、いつものトランプとは違うとマスコミが言っていたけど、あれは神に生かされていることを実感した、恍惚の表情だと思うよ。 自分も救われたけど、アメリカそのものも救われたと言うことを本当に感じたんだと思うね。アメリカはまだ神に祝福されている、神はまだアメリカを見捨てていない、そして自分自身は、これから神の道具として生かされているのだと言うことを知った喜びじゃ

          トランプの恍惚

          映画 ある一生

          神を信じない男は、本当に幸福になれるのだろうか。 この映画の最後では、主人公が実は、まだ生まれてから一度も神を信じたことがないと独白する。神を信じない男は本当に幸福になれるのだろうかということを、逆説的に描いたのがこの映画のポイントだと思う。 この主人公の幸福は、マリーという女性と出会って恋に落ち、結婚して家庭を持ち、子供が生まれる直前で止まってしまった。その後、戦争に行ったり、いろいろするんだけれども、幸福を求めるという意味では、この男の意識はここでずっと止まっているん

          映画 ある一生

          クレオの夏休み

          家族の大切さがとてもよくわかる映画 この映画の素晴らしいところは、家族がなぜ必要なのかとてもわかりやすく描いている点ですね。クレオは6歳の一人っ子ですけれども、黒人ベビーシッターのグロリアの故郷(アフリカ東海岸の島国・カーボベルデ)へ行きます。このグロリアという黒人の女性は、クレアがまだ赤ん坊の頃からベビーシッターをしていて、実質的にはクレオのお母さんです。グロリアは、シングルマザーで2人の子供(娘と息子)を育てていて、そして、このグロリアの娘に子供が生まれるのです(シング

          クレオの夏休み