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本の感想文をメインに、いろいろ書いていこうと思います。アイコンは水族館で出会った小さな命。

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【読書感想文】本当の声なき声とは『52ヘルツのクジラたち』

52ヘルツ。 それは、他のクジラには決して届かない周波数。仲間とすれ違っても気づいてもらえず、孤独の海を彷徨いながら、どこにも届かない声で歌うクジラによく似た人たちのお話。 『52ヘルツのクジラたち』 著者は町田そのこ。 まず、本を読み終えての率直な感想が「ツラい……!」 心のまま書いた私の感想を見る前に、できることなら何の先入観も前情報もなく、このお話に触れてほしい。生身の自分で感じるものを大事にしてほしい。そう思いますし、少なくとも私は、そんな読み方ができて良かったな

    • 毒親育ちが努力の先に得たもの

      毒親、という言葉は最近、かなり浸透してきたと思います。 「毒」と聞くと、とんでもない暴力を振るうだとか、怒鳴りながら罵倒するだとか、ドラマかと思うほど酷い家庭環境が想像できるのではないでしょうか。 だから、私はこの言葉で自分の親を説明するのが苦手です。 たぶん、毒親、なんだと思う。 自分でも未だに踏ん切りがつかず、けれど自分なりに努力して生きてきた先で、「あのときのあれは嫌だった」とは、思えるようにはなりました。 書いて、少しでも自分の中で消化できるものがあれば。 誰か

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      • ライターが学ぶべきは、技術力ではなく「感動力」だ!『伝え方が9割』

        感動力!とは。 noteに投稿される方は、伝えたい内容を、文章に起こすことができるでしょう。 ただ、それが「人に読まれるか」となると、また特別なスキルが必要なものです。 長い文を書いたところで、それを全て読んでもらえるとは限らない。 ならば伝えたい部分だけを 簡潔に・印象づける・興味を惹ける文章が書けたならば。 そしてその技術を、天性のセンスではなく、学びで身につけることができたなら。 *** こんにちは。しいらと申します。 いかがでしょうか、今回のタイトル。少し

        • 【読書感想文】地獄から救い出してくれた「読む」カウンセリング『がんばることをやめられないーコントロール出来ない感情と「トラウマ」の関係ー』

          今回は「生きづらさ」をキーワードにした本の紹介です。読んでる最中に、何度も涙が止まらなくなるような、とても優しい本です。 『がんばることをやめられないーコントロール出来ない感情と「トラウマ」の関係ー』鈴木裕介 私自身、生きづらさというものは日々、なんとなく感じています。でもどこかで 「そこまで大したことでもなかったような気がする」 「ここまで生きづらさに苦しめられるような原因なんて、なかったと思う」 ……と、原因に対し過剰反応しすぎなのでは、と自己嫌悪している部分もあ

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        【読書感想文】本当の声なき声とは『52ヘルツのクジラたち』

          周囲の大人に「向いていない」と言われた私が教師を目指した話

          私の人生で、親に歯向かうというコマンドが選択肢に出てきたのはほんの数回でした。 別に私は衣食住に苦労を強いられたわけでもなく、勉強についてとやかく言われたわけでもありません。 ならば特に歯向かう理由もないように見えるかも知れません。が、内気な性格もあり、親が怖くて抗えなかった状況の方が多かったのもあります。 その数少ないタイミングで抗った一つが、大学受験についてです。 「アンタの性格で、先生なんてできるはずがない」 ……ハイ。 言いだしたとき、すぐさまぼろくそに叩きの

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          【読書感想文】人を想うことの悩ましさ『また、同じ夢を見ていた』

          また素敵なお話に出会うことが出来ました。 『また、同じ夢を見ていた』住野よる この著者の作品は、随分昔に『君の膵臓をたべたい』を読んでから二作目になります。たった二冊読んだだけではありますが、思いました。私、この方の作風が大好きです。 お話の主人公は、小学生の女の子。 それも自他共に認める賢い女の子です。 『君の~』でも思ったんですが、この著者の書かれる登場人物、台詞の言い回しが賢いんですよね。頭の回転が速いというか、誤解を恐れず言うと……こざかしい、と言うか。 「へ

          【読書感想文】人を想うことの悩ましさ『また、同じ夢を見ていた』

          動けない=やる気がない、ではなかった!行動を変える心理学

          行動心理学、というものをご存じでしょうか。 こちらは心理学の一種で、人の行動のメカニズムを学んでいく学問です。 例えば「やる気があるのに行動に移せない」といった現象。 勉強や家事、仕事でもなんでも……人は誰しも身に覚えがあると思います。こちらの現象に、“その人にやる気がないから”以外にちゃんと理由を提示できるのも、行動心理学です。 今回、そんな行動心理学を一冊の本と共に紹介したいと思います。 『めんどくさがりの自分を予定通りに動かす科学的方法』竹内康二 タイトルが妙

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          【読書感想文】読むべきは「あなた」か、それとも「アホ」か。『頭にきてもアホとは戦うな!』

          『頭にきてもアホとは戦うな!』田村耕太郎 タイトルからして強烈なこの一冊。 サブタイトルには“人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法”ともあります。 内容としては、割とよくある(?)生き抜くための自分の心の在り方と、著者の実体験を踏まえた具体例といったところ。断定的というか、語気が強い印象です。 そして驚くなかれ、「はじめに」の数ページだけでアホというワードが十四回ほど出てきます。アホのゲシュタルト崩壊。 さて「アホ」とは戦うな、とありますが、この

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          【読書感想文】正しさがわからなくなる物語『人魚の眠る家』

          読書ブームがきてから初めて、東野圭吾作品を読む。 『人魚の眠る家』東野圭吾 これまで書くのは好きだけど活字を読むのは苦手……とよくわからないワガママを通してきた私は、著者の名前やタイトルを知るばかりで作風などは一切前情報もなく、ただただ新鮮な気持ちで読ませていただきました。 正直、この本の感想を言語化するのは難しいなぁ、というのが本音です。他の方の感想もあれこれ覗き見しつつ、自分の感情は「恐ろしい」とも「感動」ともまた違うんだよなぁ、と唸るしかありません。強いて言うなら

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          もっともシンプルに「バレットジャーナル」を使いこなす

          バレットジャーナルというノート術をご存じでしょうか。 これを開発したライダー・キャロルさんの本によれば「人生を変えるノート術」。時間を上手く活用し、人生をよりよい方向へと導く、自分のための一冊のノートを作り出す技術です。 ノート術は以前からインスタなどで流行っていて、やたらとお洒落に飾られたスケジュール帳や日記帳などを私も見ていました。バレットジャーナルで調べても同様に、お洒落なノートがずらっと並んでいたりします。 以前、この方の本を読む前にも私は、このバレットジャーナ

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          【読書感想文】絶対に読み返したくなる『早く読めて、忘れない、思考力が深まる「紙1枚!」読書法』

          読書感想文なんてものを、大人になった今になってようやく楽しんでいる。 これまで私は読書というものとほとんど全く縁がなく「漫画なら楽しく読めるのに」くらいに思っていました。読書とは頭のいい人が、本と共にゆったりした有意義な時間を過ごすこと、というイメージすらあったほどです。 以前『52ヘルツのクジラたち』という小説の感想を初めて書きました。 そのときに「本当の声なき声とは」とタイトルを意気揚々と書いた覚えがあります。この視点はちょっと人とは違うんじゃない?フフフ、的な(笑)

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          【読書感想文】幸せは自分で生み出せる『自分を勇気づけるアドラー心理学7つの知恵』

          アドラー心理学、というものをご存じでしょうか。 以前、アドラー心理学にまつわる『嫌われる勇気』という本を読んだことがあるのですが、これがめちゃくちゃ痛快で、人によってはグッサリ心に刺さります。悪い意味で。 アドラー心理学で「人はいつだって幸せになれる」と考える哲人と、「そんなわけあるか!」とそれに真っ向から噛みつく青年の対話形式の内容なのですが、とにかくずっと2人がケンカしてるんです。 例えば青年が、 「カフェで店員がコーヒーを溢したら、ついカッとなって怒鳴ってしまった

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          【読書感想文】塾講師や家庭教師をする大学生は読んで!『「意味順」式 イラストと図解でパッとわかる英文法図鑑』

          いきなり自分語りなのですが、私実は、大学で英語の教員免許を取ったり、塾講師として10年以上働いたりと、結構英語の先生としての経験がございます。なので、英語はそれなりにわかるつもりです。(文法とかね) そんな塾講師が「授業で生徒に話したいこと」がぎっちり詰まっているように感じた本がこちら。 『「意味順」式 イラストと図解でパッとわかる英文法図鑑』 著者は田地野彰。 これ、1塾講師としてめちゃくちゃおすすめです!特に、塾などでバイトをしようと考える「ちょっと中学英語が曖昧に

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