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🤱【あなたの為を思って】という罠〜入信 777

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私の性格、行動、チック症(?)を治そうと、体操、玄米菜食、YOGA、真向法、催眠療法、種々の健康法、教育法と試し続けていた母が辿り着いたのは新興宗教だった。
私の何が母の気に入らないのかは解らないけれど、母はいつも私に直接向き合うことなく解決策を外に求めていた。


現在は記憶力が低下しグループホームで生活している母だけれど、それでも時々思い出しては「行かなきゃ」「お金を納めなきゃ」と言うことがある。
今も信仰していれば丸50年以上。
母が実際に通っていたのは46年くらいだと思う。


カルトではないし、教義は過激ではないし、政党とつるんでもいない。
人と和せよとか、夫婦仲良くとか、子どもは親の言うことをきけとか、子どもは褒め育てとか、どちらかというと穏やかだと思う。
壺も数珠も買わされない。
有名芸能人や財界人でも信者だった(今は知らない)方がいらっしゃる。


信仰し、通うことで、運命が変わるそうだ。
遺伝を変えられるのは「ここしかない」そうだ、知らんけど。
小6にして既に捻くれている私なんかは「遺伝が変わった」と思い込むこと自体が遺伝で決められてるんじゃないの?と眉に唾してしまう。
母、弟、妹は私より半年くらい前に入信していたらしい。
父には内緒。
決して早く入信したかったワケではないけれど、「はいはい、私は又ハブられていたってことなのね」と弟•妹を妬んだ。


信仰を得た母は活き活きとしていた。
「子どもは親の言うことをきかないといけない」「成績を上げようと思ったらお手伝いをしないといけない」「先生に好かれようと思ったら親に好かれなくてはいけない」……
水を得た魚のように、私への支配に熱がはいる。


確かにそのような教えはあった。
でも親に対しても「子どもの良いところを見つけましょう」「子どもを褒めましょう」「子どもをそのまま認めましょう」と仰っていた。
母の耳は完全に「勝手つんぼ」だった。
※勝手つんぼ=自分の都合良いことしか聞かない人。
「つんぼ」は差別言葉だとして、通常は「耳の聞こえない人」と言い換えます。


私には更にお手伝いが課され、母の中には「国語が得意になるには……」などの細かい教えが蓄積されていった。


ところで、急にできなかった逆上がりができたり、跳べなかった跳び箱が跳べたりしたことはないだろうか?
自転車もそう。
「何だか今ならできそう」という感覚。
そして本当にできてしまう経験。
私には勉強や運動や交友関係において、小5の後半にその感覚が降りてきた。


急にドッジボールが怖くなくなっただけではなく、「ボールを受けてやろう‼︎」という気力が湧いてきたら、他の球技も得意になった。
引っ込み思案の私が児童会に立候補し、立会演説会で喋った。
算数の考え方が一つ解ったら、他の教科の成績も上がってきた。


担任は産休で変わったけれど、6年生のクラスは持ち上がりだから、交友関係にも成績にも苦労をするどころか、益々得意で楽しくなってきた。
クラスでイベントをするときに演し物の提案をしたり、シナリオを作ったり、母に虐げられて凹んでいた私は生まれ変われたかに思えた。


それでも母は私に満足しないどころか、成績が上がったのも積極的になったのも「信仰して遺伝が変わったお陰」だと言う。
私、努力したんだけどな。
比較の対象が近所の子どもやクラスメイトだけではなく、信仰しているご家族の子どもさんにまで広がり「あそこの○○ちゃんは……なのに」「●●君は……なのに」と、私はいつまで経っても「それに比べて……」と思われ続ける存在だった。

お母さん、私、努力したんだよ?
だって、いつも頑張っていないと「本当はもっとできる筈なのに」「やればできる子なのに」って言うでしょう?
でもね、やってもやっても「もっと、もっと」って終わりがないの。
私と向き合おうとしてくれたことってある?
別に望んではいないけれど……





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