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Toxic relationship についての考察①

長い間、一人の人へ抱き続けていた感情がだいぶ薄れてきた。ということに気がついたのは、8ヶ月間の友人期間を経て、ようやく、今のパートナーに両腕を広げ「私のことを愛してほしい」と伝えられた時だった。

Toxic Relationshipってなんでしょう?私にとってそれは、長い間私を苦しめ、私自身も相手のことを長らく苦しめたであろう、どんなに努力や愛情を注いでも修復できない関係のことです。

大きな特徴に、ジェットコースターのような感情レベルの起伏があります。

お互いにうまくいっている時は、恋人と親友が両方同時にできた!と歓びと愛情に溢れ、多幸感が指の先まで沁み渡るよう。
「この幸せにはいつか終わりがくる」と頭の中でわかっていたとしても、です。

そして相手に拒絶された時、感情はもはやコントロールできません。
脳に迫り上がる怒り、混沌、慟哭、殺意、憎しみ、喉が潰されるようなストレス。

それでも相手が私のもとに戻ってくると、憎悪がふっと愛情に変わる。しかし、ふたたび相手を受け入れたとて、不安との葛藤が終わるわけではなく、一度壊れた信頼関係を取り戻すために自分に嘘をつきはじめます。
心の中ではわかっているの。何をしてもうまくいかないだろうと。
それでも何とか、何とか今回こそは、と、自分を騙し、相手に受け入れてもらおうともがくうちに、本当の自分がわからなくなり、エネルギーレベルが落ち、相手への慢性化した不信感をごまかすようになります。
そのうち、相手と一緒にいる時のごまかしの自分と、友人や家族といる時のありのままの自分がわからなくなり、境界線があやふやになります。で、知らないうちに心が疲弊していきます。

こんな恋愛をしたことある人っているんでしょうか。
わからないけど、もし誰かが似たような恋愛に苦しめられ、自分も相手のことを苦しめている自覚があるのなら、私もそうでしたと手を握りたいです。

自分が外国に住んでいることもあって、当時の私が相談していた友人たちはみんな外国人なのですが、ほとんどの友人に「それはToxic relasionshipなのではないか」と言われました。
とまぁ言語化されてみると、かなりしっくりくるのが不思議なところ…。
Toxicというと、ブリトニースピアーズが脳内で踊り始めちゃうよ〜〜〜〜くらい日本生まれ日本育ちな私にとって、その言葉じたいが新鮮な響きだったのを覚えています。

QuoraやRedditで目が充血するほどToxic relationshipについての投稿を読み漁り、Youtubeでの解説動画を通勤中の車内で流し、インターネットの海で似たような体験をした人たちの指南書を朝まで読みまくりました。
これだけToxic relationshipという言葉が英語圏で浸透されているのにもかかわらず、日本語だとコスモポリタンの日本語訳記事のほかに、関連した読み物はでてきません。

Toxic relationshipが日本語に訳しにくいのも一つの原因なのかな、と思いますが、ストレートに「有害な人間関係」と訳してしまうのは、自分にとって違和感があるのです。
相手が100%悪いわけではなかったし、私が相手のことを意図して傷つけた時もありました。いっときでも相手に対して深い愛情を抱いたことだって、もちろんあった。

彼と出会い、デートをはじめ、別れと修復を繰り返し、最後には私からあらゆる連絡手段をブロックし、それでもたまにジムで会ってしまうことがありますが(バンコク、狭すぎ!)、彼に対する負の感情が少しずつ消えてきています。
出会ってから2年経ったいま、相手に思うことは特にありません。憎しみや嫌悪から解放されつつあるけれど、幸せになってほしい、とまでは願えない。私との破茶滅茶な関係から何かを学んで、誰か他の人を愛せるようになってほしい、とまでは願えない。
相手がこの世に存在していることを、認められるようになった。そして、私は自分自身の人生に向き合えるようになった。

だから、Toxic relationshipについての私の体験談を日本語で書こうと思いました。
前に進むために、破滅的だった私をみとめ、過去に置いていくために。

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