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今こそ変えていかない?大企業が陥る【負のインフルエンサー理論】

大企業が陥る病にはいくつか種類があります。
視野狭窄(きょうさく)、意思決定遅延、過度のヒエラルキー、部署間バトル、顧客は二の次など。

そこで僕は「負のインフルエンサー理論」というものを考え、その理論から大企業病を判断するようになりました。

この理論の内容と、理論を踏まえ今後企業はどうすべきか記事にしました。

1 インフルエンサーの本質

インフルエンサーとは、「社会や他人の行動に大きな影響を与える人」と定義します。

ユーチューバー(YouTuber)やインスタグラマー(Instagrammer)が、インフルエンサーの代表例ですよね。

他人の行動に大きな影響を与えるということが、インフルエンサーの本質

この本質は、購買行動にも大きな影響を与えるため、インフルエンサーをマーケティングに活用するインフルエンサーマーケティングも盛んに行われています。

ここで、インフルエンサーの定義の「行動に大きな影響」のところに着目すると、「誰が」「何を」(国語で言う主語と修飾語)という要素が見えてきます。

この「誰が」というのは当然インフルエンサーであり、「何を」はインフルエンサーが発信すること、紹介するモノや言動であったりします。

「何を」については、何でもよくて、インフルエンサー次第です。もともと興味のない物であっても、インフルエンサーが使っている物であれば、多くの人は興味・関心を持ちます。

インフルエンサーによる商品紹介のライブ動画を見ながら、視聴者は商品を購入するライブコマースがその例でしょう。

つまり「誰が」>「何を」という式が成り立つ。

「誰が」というところに価値があり、「何を」自体はさほど重要ではないということです。

2 「負のインフルエンサー理論」

会社組織の構造には階層型、フラット型、マトリックス型などがありますが、日本の多くは階層型です。

前述したインフルエンサーの定義である「社会や他人の行動に大きな影響を与える人」を会社にあてはめると、インフルエンサーとは、部長や役員、社長など階層の上位にいる人になります。

会社の場合、階層の最上位が社長であり、社員の仕事に最も大きな影響を与えるインフルエンサーと表現できます。

階層の上位に行くほどフォロワー数が多くなり、他人の行動に大きな影響を与えます。

そして、インフルエンサーが社員の仕事に大きな影響を与えるということは、プラスにもマイナスにもなるのです。

素晴らしい経営能力、先見性やカリスマ性がある社長達は、プラスの影響を与え続けていることでしょう。

しかし、社長や役員、部長などがマイナスの影響を与えていることも多くあるのです。会社で働くかなりの人がマイナスの影響を体験していると思います。

行動にマイナスの影響を与える人たちが「負のインフルエンサー」なのです。

ここで「誰が」>「何を」という式を思い出してください。
「誰が」というところに価値があり、「何を」自体はさほど重要でないことも書きました。

これが「負のインフルエンサー」の場合、「社長の言動が絶対であり、ただの社員が正しい発言・行動をしようが意味をもたない」ことが起こります。「社長」>「正しいこと」です。これは超マイナスであり、組織として危険な状態です。真実が葬られたり、利権の奪い合いなどにもつながります。

マイナスは一時的であればいいですが、「負のインフルエンサー」の力が拡大し、その影響を受け続けることになれば、モチベーションが奪われたり、思考停止し社畜になったり、精神を病むおそれもあります。

そして大企業ほど負のインフルエンサーの力が大きく影響力もあるのです。これが負のインフルエンサー理論です。

もちろん、大企業だけでなく、中小企業にも負のインフルエンスは起きています。

会社という組織に所属する以上、ルールや命令に従う必要があります。負のインフルエンサーの影響を受けつつ、自分の気持ちを抑えて働かないといけない人がほとんどでしょう。

大企業は経営資源が豊富で、圧倒的なスケールがあったり、福利厚生が充実、安定していたりいいところも多いです。しかし、いいところに甘え過ぎると負の側面が出てきます。

3 負のインフルエンスをなくすために

負のインフルエンスをなくすためには、負のインフルエンサー達自身の気づきが必要です。

変化に対応していない会社は、村社会の面が強くあらわれます。出る杭は打たれる。メガトンハンマーを装備して強烈に打ってくる人もいるでしょう。

そういったことから、自分より階層が下の人から言われたとしても、聞く耳を持ちづらい。自分より階層が上の人から言われた場合でも、聞いたフリをしただけで、根本は変わっていないことが多いです。

負のインフルエンサー達の多くは言います。「自分たちはそうして今までやってきたんだ!」と。自分ベースでの比較が根底にあります。

自分自身で気づくためには、日頃から振り返りしたり、読書したりして自分をアップデートする必要があります。

最近は社会に出てからも勉強するなど自分をアップデートしている人が多くなっているように感じます。

しかし、大企業のいいところが当たり前になっている人などは、アップデートを怠り、良くて現状維持です。

そのため、私たち中小企業診断士などが、第三者の立場から介入し、気づきを促すことが求められます。

気づきだけでは足りない場合もあります。負のインフルエンサー達が気づき行動を変えるまでには時間がかかります。

組織構造や仕組みから変えていくことも考えなければなりません。ティール組織のような組織に変えていくことも必要でしょう。

組織を変える=改革を伴う。そして、改革には想像を超える大きなショックが必要です。コロナショックは想像を超える大きなショックです。これをチャンスと捉え、今までの常識や働く一人ひとりの在り方を見直し、改革にトライする会社が増えれば社会にとって良い変化となるでしょう。

また、この「負のインフルエンサー理論」が広まることでも、負のインフルエンサー達自身の気づきにつながると考えています。

働く人にとって自分らしく、少しでも豊かになれるよう僕も頑張ります。


ではまた!

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