見出し画像

Art Fair Tokyoを訪れて。私の創造の方向性が少し見えた(気がする)

2023年3月10日〜12日に、国際フォーラムで開催されたArt Fair Tokyo。
最終日のお昼に訪れたのだが、今のこのタイミングで見に行った感想を残しておきたいので、備忘録としてメモのような記事を書いておきたい。

まず、今回この展覧会にいきたくなった目的があった。
「自分の方向性を探るヒントが欲しかったから」だ。
クリエイティブについて模索している今の自分は、一体何に意識を向けてしまうのか・その理由がなんなのかを探ることで、感覚的に今欲求が向く方向の具現化に少しでも近づきたかったからだ。
だから、あえて作家のプロフィールを調べたり、作品の詳細な説明を調べたりしなかった。作品以外の部分から得られる情報があった方が深く鑑賞できるだろうが、今回の目的に合わないと思い、自分の意識の向け先に注意を払ってみた。

と、それっぽい理由を言ってみたが、人混みの中ではじっくり鑑賞できないし、全ての作品をじっくり鑑賞するには集中力と時間が足りないという理由から、その鑑賞方法がいいんじゃん?としたことが、正直な話である。

感想になるが、そう、人が多い問題。
作品に意識が向けられない。人の流れが、身体的折衝が、目線が、声が、言葉が、私の鑑賞の邪魔する。
パーーーっとみて、気になるもの以外は本当に軽くみて、早く出たいと思った。早く出て、落ち着いたカフェで、ブラックコーヒーとチョコレートを食べるぞと、鑑賞し始めてすぐに心に誓った。(そして今それが実現し幸せに満ちている。チョコしか勝たん)

気になる作品はいくつかあったのだが、振り返ると私が一番注意を払っていたのは、この展示会に出展・鑑賞しにきていた人々だったと思う。
人々の外観(服装・髪・アクセサリーなど)、顔つき、年齢、性別、国籍、話す内容や声のトーン等、そこに意識の多くは向いていた。
そして、
一緒にいる人との関係性はどんなだろう
何の目的でここにきたのか
この人は造詣深い人なのか、はたまたミーハーさんか
好きそうな作品は何か
などなど、、、その人を勝手に想像して楽しんでいた。
だから、そう言った理由から、作品をちゃんと鑑賞なんてできてない。
加えて、正当な評価を下せるほど知識もないし、チョコ食べたいし、てゆううか花粉すごくて体が重いし、人混み本当にやめてほしいし、、、のようなあらゆる方向から言葉が飛び交う会話が頭の中でいつものように繰り広げられ、とにかく注意散漫だった。

ただ、人鑑賞の中でも、自分が目を引く人には特徴がある気がした。
その点は後ほど触れたいが、そこからも自分が今何を求めていて、何を美しいと思うか、は見えてきている気がする。
なので、本来作品を鑑賞する場である展示会で人をたくさん観察してしまったことは、今の私には起こるべくして起こった自然な行動であり、そこからどのような洞察を得るかが大事だと思っているから、そんな自分の行動をあまり責めないことにしようと思う。

気になった作品を撮ったので、添付しておく。



写真で作品が醸し出す魅力を伝えることは無理だとわかっているので、どんな作品が気になったか忘れないようにするためという目的で写真は撮っており、角度とか光の感じとか、適当である。ご容赦ください。
撮っている時・振り返っても思うが、私は静的な絵よりも、より立体感のある造形物に興味を示した。
魅力を私に感じさせる要素は何なのか、
制作の手法、使われている素材、色味、凹凸、光の輝き、それらをうまく駆使して伝えたいメッセージを表現しているのだろうが、より多くの情報を与えられることと、「異質な物体」が現実と混在する空間に違和感があり面白みを感じた。人間が作り上げる日常世界に、作品が確かにそこに「在る」ことで、世界を日常から離してくれる。造形物にはそのような効果があるように思った。



特に、ガラスを用いた作品が個人的には好きだった。画像で撮ったのでファイルで添付しておく。
作家は松宮硝子さんで、ガラスを用いて空想上の存在を創り出している方とのこと。動画の作品がそれだ。
生物学で学んでいたときに見ていた、細胞分裂や神経細胞の伝達を思い出す。私が生物学的な観点で人を表現してみたいという欲にもあっている気がしているのと、ガラスという素材であるという繊細さの演出、ガラスと光が生み出す艶が触りたくなるような質感をみて、純粋に美しい作品だなと思った。
ガラスを熱し、狙った部分に空気を入れることで創るのだろうか。一塊のガラスが伸びたり膨らんだりと形を変える制作の過程を想像し、その結果触手を伸ばすように生命体のような存在に姿を変えていくのだろう。それが未知の生命体なのだろうが、どこか我々人類や既知の生命体と共通した何かを持っている気がして、どこか人事ではない感覚がした。
異質すぎると全くの生命体とみなさない・気持ち悪さを感じるものだが、異質だが共通した要素と美しさを備えもつ作品だなと、思った。

他にも、自分が好きなものの特徴として、
・塩ビや砂絵具を使う作品は割と気になる
・光の三原色を想起させる作品は好き
・ぼんやりしたものより輪郭がはっきりしたものが好きかも
・キャラクター作りたいからか、キャラクター見がち。その中でも手足が長いものが気になる
・目に意思が宿っていそうな作品は好き、死んだ目か、虚ろな目か、反抗的な目か、めっちゃキラキラ浮世離れした目が好き
などなど、気になったものにはある程度共通点があると思っている。

私が好きなキャラクターのフォルムは「手足が長い系」であると最近思っているが、確信したような気がする。
最初に述べたように、干渉しにくる人々に目がいってしまったと伝えたが、私が気になる人は、手足が長くすらっとしたスタイルの人々であった。
長いものがゆらゆらと揺れる動作は、気になってしまうし、見惚れてしまう。
もしくは、自分が幸運にも手足が長い方であり、自分の美の追求をしたいと思っているからこそ、憧れもありより一層手足の長いフォルムに美しさを感じるのか。
おそらく、どちらも該当すると思う。とにかく、私は自分自身が美しくなりたいし、手足の長めのキャラクターを創り出したいし、生物学や光の三原則など科学的要素を詰めた作品を作ってみたいと思っている。
そう望んんでいるのかなと思っていたことを、他者様の作品によって確信に持っていきたかったのだと思う。

美術については何もわからないし、じゃあ何創る?という段階なので、
とにかくいろいろと手を動かして創ったり、表現したり、知識をたくさん入れてみようと思う。
そう思えたArt Fair Tokyo 2023でした。


おしまい。

 





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?