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チャレンジ精神が最強!「プレッシャー対処レベル」を理解すると、プレッシャーとの戦い方がわかる

みなさんは、プレッシャーに弱いですか?
プレッシャーがかかった時、どう対処していますか??

 私は幼少期から試合ではプレッシャーを背負い込み、どんな試合でも相手がだれだろうとプレッシャーを感じて、力を出しきったことなんてほぼなかったです。プレッシャーに弱いからって、頑張って練習したことが出せないのってめちゃめちゃ悔しいから、どうにかしたかったんですけど。でもどうしたらいいかわからなかった。。。

 でも実は、数々のトップアスリートを栄光に導いてきたスポーツ心理学の権威ジム・レーヤー博士は著書『スポーツマンのためのメンタル・タフネス』の中で「タフな選手」になる、つまり「試合状況がどうであろうと、才能とスキルの上限に近いところで安定した力を発揮できる力を身につけた選手」になるために、プレッシャーにどう対処したらいいのか、目指すべき方向性を具体的に示してくれています。

 プレッシャーにどう対峙したらいいのか悩んでいる選手はきっとたくさんいるのでは!と思い、私なりに重要だと思う部分をまとめたので、ご紹介したいと思います。


プレッシャーへの対処レベル

みなさんは自分の「プレッシャー対処レベル」がどんなもんかわかりますか?レーヤー博士は4段階で、そのレベルをあらわしてくれました。それがまた、ぐさーっと刺さる内容なんですよ、、、図にまとめました↓↓↓

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納得の部分と意外な部分ありませんか??ここからレベル1から4について補足説明しますね。


【レベル1】あきらめる

 プレッシャーに対して「あきらめる」ことは簡単に言えば、一番ダメな対処です。プレッシャーから逃げて楽になろうとしている感じですね。レーヤー博士が示した「あきらめ」の特徴はこちら↓↓↓です。ぐさぐさ刺さります。

<あきらめの特徴>
「あきらめ」を選択するのは、「ほんとうの自分」を守り、傷つかないようにするため、気にしなくて済むようにしている。

・いいわけはあきらめの最も一般的な形の一つ
例:「真剣にやったら勝てた。」「あのコーチは役に立たない。コーチの言う通りやったのにうまくいかなかった」「がんばっても結果は変わらない。」

あきらめは天賦の才能が恵まれているといわれる選手によく見られる。才能があるというイメージを守るため、いいわけをひねり出して、良いプレーができなかった理由を説明する。

あきらめは、痛みを減らし、いら立ちを抑えてくれるが、あきらめる人が潜在能力をフルに発揮することは絶対にない。

あきらめは、ベストを尽くさず、結果に対してすべての責任を負おうとしないことのあらわれ。

 あきらめると楽なんですよね。がんばらなくて済むし、悔しさやむなしさ、悲しさを味わわなくて済む。でもこれをしていたら成長はできないですね。。。いやー私も、「いいわけ結構していたし、今でもいろんなことに、いいわけをしているかもしれないな、、、」と反省です。


【レベル2】怒る

 いま起こっていることに怒りをぶつけたり、反抗心を持つことで、プレッシャーに対処する法です。あきらめよりはましですが、最大限の力を出せるかどうかは、イチかバチかで、リスクを伴い、不安定です。

 「怒り」や「反抗心」のようなネガティブな気持ちで自分を煽ろうとしても、真のタフさをにはたどり着けないとレーヤー博士は断言しています。そして選手が怒りを利用する理由を、このよう示しています。

 ・「ほんとうの自分」が傷つくことから守るため
 ・プレッシャーを減らすため
 ・ビビるのを防ぐため 
 ・見ている人に自分はこんなに下手ではないと伝えるため

ポジティブな感情で自分の競争心に火をつけることができない選手が、この方法を取ってしまうのだそうです。

 これ私は常習になってました。対戦相手をわざと憎んだり、嫌な思いをさせた人達を見返してやるとかで自分を煽ってた、、、だから私真のタフなアスリートになれなかったんだと反省。。。


【レベル3】ビビる

 プレッシャーに対して、恐怖のあまりひどいプレーをすることですね。これがレベル3って驚きではないでしょうか??実は「ビビる」状態は、あと一歩で最高の対処に行けるところまできているのです!!びっくり。

そもそも、これ対処なの?って感じですよね。ビビろうと思ってビビッてないし。

はい。いいんです。「そのままビビりと対峙し続けることが大切だ」とレーヤー博士は言っています。

人って恐怖を感じると身を守ろう・戦おうとするホルモンが出てきて、脈拍上がり・筋肉硬くなり臨戦態勢に入るんです。だからビビッてるってのは、「戦おう」としている証。ホルモンがでちゃうからしょうがないんです。
じゃあどうしたらいいのか、レーヤー博士はこう示しています。

・ビビりは防ぐことはできない。だからビビらないことを目指すのではなく、ビビッてもそれに対処できるようにすることが望ましい

・ビビってもなお100%努力し続け、戦うことが大事

・ビビるのは、自然な反応。自分が弱いわけではない。その恐怖と戦い続けることで勇気が育まれ、勇敢さが身につく。 

 私はビビると、どうにかそこから逃れたくて、「あきらめ」や「怒り」に後退してしまっていました。本当はそこでビビりに立ち向かい続ければよかったのか、、、いやープレッシャーに弱かった理由がどんどんわかってくる。後悔&反省。


【レベル4】チャレンジ精神

 プレッシャーの中で、自分の力を安定的に発揮するには、「チャレンジする気持ち」になることがベストだとレーヤー博士は示しています。選手は激しいプレッシャーや厳しい状況の中でも自分の感情に対して、絶えずチャレンジ精神で反応できるように、自分の気持ちをコントロールできるようにトレーニングが必要なのです。 「チャレンジ精神」を持つということは

・積極的に自ら動き、前進する
・逆境でも一歩も退かない
・言い訳しない。全責任を自分が負う覚悟ができている。
・怒り狂ったりしない
・あきらめない
・ポジティブな闘争心、自信、集中が伴う

ことです。

チャレンジ精神に近づくには、試合は「恐怖」ではなく、「刺激」と捉え、「勝つことが好き」というよりも、「勝負することが好き」だという感覚を目覚めさせることができるとよいそうです。

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「チャレンジ精神」を身につけるには?

 じゃあ、プレッシャーのもとでチャレンジ精神を引き出し、どんな状況でも自分に力を与える感情になれるタフ選手になるためにはどうしたらいいのか?はい。その方法はこの本にたくさん書かれています。その中から重要だと思う5つを絞ってシンプルにご紹介します!

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①自分を知る 
「ほんとうの自分」の気持ち・弱点・改善点・なぜそんな行動をするのか・何を必要としているのか・もちろん良いところも含め、自分と向き合い、自分を理解する。他者からどう見られているかも、聞くとヒントになる。

②思考を変えるスキルを身につける
 自分を試合に向けて理想的な気持ちに持っていくために、その気持ちを引き出すための「考え・思考」を身につける。  
 例:(気持ち)試合が不安で仕方ない→(思考)試合の前日までに不安に対する対処法をノートにまとめて整理してけば大丈夫

③試合中、「いま、この場所・この瞬間」に集中する力を身につける
 試合中、先のこと(未来)を考えると恐怖・不安になる。過ぎたこと(過去)を考えると、怒りや不満におしつぶされる。練習や試合でもその一瞬に何をするのか考えることに集中するトレーニングをする。

④「ミスから学ぶ」という考えを定着させる
  ミスを恐れるとミスをする。「ミスはなにかを学ぶために必要なもの。ミスしなければ何も身につかない。ミスから学ぶ。」と考える。
  ミスをしたら自分に質問をして前に進む
  質問1 どうしたらよかったのか?
  質問2 そのミスから何を学べる?

⑤「逆境を利用する」考えを定着させる
 「逆境はすべて、自分が成長して、さらに上のレベルにいくための、限界を超える為のチャンスだ」と理解する。
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この5つはなんとなく過ごしていたらできないけれど、自分が本気で努力すればできることばかりですね!私的には①が一番難しいんですけど、がんばって向き合ってます(;^ω^)


まとめ

みなさん、チャレンジャーモードに入ってきましたか?早くプレッシャーの中で戦いたくなってきましたね?笑

私は選手の時、ただなんとなく、自分はプレッシャーに弱いと思っていました。でも対処のレベルを理解すると、自分が目指す方向性、現状がわかるから、プレッシャーとどう向き合うべきか理解し行動に移すことができたのではないかと思いました。

最後にレーヤー博士の沁みる言葉を紹介します。

「プレッシャーに対して『あきらめる』『怒る』『ビビる』は、一般的で普通の反応である。逆に、危機や逆境、プレッシャーに『チャレンジ精神』で反応するのは、普通ではない。それは勝者・リーダー・チャンピオンの証である。」

 うわー!プレッシャーの中でも、自分の最大限の力を発揮できる「勝者・リーダー・チャンピオン」になりたい!「チャレンジ精神」を引き出す思考と行動のスキルを身につけたい!

 それには、プレッシャーと向き合い続け、トレーニングを積むしかない。よし、プレッシャーと戦いましょう。そしてプレッシャーのかかる「勝負」が大好きって言えるようになりたいですね★

<参考>
ジム・レーヤー(1997)スポーツマンのためのメンタルタフネス