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コロナ後のスタートダッシュのために!スポーツ選手におすすめ「目標の設定&使い方」10ステップ

選手は今、アフターコロナに向けて限られた環境の中、さまざまな取り組みをしていると思います。が!コロナでの活動自粛が解禁された際、どれだけスタートダッシュができるかも、とても重要だと思いませんか?

いつ大会が開催されるか、自粛が解禁されるかは正確にはわかりませんが、コロナ後には、短期間で勝利を掴める状態に仕上げなければならないのは間違いないです!

そこで、選手は時間がある今だからこそ「目標設定」に徹底的に向き合って、スタートダッシュに向けた『準備』を整えてみてはいかがでしょうか。

じゃあ、どのように目標を立てるといいのか!?

目標設定については、スポーツ心理学でさまざまな研究が行われていますので、今回はそれらをまとめて「スポーツ選手におすすめする!目標の設定方法と使い方」として10のステップに落とし込んでみました。

目標を設定するステップは、本気で取り組むと1時間以上は普通にかかります。せっかく本気で取り組むので、テンションの上がるような新しいノートを用意してみてもいいかもしれません。目標設定後も継続的に使用しますからね (☆。☆) キラーン!!

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目標設定の効果

ではまず、前提として知ってほしいこと!!目標とは「努力して成し遂げたいことの成功基準」のことです。そして、目標を立てることによって、パフォーマンスが良くなることがこれまで多くの研究で明らかにされています。

じゃあ、なぜ目標を立てるとパフォーマンスが上がるのでしょうか?

目標を立てることの主な効果として挙げられていることとしてはこの3つが挙げられています。

①何をすればいいか、行動することが明らかになる
②やる気が出て、費やす努力を増加させる
③努力を継続させる

選手にとって何が難しいかって、目標を達成するために「継続的に努力をすること」が難しいんですよね。。。だから目標は「自分の努力を後押し」するために使うものなんです!!

目標は「掲げる」だけでなく「使う」ことができるようになることが大事なんです。


「スポーツ選手におすすめする!目標の設定方法と使い方」10のステップ

では具体的な「目標設定方法と目標の使い方」を紹介します。わかりにくい部分は、テニスでの事例も入れて解説します。

ステップを実際に進めるなら、書き込みの準備を整えてください!ノートに残すことで、記憶に定着しやすくなるのと同時に、自分の考えを俯瞰するトレーニングにもなります。とにかく、思いつくことは全て書き出しますよ!

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STEP① 目的を明確にする

目的は「なぜするのか」。目標は「何をするのか」。
目標設定に入る前に、自分はなぜこの競技で勝利に向けて頑張ろうとしているのか。目的を考え明らかにする。

目的が行動の原点になるので、目的に向き合うことって大切なのに、日々忙しくしていると、この『目的』について考えることってなかなか選手ってできていない。目的が明確になると、ブレないし粘り強くなる。

<例>自分ががんばってトレーニングするのは、自分がこれまで努力してきたことをテニスで証明したいから。一緒にがんばってきたみんなと一緒に勝って喜びたいから。


STEP② 過去の振返り・課題分析をする

自分は何ができて、何ができていないのか。成長していること、改善が必要なこと、課題はなにか?明らかにする。

1つや2つではないはずです。ここで昨年の試合を見直してもいいですし、昨年の全試合の結果や、なぜ勝ったのかなぜ負けたのか思い出したり、もらったアドバイスを書き出してみるのもいいです。

このSTEPは自分に向き合う作業ですので、時間をかけてたくさん絞り出しましょう。たくさん書き出して、後で解決すべき課題の優先順位をつければOKです。

<例>フォアハンドのクロスはいいショットが打てるようになったが、バックハンドを狙われるとクロスに頼ってラリーが単調になるので、相手に攻め込まれる。バックのストレートを鋭く打てるようにならないと、より強い相手に勝つのは難しい。


STEP③ 3種類の目標を立てる 

A:結果目標 :達成したい結果に関する目標。 成功確率50%に設定する。(長期目標)

B:パフォーマンス目標:結果目標を達成するために必要なパフォーマンス(スキル、プレー、能力、思考など)に関する目標(短期目標)

C:行動目標 
:パフォーマンス目標を達成するために必要な、自分でコントロールできる具体的な行動に関する目標(短期目標)

ABCの目標は最低1個ずつ書いていると思いますが、BとCは複数だせると思います。BとCについては、思いつくものすべて書き出して、その中から重要そうなものを2~3個に絞ってみるといいです。

あと個々の目標の設定方法は、「~しない」否定的の言葉でなく、「~~する」という行動を示す言葉にするのが大事です!

せっかくなので、コロナ自粛期間中と自粛期間解禁後に分けて書いてみると良いでしょう。

<例>
1.結果目標
 :県大会優勝 

2.パフォーマンス目標:バックハンドのストレートの攻撃力を上げる。(NG例:バックハンドでミスしないようにする)

3.行動目標
 
◆コロナ自粛期間中:軸足のセットを速くして、沈み込むこむことが大事なのでその筋力があるといい。そのために軸足の左足だけのスクワットを右の倍の一日100回行う。
◆コロナ自粛期間解禁後:毎日の基礎練で行う10分間ストレートのラリー練で、バックハンドを半分以上打つようにする。(NG例:入らなくても落ち込まないでたくさんバックハンドを打つ)


STEP④ 評価方法を決める

STEP③で立てたパフォーマンス目標、行動目標のを評価する方法を決める。評価基準は、段階的な評価を設定し、可能な限り数値化する。

<例>
【パフォーマンス目標】(バックハンドのストレートの攻撃力を上げる。)
〇:1試合で1・2本エース取る 
:試合中、腰を落としてバックのストレートを5本以上打つ(入った入らないは関係ない) 
×:試合中ストレートに打たなかった

【行動目標評価】(自粛期間中:左足スクワットを右足の倍やる)
〇:右足の倍100回以上やれた
△:倍はできなかったけど、左足だけのスクワットはやった
×:左足だけのスクワットをやらなかった


STEP⑤ 計画表にまとめる

ノートや、電子データに★を見やすく整理して書き込んでください。

★STEP③で決めた3種類の目標
目標を各種複数個立てた場合は優先順位を明確に
★スケジュール
STEP④で決めた評価方法と評価のタイミング

視覚で認識しやすくしておくと思い出しやすいのでいいですね。


STEP⑥ 目標が「SMART」になっているかチェックする

S Specific(具体的か?)
M Measurable(計量的か?)
A Achievable(達成可能か?)
R Relevant(関連性があるか?・何に繋がっているのか?)
T Time-bound(期限を決めているか?)

SMARTになっていない目標は、具体化が足りないので、やるべき行動があいまいになってきます。妥協しすくなり、目標達成に向けたモチベーションが落ちやすいですね。


ここまでのSTEP①~⑥が目標の設定フェーズです。次のSTEP⑦~⑩が目標使用フェーズに入ります。STEP⑦からはかなりシンプルです。


STEP⑦ 行動する

STEP⑤でまとめた計画表をチェックして、行動を積み重ねる。


STEP⑧ 評価する

STEP④で決めた評価をスケジュールに沿って行う。


STEP⑨ 適宜目標に修正を加える

設定したパフォーマンス目標や行動目標、評価方法に修正が必要な場合は、どんどん修正を加える。

修正の際には、SMARTのチェックをお忘れなく!


STEP⑩ 繰り返す

ひたすらSTEP⑦⑧⑨を繰り返す。

この行動を繰り返すことで、目標を達成できると確信できているので、繰り返すモチベーションは高いはず。でももし妥協しそうになったら、STEP①の「目的」として書き込んだことを見返して、思い出して、燃えてください!初心に立ち戻れます!


ちなみに、STEP⑦⑧⑨⑩のフェーズでは、自分で決めた目標の内容を、スマホの目標設定アプリを利用することで、簡単に管理できるので習慣化しやすくなり、ノートとの併用をお勧めします!特に、行動目標って日々の積み重ねなので、アプリで毎日サクッと記録できるのはとても便利です。

ちなみに私は【超じぶん管理「リズムケア」】というアプリを使ってます。いろいろ出てるので、自分に合ったアプリ探してみてください。


10ステップを進める上で大切なこと

目標設定の10ステップを進める上で重要なことは、選手自身が考えて作成することです。自身で考えて選択し決定することによって、最もやる気が高まるからです。

但し、目標設定10のステップは選手自身が決定し実行するものですが、より効果的で、効率的な目標設定をするには指導者や周囲の人達と、自分の目標設定に関してコミュニケーションを取ることは重要です。

他者へアウトプットは、考えを整理することに役立ちますし、客観的な視点が得られると自分を様々な角度から理解できるようになり、新たな良いアイデアが浮かんでくる可能性も高まります。
      

ということで!みなさん!いま10のステップで目標設定したくなってきていませんか?(笑) この勢いですぐに取り掛かりましょう!!!思い立ったが吉日٩( ‘ω’ )و


<参考>
・レイナ―・マートン、コーチングマニュアルメンタルトレーニング
・西田保、スポーツモチベーション
・日本スポーツ心理学会、スポーツメンタルトレーニング教本
・日本スポーツ心理学会、最新スポーツ心理学
・ロビン・S・ビーリー、コーチングに役立つ実力発揮のメンタルトレーニング

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Challenge!チャレ子のTwitter
https://twitter.com/challeko2020
ブログ以外にも、日常で気になるスポーツ学びネタをつぶやいています。
選手や指導者のみなさんの役に立つ情報になればと思っています。
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