ここ・澤 (島田)智子

広島大学大学院 博士課程を終え、日本語表現論の研究者として出発。現在は日本語教師,ライ…

ここ・澤 (島田)智子

広島大学大学院 博士課程を終え、日本語表現論の研究者として出発。現在は日本語教師,ライター,占い師など。小説『辻調鮨科』『神戸みなと食堂』の推敲を担当。絵画作品の個展も時々してます(プロフィール画像は自作) お仕事依頼はtsawa66@hotmail.co.jp

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どんな才能も自分のもの、そして守られるべきもの《才能の搾取に関する覚書》

才能の搾取。 この概念を知ったのは、数年前、ある件について弁護士さんに相談に行った時のことでした。「搾取」と言えば金銭や労働力とばかり思っていた私は、才能もまた搾取の対象になると知って目から鱗だったことを思い出します。以来、自分を支える大切な概念の一つとなっています。 ところで最近、様々な場面で個人の才能が不当に扱われ、搾取されているのではないかと感じることが多くなりました。なぜそんなことがまかり通るのか。自分なりにその理由を探り、まとめてみようと書き始めたのがこの投稿です

    • 成長の時こそ「さよなら」を。

      息子がまだ小さい頃、夏休みの過ごし方に毎年頭を悩ませておりました。  とにかく一日が長い、そして暑い。 という訳で、毎日のように親子で近所の本屋さんに入り浸っておりました。 冷房の効いた店内に入ると、息子は一直線に絵本コーナーに向かいます。 それから目についたのを取って「これ読んで」、読み終わればまた一冊、そしてまた一冊。 これが小一時間は続くので、読む側も工夫しなければ身がもちません。 そこで、キャラごとに声色を変えて臨場感を増し増しにするという目標を設定して無理くりモチ

      • https://president.jp/articles/-/73852?page=1 京セラの稲盛氏の言葉。シンプルだけど今こそ響く。さらに興味深いのは、稲盛氏の言う「天」が神ではないこと。むしろもう一人の自分であり、天知る、地知る、我知る、人知る、の「我」。こういった感覚を上手く言語化して、もっと世界に伝えたい。

        • ブラぐらい好きなもの選ぼう

          私事ですが、あらゆるものをひっくり返して着ています。 下着、肌着はもちろんのこと靴下も。外から見えるもの以外は全て裏表にして着ていて、理由は簡単、縫い目が皮膚にあたると痒くなるからです。 何でもひっくり返して着てしまえば肌辺りは優しく、それで何も問題ありませんが、ブラに関してはちょっと注意が必要です。 そもそも裏表逆にして着用できるブラはホック無しのかぶりタイプに限られますし、ひっくりかえしたブラにパットを装着する時は凸側を間違えないようにしなくてはいけません。ちょっとやや

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        どんな才能も自分のもの、そして守られるべきもの《才能の搾取に関する覚書》

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        • ライト エッセイ
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          食の海にダイブ!〜マッシさん流 食との付き合い方〜

          「適切な距離をとるしかないですね」 例えばあなたが、対人関係に悩み誰かに相談したとしよう。すると、ほぼ100パーセントこんなアドバイスが返ってくるだろう。 私だって、そう言いう。 「近付きすぎてない? ちょっと離れた方がいいんじゃない?」 お付き合いは距離感が大事、巻き込まれ注意なのは言うまでもない。 それなのに、イタリア人フードライター マッシさんは、いつも思いっきり巻き込まれている。いや、自ら突っ込んでいっていると言う方が正しいかもしれない。 でも、決して負けない。負

          食の海にダイブ!〜マッシさん流 食との付き合い方〜

          とんぼ玉が生まれる過程は、星が生まれる過程に似ている。

          岡山県で暮らすと、自然とガラス好きになるのかもしれない。 倉敷ガラスを始め、身の回りに手作りのガラス製品がいつもある。 岡山駅から市電に乗って城下で降りれば、数々の古代ガラスを所蔵するオリエント美術館も近い。 遥かいにしえから変わらぬ姿で館内に並ぶガラス達は、4000年の時がたったことなど気にも留めていないのだろう。 悠久とはまさにこのことだと思う。 まだ吹きガラスがこの世に存在していなかった頃、コアガラスやとんぼ玉が盛んに作られていたそうだ。 この二つの製法については専

          とんぼ玉が生まれる過程は、星が生まれる過程に似ている。

          電車の中に本が戻ってきた?

          先日、自宅のある神戸から所用で大阪に出かけた。 梅田行きの阪急電車は主に学生さんでいっぱいだったけれど、十三駅でどっと降りると車内は一気に明るくなった。 陽射しに誘われてふと顔をあげる。 すると、吊革につかまったまま分厚い本を読みふけっている一人の男性の姿が目に入った。 何読んでるんだろう。 気になったが表紙は書店のブックカバーで覆われている。 余計に興味が湧いてくる。 とここで、こういう人を久し振りに見たな、とも思った。 ためしに車内を見まわしてみたところ、本を読んでい

          電車の中に本が戻ってきた?

          小麦の効用

          いろいろあって元気が出ない週末、焼いた小麦のザクッとした香ばしさが無性に恋しくなって家を出た。 坂道を下って、いつものカフェの扉を開けると、 「クロックムッシュ、お願いします」 と店主に伝え、奥の席でひと息つく。 こんな時は、やっぱり小麦でなきゃダメなんだ。 もう30年以上前のこと、麦畑の真ん中にある学校で国語の先生をしていた。 やってもやっても終わらない仕事に疲れると、職員室をこっそり抜け出して、階段の踊り場からよく麦畑を眺めていた。 連休も明けた五月の半ば、「麦秋」の名

          三つの軸と猫の神様

          人と待ち合わせをする時、いつも (よく会えるなぁ) と思ってしまいます。 というのも、「会う」とは別々の人間の時間軸と空間軸の交点がピッタリ重なり合う現象。 そんな難しいことがやすやすと出来てしまうことに毎度感心するのです。 携帯のおかげで昔よりずっとやりやすくなったとは言え、やっぱり凄いと思います。 ところで私は歩きながら相当キョロキョロしているようで、よくいろんなものを見つけます。 それは石垣の隙間から覗く小さな花だったり、身を低くして獲物を狙うカマキリだったりするの

          三つの軸と猫の神様

          詩 "ある addiction(依存症)の唄"

          うそは甘いな 優しいな 評判はのぼるし 敵は沈む うそにお船を浮かばせて 行ってみたいな 夢の国 ミルキーはママの味 嘘はお袋の味 懐かしくて 安心で あったかくて 誇らしくて やめられない  とまらない 今も聞こえる あのお袋の声 僕に人生を教えてくれた 優しいお袋 嗚呼、自慢のお袋 タケシちゃん すごいわね! ママ、思わずご近所に自慢しちゃった。 やっぱりタケシちゃんはママの子ね! もしかしたら天才かしら? あら、私ったら何言ってるのかしら。 浮かれすぎね、

          詩 "ある addiction(依存症)の唄"

          袖擦り合うも。【 他生の縁を生きると、人生の扉が開く 】

          その頃私は、プライベートで問題を抱え、始終苦しんでいた。 そうしているうちに、ある映像がしきりに脳裡に浮かんでくるようになった。 それは白装束を身に纏った大勢の女性。 子供も混じっているようだ。 さらには刀を帯びた男たち、人垣をなす見物人、場所は河原だろうか。 (こんなにも…こんなにも尽くしたのに) そんな声なき声も聞こえる。 「これ何の場面かな?石田三成の最期?」 私は日本史に疎い。そこでプロ並みに詳しい知人に解釈を頼むと 「いや豊臣秀次だよ、きっと」 と教えてくれた。

          袖擦り合うも。【 他生の縁を生きると、人生の扉が開く 】

          イタリアン スイーツの強さ

          神戸三宮駅と元町駅の間、トアウエストと呼ばれる地区の一角にあるお店「イタリア菓子のススメ」でスイーツを食べるのは、不思議な体験だ。 口に含んだ途端、イタリアとの回路がつながる。噛みしめるごとに、かの地の景色が広がる。 今日選んだのはトスカーナ地方の郷土菓子、カスタニャッチョ。ふんだんに使われた栗粉、松の実、レーズン、胡桃、ローズマリーの味と香りが、鼻腔を通って脳を直接刺激する。すると、麗しきトスカーナの景色が見えてくる。行ったこともないのに、見えてくる。 こういうことは、

          イタリアン スイーツの強さ

          スマホの調子がめちゃくちゃ悪くなって約3ヶ月、とにかくすぐに落ちる。でもiPadと併用しつつ何とかやってるうちに、だんだんスマホの気持ちが分かってきて、あ、ごめんね、このアプリ重かったんだよねとか話しかけてる。これはなかなか買い替えられないぞ。

          スマホの調子がめちゃくちゃ悪くなって約3ヶ月、とにかくすぐに落ちる。でもiPadと併用しつつ何とかやってるうちに、だんだんスマホの気持ちが分かってきて、あ、ごめんね、このアプリ重かったんだよねとか話しかけてる。これはなかなか買い替えられないぞ。

          敬意は丁寧から生まれる 〜弔い人に救われた話〜

          父が亡くなった。入院から11日目の夜だった。 その日のお昼、母と妹は病院に行き、順調にいけばあと一週間から十日ぐらいで退院になると主治医から説明を受けた。その後、父とも面会して少し話をしたらしい。 私たち姉妹四人はいつものように「退院の時、迎えに行ける?」「水、木だったら行けるよ」などとグループLINEでやり取りをした。退院後に父が安心して過ごせる場所は既に手配済みで、準備はすっかり整っていた。 それから数時間後、携帯の着信音が鳴った。妹からだ。スマホを開いてみると、家族

          敬意は丁寧から生まれる 〜弔い人に救われた話〜

          私の地元岡山県高梁市が、被災された方々の総力支援を表明しています。小さな街ですが、住宅などの生活支援はもちろん、医療・教育等も整っています。是非、しばらく安心して暮らして頂きたいです。どうか必要な方々に届きますように!! https://www.city.takahashi.lg.jp/uploaded/life/54971_181662_misc.pdf

          私の地元岡山県高梁市が、被災された方々の総力支援を表明しています。小さな街ですが、住宅などの生活支援はもちろん、医療・教育等も整っています。是非、しばらく安心して暮らして頂きたいです。どうか必要な方々に届きますように!! https://www.city.takahashi.lg.jp/uploaded/life/54971_181662_misc.pdf

          「被災した人たちが、元の生活に戻れる、きっと戻れると信じられるまでが勝負です」 被災経験のある自治体が、今どう支援に動いているかが分かります。よろしければ是非。 https://kobe-note.jp/n/n6121e377aa8a

          「被災した人たちが、元の生活に戻れる、きっと戻れると信じられるまでが勝負です」 被災経験のある自治体が、今どう支援に動いているかが分かります。よろしければ是非。 https://kobe-note.jp/n/n6121e377aa8a