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【第1回】広告業界の関係者とその役割を知ろう。(入門者向け無料教材)

この記事の対象者
下記のような課題をお持ちの新任マーケターの方向けにデジタルマーケティングの基礎知識を学べる教材を制作しています。確認問題もご用意しているのでぜひ自己学習にご活用ください。

● 広告代理店との打ち合わせで会話についていけない
● 広告クリエイティブや運用のフィードバックの観点がわからない
● なぜ成功・失敗したのか上司に説明できない

今回の記事のゴール

広告業界の関係者とその役割を理解し、適切なコミュニケーションが取れるようになる。

ストーリー登場人物

出島太郎が一人前のデジタルマーケターとして成長する過程をストーリーにしています。実際のビジネスシーンをイメージしながら基礎知識を一緒に身につけていきましょう。
出島 太郎(でじま たろう)

出島

都内のIT企業に勤務する26歳の会社員。営業マンとして3年間勤務後、マーケティング部門へ異動。趣味はスマホゲーム。


宇利上 造郎(うりあげ つくろう)

宇利上課長

出島の上司。元広告代理店営業マン。現在は同社のマーケティング部門の課長。売上アップに対しての気合が凄い。趣味は競馬。


電博 敦子(でんぱく あつこ)

電博

出島の会社を担当する広告代理店「博王堂デジタル」の社員。バリキャリ女子で成績優秀。趣味旅行、ファッション、映画。

導入ストーリー

第1回導入①

第1回導入②

第1回導入③

覚えよう

□ 広告業界の関係会社とその役割を知ろう。
□ 広告代理店のタイプと選定ポイントを知ろう。
□ 広告代理店の担当者とその役割を知ろう。

広告業界の関係者とその役割を知ろう。

下記は広告主(クライアント企業)と広告代理店、メディア(新聞やテレビ、Webメディアなどの媒体)の3社の関係性を簡易に表した図です。

第1回覚えよう①

広告代理店は、一言でいうと、メディアと広告主を繋ぐ仲介者の役割を担っています。広告主の実現したい企画に沿って、販促のプランニングを行い、メディアの広告枠の買い付けを行います。

また、広告代理店は、「メディアレップ」へ広告枠の買い付けを依頼することもあります。広告代理店との違いは、メディアレップ自体が、特定のWebサイトの広告枠を持っていることで、無数のメディアの広告枠を把握して、広告代理店をサポートします。代表的なメディアレップには、サイバーコミュニケーションズ(CCI)やデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)などがあります。

第1回覚えよう②

広告代理店のタイプと選定ポイントを知ろう。

広告代理店には、大きく「総合広告代理店」「専門広告代理店」があります。下図はその特徴をまとめた表になります。

第1回覚えよう③

総合広告代理店
その名の通り、総合的に広告主のマーケティングをサポートする広告代理店です。広告主が達成したい販促のゴールに沿って、戦略立案から広告クリエイティブの制作、メディアでの配信までを一気通貫で担うことができます。またマスメディアからWebメディアまで幅広い媒体を取り扱い、メディアミックスでブランド認知から最終成果の獲得(会員登録や購入)まで、全チャネルをカバーすることを得意とします。代表的な会社に皆さんもよく知る、電通、博報堂、アサツーディーケー(ADK)などがありますが、比較的価格は高いため、大手企業の広告主との取引が中心となっています。
専門広告代理店
特定の領域において専門的な広告代理店のことで、最近ではインターネット広告の専門代理店が多くなっています。代表的なインターネット専門広告代理店には、オプトやセプテーニが挙げられます。もともとは、バナー広告の取次や運用型広告の運用代行を中心としていましたが、最近では、総合広告代理店と専門広告代理店の境はなくなってきており、専門広告代理店でも戦略から制作までを担う組織を持つところも多くなってきています。強いて言うなら、ブランディング領域において、総合広告代理店は、マスメディアでの取次が可能なため、その点が違いとなってきます。

広告代理店の担当者とその役割を知ろう。

最後に、広告代理店内の担当者とその役割についてみていきます。

第1回覚えよう④

主に広告主と直接コンタクトを取るのは営業とプロデューサーになり、プロデューサーが内部の各部門の担当者と連携して広告主からの依頼を具現化します。

営業
基本的にすべての連絡の窓口は営業担当者が担うケースが多く、営業担当を介して、代理店内部の担当者へ広告主からのオーダーが伝わります。
プロデューサー
「総指揮者」的な立ち位置で、プロジェクトの進行や予算の管理を行います。営業担当と共に同席するケースも多く、広告主のニーズや依頼内容を理解してストラテジー部門、クリエイティブ部門、メディア部門へ指示を送ります。
ストラテジー部門
市場調査や分析を通して、ターゲットの設定や販促戦略の立案を行います。ストラテジックプランナーという職種の担当者が指揮を取ります。
クリエイティブ部門
戦略をもとに、具体的な施策のアイディアを考え、広告クリエイティブの制作を行います。クリエイティブディレクター(CD)やアートディレクター(AD)といった職種の担当者が指揮を取ります。
メディア部門
戦略・企画をもとに最適な配信メディアを選定し、広告枠の買い付け(メディアバイイング)を行います。メディアプランナーという職種の担当者が指揮を取ります。

演習問題

確認問題

(問)次の説明のうち正しいものを全て選びましょう。

(a) メディアレップとは、広告主とメディアを仲介し、広告枠の買い付けを行う、自社でメディアを持つ会社のことである。

(b) インターネット専門広告代理店は、クリエイティブ部門を持たず、メディアの買い付けと広告の運用のみを取り扱う。

(c) メディアプランナーとは、広告主からのオーダーをもとにターゲットを設定し戦略を立案までを担当する職種のことである。

応用問題

(問)あなたは、ある商品のマーケティング担当者です。担当する商品はターゲット属性が明確で、また、今回の目的としてニーズが顕在化しているユーザーに対して購入を促すバナー広告を配信し、キャンペーン期間中の購入件数を最大化することが社内の企画ですでに固まっています。あなたならどのようなパートナーに声をかけて企画を具現化しますか?

解答

演習問題 解答

正答:(a)
解説:(b)は、「クリエイティブ部門を持たず、メディアの買い付けと広告の運用のみを取り扱う。」が誤り。専門広告代理店でも昨今は、クリエイティブ部門なども持ち、制作も担えるところが大半となっています。(C)の説明は、ストラテジックプランナーの説明のため誤りです。

応用問題 解答(例)

今回の場合、ターゲットや配信手法がWeb広告と明確で、目的も購入の獲得と、購買ファネルの下部のみとなるため、インターネット専門広告代理店へ依頼をし、SNS広告などの運用型広告での配信を提案してもらうことが良いのではないかと考えられます。

エピローグ

いかがでしたでしょうか。私も新任のとき、先輩が担当する企画の広告代理店との打ち合わせに同席したとき、あまりに多くの関係者がいて驚いたのを覚えています。まだ若かった私は、メディアレップの方に「皆さんは何をされている方々なのですか?」と思わず聞いてしまい先輩に怒られたことを今でも思い出します(笑)

第1回導入④


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