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節税したい経営者が絶対に検討すべき!中小企業退職金共済(中退共)で退職金制度構築と節税を同時に実現できます!

中小企業退職金共済(以下、中退共)制度は、昭和34年に中小企業退職金共済法に基づき設けられた中小企業のための国の退職金制度です。
中退共を活用すれば、安全・確実・有利で、しかも管理が簡単な退職金制度が整備できます。

この中退共は、独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(中退共)が運営している点でも安心と言えます。

※Wkipediaでは、独立行政法人とは、中央省庁から独立した法人組織であって、かつ行政の一端を担い公共の見地から事務や国家の事業を実施し、国民の生活の安定と社会および経済の健全な発展に役立つもの。とされています。

中退共制度の概要

事業主が中退共と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付します。従業員が退職したときは、その従業員に中退共から退職金が直接支払われます
このため退職金支給時の事務手続きが簡略化できます。

掛け金の種類について

掛金月額の種類は次の16種類です。事業主はこの中から従業員ごとに任意に選択できます(出所:中退共HP)。

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現在の加入状況

1.加入している企業 371,501所
2.加入している従業員 3,515,033人
3.運用資産額 約5.0兆円
となっております(出所:中退共HP)。

多くの加入メリットがあります

⑴新しく中退共制度に加入する事業主に国から助成があります

①掛金月額の2分の1(従業員ごと上限5,000円)を加入後4か月目から1年間、国が助成します。従業員毎に6万円の助成があります。
②パートタイマー等短時間労働者の特例掛金月額(掛金月額4,000円以下)加入者については、(1)に次の額を上乗せして助成します。
掛金月額2,000円の場合は300円、3,000円の場合は400円、4,000円の場合は500円となっています。

⑵増額変更する事業主に国から助成があります

掛金月額が18,000円以下の従業員の掛金を増額変更する事業主に、増額分(増額前※1と増額後の掛金月額の差額)の3分の1を1年間、国が助成します。
20,000円以上の掛金月額からの増額は助成の対象にはなりません。

⑶税制上の特典があります

中退共制度の掛金は、法人企業の場合は損金算入することができ、個人事業の場合は必要経費とすることができるため所得を圧縮させることが出来ます。
退職時に一括で損金算入するよりも、毎年、損金算入した方が、時間軸で捉えた場合、前もって節税できます。ここで生まれたキャッシュを事業に投資することにより資本の運用効率を高めることが可能となります。

また、昨今の税制では法人税率が低下していくトレンドとなっています。ということは、前もって損金算入する方が、より高い法人税率で節税できるためその分メリットも大きくなります。
例えば、今年の法人税率が35%、来年の法人税率が30%と仮定したとき、今年に損金算入した方が節税効果が高くなりますよね。

⑷大きな赤字を避けることが出来ます

退職金を一括支給する場合は、その年度に大きな赤字が発生します(厳密に言うと退職給付引当金を積んでいない場合)。この場合、一時的に決算の内容が悪化する恐れがありますが、中退共であれば、退職金は掛け金として積立てた分が、その事業年度に計上されるため決算時に大きな赤字が発生しません。

⑸人材採用面でのアピールに

人材採用時の募集要項に「退職金制度」が記載されているか否かにより他社と差別化できます。退職金制度は企業の義務ではないこともあり、設けていない企業もあります。

就活する側から見た企業のイメージとして
「永年勤続の従業員を大切にする会社」
「退職後の生活資金が確保できる、退職後も安心して暮らせる」
というイメージを持つ方も一定数存在します。
昨今、終身雇用制度が崩壊しつつありますが、一定の効果はあるものと考えます。

⑹積立以上の退職金を支給できる

中退共加入後から2年以上勤務した従業員は掛金総額の100%を退職金として受け取ることができます(逆を言えば、2年未満で退職された場合は掛金総額を下回る金額の支給となります)。
さらに3年6か月を超えると、積み立てた掛金総額よりも多い退職金を受け取ることが可能です。長年にわたって勤務する従業員ほど、中退共のメリットを享受できるといってもいいでしょう。
企業としては、本来従業員に支給する予定の退職金を、その額よりも少ない金額の支払いで済ませる事が出来ます。

留意点・デメリット

企業の意思に関係なく、従業員が退職した場合は、中退共から従業員に直接、退職金が支給されます。不本意な形で退職された場合でも支給されてしまう点がデメリットとして捉えらえる方もいます。

また、掛け金を減額する際の事務手続きが煩雑となるため、予め手続きを調べておくことをお勧めします。
基本的にはメリットが大きいと言えますが、デメリットも踏まえて企業の責任において意思決定が求められます。


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