映画『ミッドナイトスワン』
先日、ずっと見たかった映画『ミッドナイトスワン』をamazonで視聴しました。
草彅剛さんの演技、悲しく美しいストーリー、観る人を魅了するバレエ…とにかく、圧巻されました。
以下、amazon出典のあらすじです。
故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブで働くトランスジェンダーの凪沙（草彅剛）。ある日、育児放棄にあっていた親戚の娘・一果（服部樹咲）を養育費目当てに預かることになる。
叔父だと思い訪ねてきた一果は凪沙の姿を見て戸惑い、子供嫌いの凪沙も一果への接し方に困惑するが、同居生活を送るうち、孤独だった二人は次第に、互いにとって唯一無二の存在になっていく。
「母になりたい」という想いを抱き始めた凪沙は、一果のバレリーナとしての才能を知り、一果のために生きようとするが…。
感想は溢れるほどあるのですが、一番大きなこととして、作品を見て、ジェンダーに対しての考え方や価値観が大きく揺さぶられました。
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作品中、凪沙が何度も人々の何気ない発言で傷ついた表情を見せる場面があって…
「オカマなのに」や、「トランスジェンダー…大変ですね」など明らかに軽蔑する発言から、一見同情に見える発言でも、それら一つ一つに苦しむ気持ちが手に取るように伝わってきた。
何度も何度も傷つくたびに、幾度も強くなろうと立ち上がる凪沙の姿は、痛々しくて、同時にとてつもなく強く美しいと思った。
最近の社会は、ジェンダーに対して以前よりもずっとオープンになったと思う。大学で、LGBTについて議論する時間も増えて、就活ではLGBTと名乗る社員さんがパンフレットに載っていることも度々ある。
でも、そう名乗る本人たちが、どれだけの勇気を振り絞っているのかって、なかなか想像されていない気がした。「あ、名乗ってるな～」のように。
日本は、欧州に比べてジェンダー問題はまだまだ後進国で、幼少期から何度も悩んだり、傷ついたりしたこともあったのではないか。その上で、「私はＬＧＢＴなんです。」と公言して、背負って生きていくって、相当な覚悟と勇気なのだろうなと思う。
映画の主人公の凪沙も、「なんで私たちだけ…」と何度も苦しんでいたな。
その想いに対して、まずできる事は、その勇気を受け止める事、その人の生き方を尊重することじゃないかな。
そうすれば、軽率な発言や、無意識に誰かを傷つける発言はもっと減ると思う。そして、もっと温かい言葉が溢れるようになると思う。
言葉の持つ力って、本当に計り知れないほど大きくて、怖い。
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個人的に私が号泣したシーンは、凪沙が一果のバレエ代のために、男性の姿に戻って働く決意をしたシーン。
一果のバレエの才能に気づいていた凪沙は、もっと一果がバレエを出来るようにと、費用稼ぎのために昼間の仕事を始めようとする。しかし、なかなか採用されずに就職活動に苦戦する。
ある朝、一果が目覚めると、そこにいつも知っている凪沙の姿はなくて、作業着を着た普通の男性が座っていた。
「おはよ。ほら朝ごはん食べて。」
さらっと言う凪沙に驚愕する一果。
あれだけ、男性としての自分の外見を憎んでいた凪沙自身が、男性の姿に戻って社会に出るという決断って、どれだけ痛いものだったのだろう。
そして、同時に、その決断には、姪っ子一果への愛情の深さも強く表れていて切なかった。
この瞬間、凪沙は自分の命を懸けて、一果のために生きていくって覚悟したんじゃないかな。
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そして、映画にはなかったけれど、監督が書き下ろした小説の中で、とても印象に残った場面がある。
上記でも書いたように、凪沙は、一時期男性の外見に戻り、物流会社で働いていた。そこで純也という男性と仲良くなる。凪沙は、職場ではトランスジェンダーであることを隠していたが、ある休日、女性の装いをして外出していた際に純也と遭遇し、バレてしまう。
純也は何て思ったのだろう。どう説明しよう。そう心配する凪沙が、次の日職場に行くと、彼は何事もなかったかのように
「あそこの焼肉、うまくないすか？」と声をかけてくれたのだ。
”私たちは普通に存在しているだけだ。多くの普通の人々と同じように。”
そう、凪沙に思わせた純也の振る舞いこそ、本当の意味で優しさなのかもしれないと感じた。
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もちろん、悲しいストーリーだけでなくて、凪沙と一果が本当の親子のように仲睦まじくする姿に、心が温かくなったり。
一果の才能を分かってくれる周囲の人の支えや、バレエに夢中になる一果の美しい横顔などなど。
本当に良い映画で、見て良かったです✨
もし機会があれば、ぜひぜひご覧ください☺️
久しぶりの投稿になってしまいました。
読んでくださりありがとうございます！🍉
あこ
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