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Aldebaran・Daughter

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ファンタジー小説『Aldebaran・daughter(アルデバラン・ドーター』
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2022年3月の記事一覧

Aldebaran・Daughter【12】繭を破る蝶の反抗

Aldebaran・Daughter【12】繭を破る蝶の反抗

「時間、空いてるかしら?」

 二日後の朝、集落の店に薬を卸したオリキスはその場でミヤに話しかけられ、ヒノエ新聞の事務局を訪れた。何の用事か、彼女は口にしない。
 玄関のドアを開くと合図のように、奥から酷い剣幕のアーディンが出て来る。大股歩きでずかずかと。

「オリキスくん。正直言って、君と会って話すのはツラいよ。けど、これだけは言っておきたい。島の人たちに、君と!エリカが!関係を持ってるなんて噂

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Aldebaran・Daughter【11】泡沫の調べは甘く捩れる

Aldebaran・Daughter【11】泡沫の調べは甘く捩れる

 翌朝、オリキスは移住する予定の家を訪れた。バルーガも連れて。
 二人はしゃがみ込み、敷地内に生えた雑草を素手で抜きながら作戦会議を行う。

「オレとあんたの二人で片付けちまうか?あのまま無し首族を放置しておくのは気色が悪い」

 バルーガは手早さ重視で、力任せに草を引っこ抜くか、地面より上の位置で無遠慮に千切るかのどちらか。適当だ。
 オリキスは無駄に体力を使いたくないのもあって、急がず、のんび

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Aldebaran・Daughter【10】暗闇の箱を開くとき

Aldebaran・Daughter【10】暗闇の箱を開くとき

 仔牛を無事に捕まえることができた三人は一頭ずつ引き連れて、森林から外れた平野にある牧場へ送り届けた。

「オットリーさぁああん!」

 エリカは右手を上げ、手を振りながら大声で牧場主の名前を呼ぶ。
 すると、細い丸太で作った柵の向こう側から筋肉隆々の男が現れ、地面をどっしどっし踏んで此方へ寄って来た。

「おぉ、モー子たち見つかったか!いやぁ、たぁすかった、助かった!」

 柵越しだが目の前に立

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