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中高生の輝き

勤務先の学校で、生徒からイベントに招待されることがあります。先日、久しぶりにダンス部の公演を覗いてきました。公演の冒頭では、タイミングが合ってないよ?…なんて意地悪に思う瞬間もありましたが、1時間の公演を見ているといつしか、10代の子が自分のしたいことを懸命に協力してやっている様子に胸をうたれていました。文化祭とかの行事は生徒の時も教員になっても苦手なのですが…学校の公演はなぜか、すごく惹かれます。

プログラム

前半30分は、ストーリー仕立てのステージ。学年をミックスしたグループごとにバレエを踊ってくれました。バレエを初めて踊る子もいたようですが、、懸命にバレエを踊ってました。後半はジャズダンス、今流行りのスタイルのダンスです。女子たちが…そんなセクシーなダンスして良いのかしら?ドキドキしながら見ていましたが、これが楽しそうでね。

学年ごとに曲を変えて、衣装を変えて、カッコよく踊ってました。
上級生になると、完成度も高くなってきます。(そりゃそうです)

中高生の魅力

もちろん、学校ごとに完成度やこだわりポイントには違いがあります。何校も勤めるとどうしても比較してしまう。
こちらをアッと言わせるパフォーマンスを見せつけられて感動したことがあれば、ん?練習不足かしら?ということもあります。他にも、衣装に力が入っている学校もありました。

そんなことではないのです。中高生の輝きは完成度とはまた違うところにあります。
顔が輝いている!本気なのですみなさん。
まだ、余計なものに塗れず、真っ直ぐに、ただできることを一生懸命にやっている姿を見て、心打たれます。人間って美しいなって。

教員がみる生徒の顔は、授業中のつまらなそうな顔、寝顔、時々面白くて好奇心が刺激されている顔、が多い。頭の中では、これらは彼ら彼女たちの一面だとわかっていますが、1年間そういうところばかり見てると、「印象」というものが嫌でも付きます。笑顔をみずに授業の受け持ちが終わる生徒もいます。(まあね、授業中に満面の笑みを浮かべられても、こちとら戸惑うわけですが。)

今日の公演を見て驚いたのは、「全員笑顔なので、顔を見ても誰かわからない」…ということです。校内ではマスクをした姿しか見ていないこともあり、マスクなしで踊るみんなの顔の判別は難しいだろうと思っていました。それ以上に、見たことのない笑顔をされると…誰かわからない。。笑
笑顔で誰かわからないって、、ちょっと寂しいですよね。先生って…

力を「合わせる」

もう一つ、同世代の子たちが「協力」して作り上げたものを見ていると、人間って協力できるんだなって思います。
時々、校内では、友人関係や学校生活、大丈夫かな?という雰囲気の子を見かけます。これまた、その瞬間だけの場合もあるので、取り立てて気にしないように気をつけています。軽く声をかける程度です。

けれども、そういう子が周りの生徒と折り合いをつけて、協力してダンスをしているところを見ると、心配したことのある私は嬉しくなります。心配なんかやっぱり必要なかったな、と、安心します。

大人になって、純粋に一生懸命になること、大人同士が協力することが、いかに難しいかばかりを知ることばかりです。やれやれ、と人々は割り切っていくのかもしれない。それも必要ですよね。
でも、10代の子たちにまざまざと懸命さと共同作業を見せつけられて、これが人間の本質なんだよな、と私の心はリフレッシュしました。
(ある本によると、人間が他の動物に勝った最大の特徴は「協力できる」ことだそうです。大型動物を絶滅させて…他の人類との生存競争でも有利に働いだという。)

眩しい君たち

これを書きながら、どうやら私自身、だいぶ人間に愛想をつかせつつあるな、とハッとしてます。。疲れてるのかしら。笑
どの学校でも、生徒たちの輝きは眩しいです。仕事では、彼らの手助けをしているつもりですが、やはり助けられてもいます。

巷では、今の学校はうんぬんカンヌん、と色々なジャンルの方がおっしゃってるのを耳にしますが、、そんなことを言っても、今学校に通っている生徒たちは、そのうんぬんカンヌんと批判される学校に行くしかない。

どんな時代も子供は柔軟で、本人たちが希望を持っています。学校の何かのせいで、まだピュアな部分を持つ生徒は、持って生まれた何かが曲がっていくこともあるでしょう。それでも、私は生徒たちを信じたいな。時には逆境を乗り越えて、未来をつないでいってくれるはずです。ついでに、私にもみんなの輝きを分けてください。 あなたたちに負けてられません!

(ただ、私は部活動指導のお仕事が…ちょっと…外注にしてほしいな笑。これぞ、大人のジレンマです。)

何はともあれ、いいものを見せてもらいました。ありがとうダンス部のみなさん。



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