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また、社に戻っている。 ただ、違うのは、自分と……だった。 あの者の姿は無く、時々狼が現れ…
目を開ければ、あの銀色の場所にいる。 目の前にあの者が立っている。 「お前はまた、繰り返…
「貴方様なら、喰えぬ私ですが、さっぱりと ……下さるでしょう。この世から居なくなったもの…
「ヒトはもうよいと、諦めはつかないか。」 あの者は、そう尋ねる。 「何故でございますか。…
「知っている。ここも知っているのは 驚いたがな。」 あの者が樹の上から無表情に言う。 「…
「欲…だな。お前には、私が眺めているように見えたのか。」 そう問われる。 「いえ…。鳥居…
「お前は、怖くないのか。この世から去ることが。」 答える。 「怖い…いいえ。それが来るのならば、そう言うことなのだと…。抗うことに何の意味がありましょう。朝があれば、昼、夜もあるように、ヒトの魂も巡るものと…。」 そう言うと、白狼は笑う。 「無粋な問いだったな。」 その言葉に返す。 「いいえ、私などのようなものに勿体無い…。」 鳥居の上の者はまたも問う。 「お前は、知らぬことは罪と思うか。」 「知らぬことも、知っているということも 同じと思います。 各々が知
いつもの社に戻っている。 鳥居を見上げると、真剣な目でこちらを見る あの者がいた。 「見て…
「あぁ…この桜…。」 何故だかわからない。 懐かしいこの桜は触れれば舞い散る桜吹雪。 右回…
どれほど嘆いたろうか…。 どれほどの時が経ったのかも分からず そこにいた。 過ぎる時の中、…
倒れ込み暫くの時が過ぎる。 気を失っていたようだ。 目を開けると社が見える。 周りに溢れる…
「ヒトの狂気の様は…の比にならない。 ヒトというのは…。面倒なものだ、いっそ…」 と、鳥…
雨の降る社殿までの道を歩く。 鳥居の向こう側に大きな狼がいる。 雨に濡れた身体を一振るいし…
「もう私には何も残っていない。 皆居なくなるのか…」 女性は呟きました。 少し寂しそうに、けれどわかっていた様に。 「新しい時がくるのだな。」 そう言う女性に小さな光が寄り添っています。 泣くでも笑うでもなく女性はじっと あるものを見て言いました。 「限りがあるから美しいと言うが、 限りがあろうとなかろうと、 美しいものだ。」 そう言うと、女性は手に持った…を 大きく振るいました。 するとそこには、無限に続く…がありました。 そこは、夜でも昼でもない場所でした。 時間と