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*DAY5 空を見上げてお腹を空かす / 1月18日(Sat) ---5

さすがチェーンのクオリティ、土曜の14時でも種類が多い!
まず種類を把握するだけでもちょっと時間が欲しいくらい、たくさんのパンが並んでいる。しかし既に店員さんがオーダーをスタンバイしている。
流れるように目で全種類を確認し、チョコとカスタードが入ったパイ、チキンのカルツォーネ、アメリカーノを頼んだ。

店員さんはスペイン語だったので、今まで英語の対応しか受けていなかった私たちは予想外。どうにかジェスチャーを交え、意思疎通を完了した。
一瞬焦った……。英語じゃない言語のときの、「あっ、やばい何もわからん」ってなる感覚が久々にきた。急に目がガツンと覚めるような、脳みそフル回転全力状態。分からないからこそ、全力で耳を傾ける。

海外では英語が母国語じゃなくても話せる人が多いから、挨拶はスペイン語だけど、会話のときは英語でコミュニケーションをとってくれることが本当に多いのだ。でも日本の場合は、英語が話せないって時の方が多いんじゃないかなぁって思って、そのときに相手が困る気持ちを実感した。「えっ、英語も通じないの?」って感じるだろうなぁと思ったので、やはり標準装備したいもの。
海外に来るとより分かる、英語の大切さ。帰国するとめちゃくちゃモチベーションが上がって勉強するのだけど、一定の期間を過ぎると勉強しなくなっちゃう(使うときがないから)サイクル、どうにかしなくちゃいけない。
まず道案内のマスターから始めようかしら……。

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パン2つとアメリカーノで、日本円で588円だった。安い!やっぱりコーヒーが安いんだよな〜。
ボリューム満点、味もおいしい。この、誰でもおいしいと感じるような、おいしい味。ポッキーとかポテチみたいな、この味嫌いな人っている?みたいな安心のおいしさ。間違いないよ。

お腹も満たされれば心に余裕。ここで明日の飛行機のリマインドメールが届き、座席指定を済ませた。もう明日帰るなんて、時間が過ぎるのは本当に早い。でもまだセンチメンタルになるのは早いので、振り返りはせずにカルツォーネを食べた。


さっきのHUMANAに戻るとお客さんはまぁまぁ入っていて、人がいる分お店の人も私たちを気にすることがなく、ゆる〜っと見れる。ラックをかき分けながらなんとなく一周し、ブルーのゼブラ柄のブラウスが気に入って、何度か鏡ごしに見てみた。
うーん、どうだろうか。透け感がありかわいいけど、日常的にはたくさん着ないかもしれない。でもたまにはこういう気分のときもあるだろうし、ブルーのゼブラという結構強めな要素は透け感によって緩和され、あまり見ない魅力がある。とりあえず、試着室へ。

わるくないんだけど……でも、なんか…… 首を傾ける感じだった。
やっぱりあんまり着ない気がしたので、残念だけど手放すことに。他に特に欲しいものは見つからなかったけど、お店全体の値段はお手頃で、商品も綺麗なものが多かった。お客さんは地元の人が多いみたいだった。

あれがもう少し透け感がなかったら良かったのか……?いやそれはゼブラが強いか。手放したくせにまだ頭の中にいるゼブラ、やはり一瞬は恋をしたのだな。


ボルン地区の方へと散策。グーグルマップにピンしていた雑貨屋さんやお土産屋さんを見て回る。観光スポットにはお決まりの国旗マグネットや世界遺産のポストカード。実際これをどれくらいの人が買うんだろうな。mamiさんとそんなことを話しながら、ぷらぷらしているだけでも楽しい。

立ち並ぶお店を見ながら歩いていると、ここで私の目が引き留められた。
なんと、シナモンロールのお店を発見したのである。

なんか賑わってるお店があるぞ、と道の反対側から見ていたら、シナモンロールらしきものがお店の中に見えた。
(シナモンロール……?)歩き進める足と裏腹に視線がシナモンロールを離れず、頭と足が引っ張り合い、体の限界で足が止まった。

私はパンの中ではもちろん、すべての食べ物の中でTop3に入るくらいシナモンロールが好き。シナモンロールを食べることを「シナ活」と呼び、以前シナモンロールをモチーフにした作品を展示する「シナモンロールアート展」というグループ展にも参加したり、日々シナモンロールを愛でて過ごしている。

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シナモンロールアート展の際に描いた、フィンランド式の平たいシナモンロール。(2018 / アクリルガッシュ)

お腹はさっきのパンのおかげで満腹、しかもこのあと1時間くらいで夕飯に向かう予定……。お昼ご飯を食べる時間が予定より遅くなってしまったので、おやつなんぞ入れる猶予はない。

悩み、迷う心。しかもお店には、扉の外まで溢れるたくさんのお客さんがいた。今までこんなに人が溢れているカフェやパン屋さんは見かけていない。このお店、すごくないか?
シナモンロールは窓際にもたくさん置かれていたので、外からでもよく見えた。美しく渦巻くシナモンロール。もう気持ちの「食べたい」が止まらない。

お店の名前、「Demasié」を検索してホームページを見てみると、「バルセロナで一番のシナモンロール」と出てきた。バルセロナで一番。これは、食べないわけには、行かないんじゃないか……!
だって次にここに来たときに、このお店がまだあるかなんてわからない。今がどれだけ満腹になっても、食べたほうが絶対に後悔しない。頭では一応考え中のつもりだったが足はすでに列へと進んでいて、私は最後尾についた。基本的に頭で考えてはいるものの、心が先行して体が動いている。
もちろん先ほどパンを食べたばかりなので、ここでは食べないmamiさんです(賢明)。

「Rolls」と書いてあるシナモンロールの形をしたものは、たくさんの味の種類があった。Cinnamon、Nutella、Oreo、Blueberry、Matcha tea……どれもとってもおいしそう〜!
すぐに私の番が来て、まだ迷う余地はあったがビーガンのシナモンロールにした。普通のシナモンかビーガンかで迷っていたが、ビーガンのシナモンロールって食べたことがなかったし、この満腹加減に対してせめてもの配慮をしてみた(何かをオフできているのかは不明)。

本来ならば、シナモンロールのお供はコーヒーがベスト。
しかし本気でお腹がいっぱいなのでペットボトルのお水を買うことにした。お水は普段から一番飲むものだし好きだけど、もう今は選択肢の中から水を選んでいるのではなく水しか入らない。他が無理状態。本当に「満腹」ということだった。

そんなにお腹いっぱいなら持ち帰るとか、明日食べればいいのではと思うかもしれないけど、明日の朝に帰るので、もう私に残された時間はないのである。


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